iPhone 17 レビュー:地味こそ正義
ProMotion搭載で中身は限りなくProに近い標準モデル、今年の「イチオシ」はこれだ
iPhone 17は、見た目こそ地味だが中身は限りなくProに近い標準モデルに進化した。日本では5,000円の値上げとなったが、ストレージが256GBスタートになり、ProMotionディスプレイや18MPセンターフレームフロントカメラなど、従来Proモデル限定だった機能を多数搭載している。
一足先に体験する機会をいただいたので、限られた時間で感じた率直な印象をお届けしたい。iPhone AirやiPhone 17 Proに比べると派手さはないが、今年の「イチオシモデル」は間違いなくiPhone 17だ。
ProMotionがついに標準モデルに:ディスプレイの大幅進化
iPhone 17の最大の進化ポイントは、間違いなくディスプレイだ。サイズは6.1インチから6.3インチにわずかに大型化し、ベゼルもさらに細くなった。そして遂に標準モデルでも最大120HzのProMotionに対応、さらに常時表示ディスプレイも搭載している。
ネット民は昨年、「今の時代に120Hzのディスプレイを搭載しないなんて暴挙だ」と怒り狂っていたが、僕が過去に複数のママ友・パパ友に聞いてもディスプレイのリフレッシュレートを気にして購入する人はおらず、60Hzディスプレイを問題視する人もいなかった。限られたサンプル数だが、ネットで騒がれているより60Hzディスプレイを採用していたことを、そもそもAppleは問題視していなかったのだろう。
ではなぜあえてiPhone 17にProMotionを採用したのか。それはおそらくLiquid Glassを採用したiOS 26が理由ではないかと推測している。ガラスのようなインタフェースに液体のような動きで見せる最新のUIは、その美しさを最大限見せるためには120Hzディスプレイが必要だと判断したのではないだろうか。

ProMotionと常時表示ディスプレイに対応したことで、MagSafeなどで充電中に横向きにすると時計やカレンダーなどを表示できる「スタンバイ」モードが利用できるようになった。従来はiPhone 14 Pro以降のProモデルでのみ利用可能だった機能が、標準モデルでも使えるようになったことで、スマートディスプレイのような活用方法が広がっている。
屋外での視認性も大幅に向上した。ピーク輝度はiPhone 16の2,000ニトからiPhone史上最高の3,000ニトに向上し、屋外でのコントラストも2倍に改善されている。さらに反射防止性能も33%改善されたCeramic Shield 2による前面カバーも採用されており、3倍の耐擦傷性能を実現している。
現地取材した人達の中では「かなり違う」という評価をしているようだが、僕自身は何度試しても、並べても、イマイチ違いが分からなかった。しかし反射防止加工が改善されていることは紛れもない事実で、最大限の恩恵を受けるのであれば保護ガラスや保護フィルムなどは貼らずに使いたいところだが、個人的には未だにノー保護に踏み出せず、腹をくくれていない。

iPhone 15 Proと最新端末4機種を比較してみたが……んー……
A19チップで性能向上:バッテリー駆動時間も大幅延長
iPhone 17は最新世代のA19チップを搭載している。6コアCPUはiPhone 13のA15 Bionicチップより1.5倍高速で、5コアGPUは2倍以上高速だ。各GPUコアにNeural Acceleratorが組み込まれ、AIワークロードの演算能力も向上している。
バッテリー駆動時間の延長も目を見張るものがある。ビデオ再生時間がiPhone 16の最大22時間から最大30時間に大幅に延長された。充電速度も向上しており、Appleの新しい40Wダイナミック電源アダプタを使用すると、20分で最大50%充電可能になり、iPhone 16より10分高速だ。
実際に朝10時43分から放電開始し、カメラを中心に使用したところ、夜22時39分時点(約12時間経過)でiPhone 17は57%を維持していた。同時に検証したiPhone 17 Proは48%、iPhone Airは40%だったことを考えると、標準モデルとしては十分すぎる結果だ。
YouTube上で4K映像を再生し続けるバッテリーテストでも興味深い結果が得られた。5時15分頃からテストを開始し、14時15分時点(約9時間経過)でiPhone 17は56%、iPhone 17 Proは62%、iPhone 17 Pro Maxは63%、iPhone Airは42%を記録した。長時間の動画再生においてもiPhone 17は安定したバッテリー持ちを見せている。
充電速度の検証でも興味深い結果が得られた。最大100Wクラスの充電器を使用して検証したところ、、約20分間の充電時間で、iPhone 17は54%から80%へと26%の充電ができた。iPhone 17 Proは60%から79%へと19%の充電、iPhone 17 Pro Maxは62%から81%へと19%の充電、iPhone Airは39%から83%へと44%の大幅な充電を記録している。iPhone Airの充電効率の高さが際立つ結果だが、iPhone 17も標準モデルとしては十分な充電速度を確認できた。
気になる充電速度だが、iPhone 17は充電開始時は最大25W前後を推移していた。iPhone 17 Proは25〜30W、iPhone 17 Pro Maxは40W以上になることもあったが、iPhone Airは20Wを超えることはほとんどなく、18W前後で充電されていた。
18MPセンターフレームカメラが革新的:縦向きで横向き画角
カメラシステムも大幅に強化された。特に目玉はiPhone初の正方形フロントカメラセンサーを搭載した18MPセンターフレームフロントカメラだ。
この機能により、縦向きで横向きの画角での撮影が可能になった。セルフィー慣れしていない人でも自然なカメラ目線の写真を撮れるようになり、これは地味に大きな進化だ。

iPhone 17のカメラは自然とカメラ目線になる
また、ファーストインプレッションでも紹介したとおり、AIを活用してグループセルフィーで全員がフレームに収まるように画角を自動調整する「写真のセンターフレーム」機能も搭載している。
そして日本チームのみんなとやったバージョンも!セルフィを複数人で撮る機会が多い人は、めちゃくちゃ良い機能!!!!!@hii_sa_ma@jetdaizu @Gadgetomo_0615 @kajigayatakuya pic.twitter.com/X778qnDus2
— g.O.R.i(ゴリミー管理人) (@planetofgori) September 10, 2025
さらに動画撮影では、前面カメラと背面カメラで同時に撮影できる「デュアルキャプチャ」機能が新たに追加された。アウトカメラで周りの風景を撮影しながら、同時にフロントカメラで自分のリアクションを記録可能で、1本の動画で自分と被写体の両方を表現できる。コンサートでの撮影やVlog、レビュー動画などで重宝する機能だ。
背面カメラでは、初めてすべてのカメラが48MPになった。iPhone 16の12MP超広角カメラが48MP Fusion超広角カメラに進化し、前世代より最大4倍の解像度でワイドなシーンやマクロ写真を精細に捉える。
ゴリミーと言えば、iPhoneカメラの作例。ということで、iPhone 17を使って本気で撮影した写真を紹介する。なお、iPhone 17で撮影した写真は純正写真アプリ内でできる程度の基本的な補正のみ行った。
サクッと撮っても絵になるのがiPhone 17のカメラ。素晴らしい。


マクロモードを、新しいiPhone 17 Pro用テックウーブンケースで試してみた。複数の色が編み込まれていることも驚きだが、カジュアルに楽しむマクロレンズとしては十分だろう。
そして進化した超広角カメラは、楽しい。メインカメラとは全く違う絵が撮れる。


グッと寄りたい時に便利な2倍ズーム。個人的には通常画角で全体を見て、ディテールを写したい時に2倍ズームでグッと寄る、という撮り方が多い。背景をボカしたい時は、2倍ズームを活用している。

試しにポートレートモードを使い、iOS 26で追加された新しいフォトグラフスタイル「ブライト」を適用した。これによってスキントーンが明るくなり、写真全体にいきいきとしたアクセントを加えられるという。どうだろうか。モデルの選定ミスだろうか。

接続性の進化
ネットワーク面では、Appleが新たに設計したN1ワイヤレスネットワークチップを採用し、Wi-Fi 7、Bluetooth 6、Threadに対応した。日本を含む一部地域では物理SIMカードスロットが廃止され、eSIMのみに対応するようになっている。
eSIM限定は大きな話題となってり、一部ユーザーからは強い反発も見られるが、テンキーがなくなりタッチパネルとなり、イヤホンジャックが廃止されワイヤレスイヤホンが主流となったように、痛みを伴う変化の先には”新しい常識”が待っているのかもしれない。現時点でユーザーの感じる不都合の多くはキャリア起因となっており、2025年モデルがきっかけとなりeSIM標準化に向けて各社が足並みを揃えてくれることを願いたい。
迷ったらiPhone 17:買って間違いない堅実な進化
iPhone 17は確かに最も地味で、最もパッとしない。盛り上がりに欠け、新しいモデルを買った感じがしないため、そういう意味ではちょっと「損した」気持ちになるかもしれない。
しかしiPhone 17は中身が限りなくProに近い標準モデルだ。自分じゃ買わないくせに「標準モデルに120Hzディスプレイがないなんてユーザーへの裏切り行為だ」と叫んでいるスペック厨達も、ディスプレイ仕様には不満はないだろう。
今年のiPhoneで悩んでいる人がいたら、真っ先に候補とするべきモデルはiPhone 17だ。一方で予算を抑えたく、ディスプレイや内向きカメラを特に求めていないという人は、販売を継続するiPhone 16を選んでも問題ないだろう。iPhone 17は地味ながら堅実なPro寄りの進化をしているが、それらを必要としていない人にとっては「要らないからもっと安いモデルが欲しい」と思うのは当然のことだからだ。
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いやー、本当に17地味だけど良いんですよね!
AirかProかで悩んで自分の欲しい機能・不要な機能を洗い出してたら、あれ?17が良いんじゃない?ってなるくらいにはとてもちょうど良い!
それはやりたいところですが、問題がいくつかあって、1つ目は、1つ前のiPhone 16 Proに各端末の中身を揃えるのが難しい。2つ目は、iPhone 16 ProでもiPhone 15 Proでもそもそもバッテリーが劣化しているので均等な比較としてするのはちょっと厳しいな、と。
それを踏まえた上で、条件が少し異なるところでもOK、ということであれば、明日ちょっと15 Proと比較した検証はしてみたいと思います!
YouTubeの再生時間の比較ですけど、買い替えの参考にするには、iPhone17シリーズ同士の比較よりは、iPhone16や15の過去のモデルとの比較をしてほしいですね。
正直プロモデルよりバッテリーが持たないというのはわかってるので、過去のベースモデルと比較してどこくらい変わるのかというのが気になるところです。