「OS X 10.11 El Capitan」、正式発表!細い使い勝手が改善され、パフォーマンスが向上
本日、Appleは次期OS Xバージョンとして「OS X 10.11 El Capitan」を正式発表した!既に公式ページも公開されている。
以前から噂されていた通り、「OS X El Capitan」はMacにおける細い使い勝手や操作が改善され、あらゆるパフォーマンスが向上しているようだ。以下に発表内容をまとめたので、参考にどうぞ!
Mailアプリ
スワイプジェスチャ操作の対応
今や多くのiOSメールアプリは左右のスワイプジェスチャを利用し、メールをアーカイブ化したり、削除したりすることができる。
次期OS Xに搭載されている純正のメールアプリにもついにスワイプジェスチャに対応。受信ボックスで右にスワイプすると開封・未開封にすることができ、左にスワイプするとそのメールを削除することができる。
フルスクリーン時でも複数のメールをタブ化
OS Xではフルスクリーン機能が用意されているが、現状ではフルスクリーンにすると同一アプリ内における複数ウィンドウの操作はしづらく、使い勝手が悪い。特にメールアプリにおいては次々と受信するメールを連続で対応したい場合、フルスクリーンは不便だった。
この悩みは「OS X El Capitan」で改善される。書いているメールの画面を下にスライドさせて受信ボックスに簡単にアクセスできるようになった他、複数のメッセージを取り扱っている場合は新規メールをタブ化させることによって簡単に切り替えることができるようになった。
新しいフォントの登場
「OS X El Capitan」では日本語入力も改善されている。語彙数も増え、言語エンジンも改良されている。ひらがなを入力するのとほぼ同時に変換してくれるため、都度スペースバーを押す必要もなくなる。
さらに、「クレー」「筑紫A丸ゴシック」「筑紫B丸ゴシック」「游明朝体+36ポかな」という4つの新しい日本語フォントが追加されることも明らかになっている。
Safari
タブをピン留め(固定)する機能
既にはるか昔からGoogle Chromeは対応している機能ではあるが、「OS El Capitan」のSafariはようやく特定のページのピン留め機能に対応した。
どのタブから音が鳴っているのか分かるように!消音もワンクリック
これもGoogle Chromeが既に対応している機能だが、どのタブから音楽が鳴っているかを表示することもできるようになった。Google Chromeよりも一歩先を行っているのは、アドレスバーからその音を出している特定のタブをミュートすることができるということ。もちろん、ブラウザから音を一切出したくない場合は全てのタブをミュートすることもできる。
Spotlightの検索機能強化
「OS X Yosemite」でこれまでのSpotlightを大幅に強化したAppleだが、「OS X El Capitan」ではSpotlightはさらに賢くなった。わざわざブラウザを開く必要がないように、様々なソースから情報を取得し表示することができるようになった。ネットにあるビデオも検索結果に出してくれると発表されていた。
新しいSpotlightは検索結果が賢くなっただけではなく、検索の仕方も賢くなった。具体的には自然言語処理が施され、自然な言葉遣いで入力してもユーザーが何を求めているのか、何を探しているのかを理解できるようになった。
例えば、「昨日作った予算に関するプレゼン」と検索すればそれに一致する検索結果を返してくれるのだ。機械を相手にしているのではなく、話し言葉をそのまま打ち込むような感覚で検索することができるようになった。
Mission Control
ExposeとSpacesを合体させただけでしかなかった「Mission Control」がようやくもう少し存在意義を感じられるようになりそうだ。
まず、個人的に嬉しいのはMission Controlを起動すると全てのウィンドウが平面上に並べられるということ。現状、同じアプリケーションのウィンドウなどは重なって表示されるので探しているウィンドウを探しづらい。これが改善されるようだ。ウィンドウの元の位置を保ちながら展開するので開きたいウィンドウを探すのも簡単になりそうだ。
さらに新たなスペースを作るのも今までより楽になった。上に用意された「Spaces Bar」の上にウィンドウをドラッグ&ドロップすると新しいスペースが表示される。フルスクリーンに対応しているアプリであればそのままフルスクリーンモードに切り替わる。
マウスを揺らすとマウスカーソルが拡大され、出現
「OS X El Capitan」のデモの冒頭で発表され、個人的に地味に便利だと感じたのはマウスカーソルを表示する機能。トラックパッドで指を左右に動かすか、マウスを揺らすことによってカーソルが拡大され、見つけやすくなる。
Split Screen
フルスクリーンモードは1つのアプリケーションに集中したい時に便利だが、1つのアプリケーションで完結しないことの方が多い。
今回、「OS X El Capitan」では2つのアプリケーションをフルスクリーンモードで並べて表示することができる「Split View」モードを用意している。選んだ2つのアプリが画面いっぱいに表示されるため、2つのアプリに集中して作業することができる。
パフォーマンスが劇的に改善!
細い使い勝手は改善されているが、実際のところパフォーマンスはどの程度改善されているのか。
Appleによると、アプリの起動は1.4倍以上高速化、アプリの切り替えは2倍以上高速化、メールアプリの最初のメッセージを表示するのに掛かる時間が2倍以上高速化、プレビューアプリでPDFファイルを開くのに掛かる時間が4倍以上高速化されたという。
気になる比較対象だが、「128GBのフラッシュストレージと8GBのRAMを装備した2.7GHz Intel Core i5搭載13インチMacBook Proを使用し、2015年5月にAppleが実施したテスト結果によります。リリース前のOS X v10.11とリリース後のOS X v10.10.3を使ってテストを実施しました。」とのこと。信頼できる測定結果であると言えるだろう。
Metalに対応
Appleのグラフィックに関する新しいテクノロジー「Metal」がMacでも利用することができるようになった。システムレベルのグラフィックレンダリングを50%加速され、効率も最大40%向上させるそうだ。
ベータ版のリリースは本日から、正式リリースは今秋
「OS X El Capitan」は本日からデベロッパー向けにベータ版が配布開始されている。今夏までにはパブリックベータ版も配布予定となっているとのこと。
また、正式リリースは今秋になると発表。具体的な日程は明らかになっていない。もちろん、アップデートは無料だ。
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