iPadOS 26.1、正式リリース。「Slide Over」が待望の復活

Appleは日本時間11月4日、iPadOS 26の初となる主要アップデート「iPadOS 26.1」の配信を開始した。iPadOS 26の正式リリースから約6週間を経て実施されたこの更新には、多くのiPadユーザーが待ち望んだ「Slide Over」機能の復活が含まれている。

iPadOS 26.1は、「設定」>「一般」>「ソフトウェアアップデート」からiPadOS 26に対応するすべてのiPadモデルでダウンロード・インストールできる。

Slide Overがウィンドウシステムと共存する形で復帰

iPadOS 26.1では、iPadOS 26で削除されたマルチタスク機能「Slide Over」が復活した。この機能はiPadOS 26で導入されたウィンドウベースのマルチタスク機能と併用する形で提供され、複数のアプリウィンドウを開いた状態でも、Slide Overアプリを素早く呼び出して作業を進められる。

Slide Overを使用するには、ウィンドウ左上の緑色のトラフィックライトをタップして表示されるメニューから選択するだけだ。ハードウェアキーボードを利用している場合は「Globe キー + \」のショートカットで素早く表示・非表示を切り替えられる。Slide Overの最大の魅力は、ほかのウィンドウより手前に表示できる点で、使用していないときは簡単に画面の外に移動することができ、必要なときにサッと呼び出せる。

単一アプリ仕様になったが、サイズ変更が可能に

復活したSlide Overには変更点もある。iPadOS 18では複数のアプリをスタックして素早く切り替えられたが、iPadOS 26.1では一度に1つのアプリしか使用できない仕様になった。一方でウィンドウのサイズ変更が可能になり、好みのサイズやアスペクト比を選択できるようになっている。

Apple IntelligenceとLocal Captureなど多数の新機能

iPadOS 26.1には、Slide Over以外にも多数の新機能と機能強化が含まれている。主な追加機能は以下の通りだ。

• Apple Intelligence：iPad AirおよびiPad Pro（M1チップ以降）、iPad mini（A17 Pro）で、”電話”のライブ翻訳で異なる言語間での通話中に音声とテキストの翻訳を使用できるように。FaceTimeのライブ翻訳では、通話中に翻訳されたライブキャプションが表示される
• Liquid Glass：設定で外観をデフォルトのクリアな見た目にするか、アプリの素材やロック画面の通知の不透明度を上げる新しい色合い調整にするかを選択可能
• Apple Musicのミニプレーヤー：スワイプジェスチャで次または前のトラックに移動できるように
• Apple MusicのAutoMix：AirPlayで利用可能
• 新しいカメラ設定：ロック画面をスワイプしてカメラを開く機能をオンまたはオフに切り替えられる
• 低帯域幅環境でのFaceTime：音質が向上
• ローカル収録：録音時に外部USBマイクでゲイン制御を使用できるように。収録ファイルの保存場所を選択可能
• お子様用のアカウント：既存の13〜17歳のお子様用のアカウントでは、”コミュニケーションの安全性”に加え、成人向けWebサイトを制限するためのWebコンテンツフィルタがデフォルトで有効に
• Apple Vision Proアプリ：iPadでも使用して、新しいコンテンツや空間体験を見つけたり、デバイスに関する情報に素早くアクセスできるように

これらに加えて、音声の壁を超えたコミュニケーション、ローカル収録の改善が追加されている。開発者版を利用していたユーザーからは「iPadOS 26.0より動作が滑らか」との報告もあり、バグ修正やパフォーマンス改善も施されているようだ。一部の機能は地域やiPadのモデルによっては使用できない場合があり、詳細はAppleの公式サイトで確認できる。