iPhoneが出る前のAppleは、今とはまるで違う会社だった。時価総額世界トップクラスの巨大企業として誰もが知る存在になったAppleだが、その道のりは決して順風満帆ではない。僕にとってAppleは、ずっと「Macの会社」だった。デザインのできる友達が持っているもの。Apple=Macという印象のほうが圧倒的に強かった。でもAppleの歴史を掘れば掘るほど、「よくここまで来たな」と思わずにいられない。
1976年4月1日、バンと電卓から始まった
Appleが創業したのは1976年4月1日。エイプリルフール。ジョブズはフォルクスワーゲンのバンを、ウォズニアックはHP-65の電卓を売って、元手を作った。世界一の企業の始まりが「バンと電卓」。最初の製品「Apple I」の価格は666.66ドル。ケースもキーボードもモニターもない、基板だけの状態で販売された。
1977 - Apple IIが
パソコンの歴史を変えた
Apple IIは、パソコン初のカラーグラフィックスを搭載。1978年の780万ドルから1980年には1億1,700万ドルまで急成長。1980年にIPO。ガレージから始まった会社がわずか4年で上場企業に。
初期Appleの貴重なビジュアル
初代Macintosh発売
初代Macintosh発売。GUIとマウスを一般消費者に広めた革命的な製品。スーパーボウルCM「1984」は広告史に残る伝説。ジョージ・オーウェルの小説をモチーフに、「Appleが既存の秩序をぶち壊す」というメッセージ。Appleの「他とは違う」というブランドイメージの原点。
Appleが既存の秩序をぶち壊す。
複雑なコマンドラインから、直感的なアイコン操作へ。
マウスのシンプルな「ポイント・アンド・クリック」で、誰もがコンピュータの力を使える世界へ。
社内の権力闘争に敗れ、ジョブズが自ら共同創業した会社から追い出された。追い出されたジョブズはNeXT Computerを創業し、ルーカスフィルムからPixarを500万ドルで買収し、さらに500万ドルを出資(計1,000万ドル)。このPixarがのちにディズニーに70億ドル以上で買収される。
倒産寸前の暗黒時代。ジョブズ不在のAppleは迷走。製品ラインナップは肥大化し、方向性を見失い、倒産寸前。転機は1996年、AppleがNeXTを4億ドル以上で買収、ジョブズが復帰。自分が追い出された会社に、自分が作った会社ごと買収される形で戻る。NeXTの技術はのちにMac OS Xの基盤に。
1990年代の
革新的な
モデルたち
PowerBookがノートパソコンの形を定義し、Newtonがモバイルコンピューティングの未来を示唆した。暗黒時代の中でも、Appleは革新的な製品を生み出し続けていた。
1998年。iMac G3発表。半透明でカラフル。フロッピーディスクドライブ廃止という大胆な判断。「世界はCDとインターネットに移行する」というジョブズの読みは正しく、iMac G3はApple復活の象徴。倒産寸前だった会社が、たった1つの製品で息を吹き返す。
Bondi Blue iMac
復活の象徴
灰色の箱だらけの時代に現れたカラフルなMac。フロッピーディスクドライブ廃止という大胆な判断。iMac G3はコンピュータをインテリアからライフスタイルアイテムへと変貌させた。テクノロジーを人生に溶け込ませるAppleの哲学の完全な体現。
1990s~2000年代の代表製品
2001年、iPod発表。「1,000曲をポケットに」でiPod発売。2003年にiTunes Store開始。音楽の聴き方だけでなく「買い方」そのものを変えた。iPodの成功は、Appleが「コンピュータの会社」から「ライフスタイルの会社」へと変貌する決定的な一歩。
社名から「Computer」が消えた日
ジョブズは「電話を再発明する」と宣言し、初代iPhone発表。Apple Computerから Apple Inc.に社名変更。ガレージで基板を売っていた会社が、世界中の人のポケットに収まる製品を作る会社になった。
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