Part 3

iPodからiPhoneへ。手のひらデバイスの進化

2026年4月1日、Appleは創業50周年を迎える。50年の歴史のうち、約半分は「手のひらに収まるデバイス」が主役だった。

g.O.R.i / 14 min read

iPhoneやAirPodsは知っているけど、Appleのことはよく分からない。そういう人にこそ知ってほしい歴史。Tim Cook氏は「iPhoneにはまだまだやれることがある」と語っている。

2001
"1,000 songs in your pocket"

iPod発表
ポケットの革命

2001年10月23日、初代iPod発表。容量5GB、約1,000曲、399ドル。CDウォークマンやMDプレイヤーが主流の時代。iPodの名前は映画『2001年宇宙の旅』に登場するポッド(小型宇宙船)からインスピレーションを得たとされる。

2004年iPod mini登場、5色展開。その後nano、shuffle、touchと派生モデル。約20年で推計約4億台。2022年に販売終了。

iPod

僕自身、iPod miniを使っていた。大学時代はアカペラサークルに所属していたため、アカペラグループの大御所・Vox Oneのサインをもらったケースに入れて持ち歩き、アカペラ曲を流し込む日々に明け暮れていた。今は友人のコレクターから譲り受けたiPodを飾っている。

「iPodを殺すのは携帯電話だ。自分たちでやらなければ、他社にやられる」

— Steve Jobs, 2005年 取締役会

2005年、Jobsは取締役会で警告した。自社の稼ぎ頭を自ら食い殺す決断。社内でiPodチームのTony Fadellが「iPodを大きくして電話機能を足す」、MacチームのScott Forstallが「Macを小さくしてポケットに入れる」と提案。Macチームのアプローチが採用され、これが後のiOSの基盤に。

AppleはMotorolaと組んで「ROKR」を出して大失敗。「自分たちで全部作るしかない」と腹を括った。2007年1月9日MacWorldで「iPod、電話、インターネット端末。これは3つの別々のデバイスではありません。1つのデバイスです」。

2007
"This changes everything"
Steve Jobs introduces iPhone, 2007

iPhone発表 - Appleの第二章始まる

2007年1月9日、Macworldの舞台でiPhoneが発表された。観客は3つの異なるデバイスが発表されると思っていたが、実は1つのデバイスだった。

iPhoneは、iPod、電話、インターネット通信機器の全てを融合した革命的なデバイス。タッチスクリーン、直感的なUI、Safari。これまでのスマートフォンの常識を覆した。

iPhone Launch — スマートフォンの革命

Steve Jobs gazes at iPhone in glass case at Macworld 2007

2007年1月9日、サンフランシスコで開催されたMacworld Conferenceにて。ジョブズが発表したばかりの初代iPhoneが、ガラスケースの中に展示されている。この小さなデバイスが、世界を変えることになる。

2008
Japan Launch - iPhone 3G

僕の初iPhone

日本上陸は2008年7月11日、ソフトバンクからiPhone 3G。僕の初iPhoneもこれ。契約にセゾンカードが必要で初めてクレジットカードを作った。初代iPhoneにはコピペ機能すらなかった。通知機能もない。Gmailの通知のためだけにGPushというアプリが必要。当時の必須アプリはTwitterfon Pro、Byline、Pennies、Occasions。iPhoneとガラケーの二台持ちが当たり前だった。

iPhone 3G

Jailbreak(脱獄)文化

iOSの脆弱性を突いてOSを書き換え、公式にはない機能を実装。2008年のCydiaという"裏のApp Store"。コピペ機能からマルチタスクまで実現。Appleが後から公式機能として追加したものにも脱獄コミュニティ発のアイデアが。僕は「WindowsのMac化」を楽しんでいたタイプなので、脱獄の世界は性に合っていた。

iPhoneの脱獄(Jailbreak)

App Store Launch — App StoreはiPhoneエコシステムの基盤となった

iPhone 5s
指紋で未来が開いた

2013年iPhone 5sでTouch ID搭載。指一本でロック解除、という体験がセキュリティとUXを両立させた転換点。

iPhone 5s

iPhone X
毎年買い換えなくても
いいという完成度

2017年iPhone XでFace IDとホームボタン消滅。毎年のように革新的な進化が続き、「毎年買い換えなくてもいい」完成度に。今は熱狂というよりかゆいところに手が届く進化が楽しみ。iPhoneが生活に根付いた証拠。

iPhone X
2015+
手のひらから、手首と耳へ

Apple Watch
手首を支配する
スマートウォッチ

2015年Apple Watch発売。初代には18金ゴールドモデル、価格200万円超。2018年Apple Watch Series 4でFDA認可の心電図機能。「ガジェット」から「命を救うデバイス」へ。

Apple Watch

iPhone 7 & AirPods
イヤホンジャック廃止
という英断

2016年AirPods登場、iPhone 7のイヤホンジャック廃止と同時。iPhoneを取り出すだけで、自動的にペアリング。同期。シームレス。音質と利便性の完璧なバランス。手のひら、手首、耳。Appleのデバイスは年々身体に近づいている。

iPhone 7
450M+
iPods Sold (Lifetime)
100B+
Services Revenue Reached in 2025
2015-2026
Wearables Era
25年
iPhoneは最初のiPod発表から

次の50年を、自分の目で

一番手放せないのはiPhone。AirPodsもApple Watchも最悪なくてもなんとかなるが、iPhoneは無いと生きていけない。Tim Cook氏の「iPhoneにはまだまだやれることがある」という言葉。iPhoneの進化による"熱狂"の役目は終えている気がするが、その先にきっと新しい熱狂がある。

Apple創立100周年をしっかりと自分の目で見届けられるように、長生きしたい。

次のエピソード

Part 4: 日本とAppleの歩み

東京、銀座、渋谷。日本がAppleの文化をどう受け入れ、そしてAppleが日本にどう影響されたのか。

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