AirPods 2 レビュー

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Apple H1チップで完成度をさらに高めた、完全ワイヤレスイヤホンの王者

2016年9月に発表された初代「AirPods」が登場してから2年半以上が経ち、2019年3月、突如「AirPods (第2世代)」、通称「AirPods 2」が発表された。

満を持して登場した最新モデルは一部で噂されていたようなブラックモデルも無ければ、防水性能もノイズキャンセリング機能も用意されていない。ただ、確実に初代モデルから進化している。

最も分かりやすいのは充電ケースのワイヤレス充電対応。加えて、「Apple W1」チップから「Apple H1」チップにアップグレードされ、その恩恵として「Hey Siri」のサポート、レイテンシの低減、接続時間の高速化などが改善されている。

音質に関しては大きな違いは確認できていないが、初代モデルから音楽や動画、ポッドキャストなど、幅広いジャンルの音を楽しむための完全ワイヤレスイヤホンとして万能な音質を実現している。

耳に入れておいても気にならない軽さ、そして軽さとは裏腹になぜか耳から抜け落ちないフィット感。初代モデルの良さはそのまま引き継がれ、製品としてのクオリティがまた一段と上がっている

僕の手元にも「AirPods (第2世代)」が到着したので、「AirPods (第1世代)」から進化した点を中心に紹介する!

外観:「AirPods (第2世代)」と「AirPods (第1世代)」はほぼ同じ

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「AirPods」の新旧モデルを並べると、驚くほど似ていることが分かる。サイズが全く同じなので「AirPods」用ケースを使っていたのであれば、そのまま使うことができる

AirPodは全く変わっていないが、充電ケースには一部違いがある

「AirPods」用充電ケースの比較

両ケースを並べてみると、背面にある設定ボタンの位置が異なることに気づく。第2世代モデル(右)は本体中央に移動していることが確認できる。
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ワイヤレス充電対応ケースの場合、第1世代モデルではケース内部にあったLEDがケース外部に移動していることが確認できる。
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左:初代モデル / 右:第2世代モデル

実はヒンジ部分の材質も変化している。初代モデルは光沢がある素材だったが、新しいモデルはつや消し加工が施されているように見える。
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左:初代モデル / 右:第2世代モデル

背面にあるヒンジ部分を見比べるとその違いがよりわかりやすい。個人的には新しいモデルの方が上品で好きだ。
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他にも細かい変更点として、ケースの内側に書かれている内容も異なる。初代モデルでは書かれていた電池容量の記載もなくなっていた。

新旧「AirPods」のサイズ・価格の比較

Appleが公開している公式情報をもとに新旧「AirPods」のサイズ・価格の比較表を作ってみた。参考にどうぞ!

AirPods 第2世代
新モデル
第1世代
旧モデル
ワイヤレス充電ケース 通常ケース 通常ケース
価格
Apple Store、税別)
22,800円 17,800円 16,800円
イヤホンサイズ 16.5 × 18.0 × 40.5mm
イヤホン重量 4g
ケースサイズ 44.3 × 21.3 × 53.5mm
ケース重量 40g 38g

第2世代と第1世代のAirPodが共存するとどうなるのか

AirPodは第1世代も第2世代も完全に一致する。異なる世代のモデルを同じ充電ケースに入れても正直、分からない。

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幸いにも僕らが分からなくてもAirPodと充電ケースは分かっている。例えば、下記のように左右で異なる世代のAirPodを入れたとしよう。どう見ても違いが分からない。

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ところが、iPhoneに近づけると「AirPodの世代の不一致」という忠告画面が表示され、具体的にどのAirPodが間違っているのかを正確に教えてくれるのだ。

AirPodの世代の不一致

なお、「AirPods (第2世代)」のAirPodを「AirPods (初代モデル)」のケースに入れても充電することができ、ペアリングもできる。あくまでも異なる世代のAirPodを1つの充電ケースに入れるとエラーが表示される仕組みになっているようだ。

また、初代モデルと最新モデルを両方持っている人で、2つ同時に接続できることを期待した人は残念!簡単に切り替えることはできるものの、2つの異なる「AirPods」に対して同時に出力することはできない

使い勝手:初代モデルの強みはそのまま、新機能を追加し欠点を克服

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外観の比較の通り、「AirPods (第2世代)」は「AirPods (第1世代)」のマイナーアップグレードモデルだ。「Apple H1」チップに進化し、ワイヤレス充電に対応したことを考えると、「iPhone 7」から「iPhone 8」への進化に通じる部分がある。

逆に言えば、初代モデルが大好きだった人にとって第2世代モデルはその良さがそのまま引き継がれ、より良くなっているので気に入らないはずがない。一部のボタンやLEDの配置を除き、デザインもサイズも重さも全く同じなのだ。

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もちろん、W1チップで「Bluetoothペアリングを再定義した」と言っても過言ではない、iOSデバイスとの連携プレイも健在。最新モデルに搭載されているH1チップでも開封後、「AirPods」をiPhoneに近づけるだけで認識され、ペアリングされる

Paring AirPods 2nd Gen with iPhone XS

では何が進化したのか。買ってすぐに体感できたのは「Hey Siri」の対応、レイテンシ(遅延)の低減、接続時間の高速化、ワイヤレス充電の対応

それぞれ試してみたので、実際の使い勝手や初代モデルと比べた変化をまとめておく!

「Hey Siri」の対応:使う人にとっては超便利

「Hey Siri」なんて使わない、という人にとっては対応したこと自体どうでも良いと思っているかもしれないが、僕は利用頻度が高い。

我が家は「HomeKit」に対応したスマート電球やSiri対応のスマートロックを導入している上に、小さい娘を抱っこしたり、犬を抱っこしたり、両手が塞がっていることも少なくないため、音声操作は大活躍。

最近ではマスクをしているため「iPhone XS」のロック解除がしづらくなったため、今まで以上に「ヘイ、シリ!」と叫ぶ機会が増えてきた。

「AirPods」が「Hey Siri」をサポートしたことにより、iPhoneもApple Watchも操作できない時の操作手段として活用できる。幸いにも僕は「AirPods」と耳の相性が良く、抜け落ちる心配がないため、常時耳の中に入れたままにしておけば音声コマンドを指示することができる。

レイテンシの低減:確かに遅延は少ない

Appleいわく、第2世代モデルではゲームでのレイテンシが最大30パーセント低減したと謳っている。残念ながら僕は全くゲームをプレイしないので、その差は分からない上に、分からなくても困らない。

とは言え、遅延が3割も改善されるというのはとてつもなく凄いこと。その実力を確認するために、YouTubeチャンネル「Appleが大好きなんだよ」が「AirPods (第2世代)」を撮影用カメラのマイク部分に取り付け、ゲームをプレイしている様子を公開していたので載せておく。

プレイしているのはアクションゲームとなっているが、僕の目と耳では遅延は感じられず、ピッタリと一致しているように見えた。

そもそも「AirPods」は初代モデルから比較的遅延が少ないという印象があり、YouTubeを見ていても音声が大きく遅れるような印象は受けたことがない。

今回も複数の動画で試してみたが、わずかに第2世代モデルの方が一致度が高いような気がしたが、「3割改善されている」という思い込みからそのように見えているかもしれない。

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なお、「Bose SoundSport Free」でYouTubeを見ると動画と音声のズレが凄まじく、使い物にならない。同じ完全ワイヤレスイヤホンという仕組みでありながら全く遅延が感じられない「AirPods」は偉大である。

接続時間の高速化:劇的に早くなっていた

Appleによると、「AirPods (第2世代)」は「Apple H1」チップのお陰で接続するデバイスへの切り替えは最大2倍高速に、電話の通話への接続は1.5倍高速化しているという。

電話の切り替えは確認できていないが、iPhoneとMac間の切り替えは驚くほどの差があった。初代モデルは12秒掛かっていたものが、第2世代モデルで2秒台に短縮されたのだ!

もちろん、初代モデルは毎回12秒掛かるわけでもなければ、第2世代モデルも毎回2秒台で切り替わるというわけではない。ただ、平均して新しいモデルの方が切り替えに掛かる時間が短くなっていることは間違いない。

ワイヤレス充電対応:便利だけど無くても困らない

「AirPods (第2世代)」のケースはワイヤレス充電に対応しているモデルがある。そして対応していないモデルもあれば、初代モデルでも利用できるワイヤレス充電ケースも販売されている。

僕が今回購入したのはワイヤレス充電に対応しているモデル。Qi規格に対応するワイヤレス充電台の上に載せると充電ケースの手前にあるLEDが点灯し、充電していることを知らせてくれる。

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もちろん、本体下部にはLightningポートが用意されているため、引き続き有線充電もできる。

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電池残量52%から98%まで回復するのに掛かった時間は1時間20分。置くだけで充電できるので、確かに便利だ。

ただ、個人的には「AirPods」は電池持ちが良すぎるため、iPhoneのように常に充電しておくような使い方をしていない。1週間に1回充電すれば十分であり、ワイヤレス充電の恩恵を受けたいと思うほどLightningケーブルを挿すことを手間と感じていない。

「AirPods」のワイヤレス充電対応は、iPhoneの時のような感動は生まなかった。

音質:体感できる違いはなかった

「AirPods (第2世代)」に搭載されている「Apple H1」チップによって音質が多少なりとも変化するのではないかと思っていたが、交互に聞き分けても、同時に1つずつ耳に挿しても違いが感じられない。

Appleのバイスプレジデントに取材したギズモード・ジャパンによると、オーディオクオリティは初代モデルから変わっていない、と説明している。

チップが進化したのはレイテンシの低減やデバイス切り替え時間の短縮などに一役買っているようで、音質に影響するものではないそうだ。

電池持ち:体感できていないが、安心感はある

電池持ちに関しても、従来モデルと比べて通話時間が伸びているのはH1チップになったお陰。まだ電池持ちの違いは確認できていないが、少なくとも2年半使い込んだ初代モデルよりは電池残量が残っているので安心感がある。

第2世代(最新モデル) 第1世代(初代モデル)
充電ケースとの併用 24時間以上の再生時間
最大18時間の連続通話時間
24時間以上の再生時間
最大11時間の連続通話時間
AirPods(1回の充電) 最大5時間の再生時間
最大3時間の連続通話時間
最大5時間の再生時間
最大2時間の連続通話時間
充電ケースで15分充電 最大3時間の再生時間
または
最大2時間の連続通話時間
3時間の再生時間
または
1時間以上の連続通話時間

完全ワイヤレスイヤホンとしての完成度を高めた「AirPods (第2世代)」

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かつて「耳からうどん」と揶揄されていた「AirPods」は「ダサい」から「カッコイイ」に変化し、街中でも男女問わず身につけている人を見かける機会が格段に増えた。

では、最新モデルである「AirPods (第2世代) 」は買うべき製品なのか。初代モデルを持っている人は買い換える価値があるのか。

「AirPods (第2世代)」はマイナーアップグレードモデルだ。外観を変えずに細かい使い勝手を改良し、より完成度を高めた製品となった。

聞いた話によると、「AirPods」は初代モデルの時点で技術的に競合製品よりも数年先を行っているようで、「Apple H1」チップの搭載によってその距離はさらに広がったと考えられる。

販売数からしても、今や「AirPods」は完全ワイヤレスイヤホンの絶対王者。アップデートされたことにより、その地位をさらに確固たるものにした。

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「AirPods」をこれから買ってみたい、という人には全力でお勧めする。ただし、耳に合う合わないはあるので、持っている人に試させてもらうか、かつてiPhoneに同梱されていた有線イヤホン「Earpods」で形を確認した方が良い。

最近買い替えた人は、飛びついて買い換える必要はないかもしれない。というのも、初代モデルでも十分高い完成度だからだ。

僕が買い替えた最大の理由は初代モデルの電池持ちが悪くなり、使い勝手が悪化していると感じたから。さすがに2年以上も高頻度で使っていれば「AirPods」もヘタってきてしまう。

どうせ買い換えるなら”全盛りモデル”である「Apple H1」チップ内蔵の第2世代モデル+ワイヤレス充電対応ケースにしてみたが、正直なところ、ワイヤレス充電に対応しないケースでも良かったかなと思っている。

それ以外に関しては、今のところ大いに満足している。「Hey Siri」はこの先活用する機会が増えることは容易に想像でき、iPhoneとMacを行き来することが多いためデバイス間の切り替え時間短縮の恩恵は受けている。

劇的ではないが、堅実な進化を遂げた「AirPods (第2世代)」。新しい相棒とともに過ごす日々が楽しみだ。

8.510
AirPods (第2世代)

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