Pixel 7a レビュー:iPhone 14 Proユーザーが使って分かった7つのこと
iPhone 14 ProユーザーがGoogleの最新エントリーモデルスマートフォンの魅力を体験
Google Pixel 7aは、コストパフォーマンスの高さが魅力のPixel aシリーズ最新機種。Pixel 6aの後継機種だ。
「Pixel 7シリーズの廉価モデル」という位置づけではあるが、見た目はPixel 7に近い。同じGoogle Tensor G2チップを搭載しており、6,400万画素の広角カメラを含む最新のカメラシステムで撮影した写真に高度な画像処理が可能になった。最大90Hzリフレッシュレートの6.1インチ有機ELディスプレイ、33%アップしたメモリ、長時間バッテリーの搭載によって、Pixel 6aよりスマートフォン体験がワンランクアップするはずだ。
本記事では、Googleより先行して提供してもらったPixel 7aをレビューする。普段はAppleのエコシステムにガッツリ浸かったiPhone 14 Proユーザーとして、Pixel 7aを使ってみて感じたことを7つの項目にまとめた。トンチンカンなことを語ってしまっている可能性があるため、優しい気持ちで読み進めてもらいたい。
”高コスパ”と言われる理由ーーPixel 7aのスペックは避けて通れない
Pixel 7aは、「この価格帯でこのスペックが手に入る」という、コストパフォーマンスの高さが人気の理由だろう。まずはディスプレイ仕様、カメラ性能、重さやサイズなど、Pixel 7aの基本的な仕様情報をまとめた。詳細は公式サイトをチェックしてもらいたい。
- 価格
- 62,700円(Google Store)
- カラーバリエーション
- Charcoal、Sea、Snow、Coral
- ディスプレイ
- 6.1インチ、FHD+(1,080 x 2,400)OLED、429 ppi、最大90Hzリフレッシュレート
- サイズと重さ
- 152mm x 72.9 x 9.0mm
- 193.5g
- バッテリー
- 24時間、4,385mAh(スーパーバッテリーセーバーモードで最大72時間)
- 充電
- 急速充電(有線)、ワイヤレス充電
- CPU、メモリ、ストレージ
- カメラ(外向き、広角)
- 6,400万画素 Quad PD Quad Bayer 広角カメラ
- ピクセル幅0.8μm、イメージセンサーのサイズ1/1.73インチ、絞り値 ƒ/1.89、画角 80°
- 超解像ズーム最大8倍
- カメラ(外向き、超広角)
- 1,300万画素 ウルトラワイド カメラ
- ピクセル幅1.12μm、絞り値 ƒ/2.2、画角120°
- カメラ(内向き)
- 1,300万画素
- ピクセル幅1.12μm、絞り値 ƒ/2.2、固定フォーカス、ウルトラワイド画角 95°
- 認証
- ディスプレイ内蔵指紋認証
- 顔認証
- 端子
- USB Type-C 3.2 Gen 2
- SIM
- デュアル SIM(nanoSIM x 1 と eSIM)
- スピーカー
- ステレオ
- 通信
- 5G(Sub6)
- Wi-Fi 6E
- Bluetooth v5.3
- FeliCa
- その他
Pixelシリーズのラインナップは、iPhoneで例えると以下のような位置付けだと理解している。
- iPhone SE(第3世代)の位置付け:Pixel 7a
- iPhone 14の位置付け:Pixel 7
- iPhone 14 Proの位置付け:Pixel 7 Pro
複数のカメラ、複数の生体認証、高いリフレッシュレートの有機ELディスプレイ搭載などを踏まえると、iPhone SE(第3世代)に比べてコストパフォーマンスは高そうではある。
では実際の使い勝手はどうなのか。
iPhone 14 ProユーザーとしてPixel 7aを使って感じたこと7選
繰り返しになるが、本記事は「普段はiPhone 14 Proを使っているApple製品が大好きな人が使ってみたPixelスマートフォン初心者」が書いたと強調しておきたい。万が一トンチンカンなことを言っていたら、本記事のコメント欄に優しい言葉で教えてほしい。
それでは「iPhone 14 ProユーザーとしてPixel 7aを使って感じたこと7選」、いってみよう!
指紋認証ってやっぱり超便利だね?でも顔認証も最高だね?
セキュリティの精度など小難しい話は一旦無視した上で、指紋認証と顔認証の両方が搭載されているPixel 7aは最高だ。
iPhone XからAppleの顔認証システムFace IDとともに生活しているが、間違いなくTouch IDのほうが便利だ。iPhone 14 Proは歯磨きをしているとき、口にものが入って頬が膨らんでいるとき、顔を認識してくれない確率が高い。指先が濡れているときこそ顔認証が役に立つと思いきや、カメラが曇っていたり、近すぎたり、遠すぎたり、あれこれ条件が多すぎる。
Pixel 7aの指紋認証は、認証精度に若干ムラはあるが快適だ。顔認証と指紋認証どちらか一方が機能しなければ、もう一方が動作。どちらも失敗すれば、PIN入力に切り替わる。iPhone 14 Proに比べてロック画面を突破するストレスが圧倒的に少ない。
机の上に置いても、必要以上にカタカタしないって最高
iPhone 14 Proは、とてつもなく分厚いケースを使わない限り、机の上に置くとガタガタする。Pixel 7aは、端末の横幅を覆う金属製のカメラユニットを採用している。机の上に置いても安定する。小さいことだが、大事なことだ。
Macと同じケーブルで充電できるって、こんなに快適なのか……
2023年の新型iPhoneはUSB-Cに移行すると噂されているが、記事執筆時点のiPhoneはLightning端子だ。Lightningケーブルを持ち運ぶことは苦ではないが、Macに挿していたケーブルをそのまま差し換えて充電できることは、旅先で便利だった。
やっぱりMagSafeは最高だった
一方で「やっぱりiPhoneってよくできているんだな」と感じるポイントもあった。
1つはワイヤレス充電。iPhone 14 Proは最大15Wのワイヤレス充電を可能とするMagSafe充電をサポートする。ワイヤレス充電が確実かつ高速になるだけではなく、本体内蔵のマグネットを使用したアクセサリーが使用できる。旅先ではMagSafeウォレットを持参しており、iPhoneにホテル用のカードキーを収納することで、iPhoneとともに携帯できる。
Pixel 7aは、当然ながらMagSafeに非対応。ワイヤレス充電はPixel aシリーズとして初めて対応したが、MagSafeのような高い出力は得られない。
スクロールやスワイプがワンテンポ遅れる気がしてしまう
iPhone 14 Proと比べて、スクロールやスワイプがワンテンポ遅れている印象を受けた。最大90Hzのディスプレイと最大120Hzのディスプレイの違いは把握しているが、その事実を踏まえても全体的に遅れている気がした。
ブラウザで戻る際に、先に矢印が表示されてからページが切り替わる仕様はなかなか慣れない。指をなぞるとページが戻るアニメーションが始まるiPhoneに比べてじれったく感じてしまう。
廉価モデルとは思えないほど高級感のあるボディ
iPhone 14 Proは「ハイエンドモデル」や「フラグシップモデル」の類だ。一方、Pixel 7aは廉価モデルであるはずだが、”安っぽいスマートフォン”という印象はない。価格はiPhone SE(第3世代)と同じだが、仕上がりはiPhone 14シリーズと同等と言っても過言ではない。
Pixel 7 Proと並べても大きな差は感じない。Pixel 7 Proのディスプレイが側面まで覆うようなラウンドフォルムは格好良いが、特別高級感があるとは感じない。背面を見比べると仕上がりに差はあるものの、ケースを付けてしまえば分からなくなるだろう。
明確に違いを唯一感じた部分は、ディスプレイだ。同じページで比較すると、Pixel 7 Proの文字のほうがパリッと表示されていて心地良い。見慣れているせいなのか、iPhone 14 Proのほうが断然読みやすく感じる。
みんなが気になるカメラ性能。その実力を一挙見てもらおう
Pixel 7aの”高コスパ”ポイントの1つは、手頃な価格で手に入るカメラ性能の高さ。カメラスペックは、Pixel 6aから大きく進化している。
広角カメラは1,220万画素から6,400万画素、超広角カメラは1,200万画素から1,300万画素にアップグレード。広角カメラの超高解像度センサーを活用し、1倍ズーム、0.5倍ズームにくわえて2倍ズームにワンタッチで切り替えられる。iPhone 14 Proでお馴染みのUIだが、画角を素早く切り替えられるのは便利だ。
カメラの起動スピードも高速だ。電源ボタンのダブルクリックでカメラが即起動する仕組みは、iPhoneでも導入してほしい機能だ。スワイプより確実にカメラが起動できる。
肝心の写真はどうなのか。薄暗い室内、日中の街中スナップ、夜の渋谷など、様々なシーンで撮影した作例を見てもらいたい。
Pixel 7aのカメラは、慣れれば片手操作がしやすそうだ。タイマーや夜景モードなどをスワイプダウンで素早く呼び出せるUIは非常に良い。好みの設定をカスタマイズして表示できれば、さらに良かった。
Pixelシリーズで撮った写真は、撮影直後に画面上で見た印象としては「パッとしない写真が多い」と感じた。
写真の良し悪しはカメラ機材だけではなく撮る本人のストーリーテリング能力によって大きく左右する。Pixelシリーズのカメラは高い評価を得ていることはわかっているが、「あれ?僕って天才?」という”勘違いモード”にはなれず、「待てよ、僕ってこんなに写真下手だったっけ……」と落ち込むほどには、撮影直後の撮れ高にガッカリした。
「それがお前の写真の実力だ」と言われてしまえばそれまでだが、iPhone 14 Proでは自分でも驚くほど魅力的なスナップ写真が撮影できた。撮影直後から「これは良い」「これは仕上がりが期待できる」と気持ちが高ぶっていたことを覚えている。
幸いにもPixel 7aはRAWで撮影することができるため、後から「あーでもない、こーでもない」と言いながら理想に近づけられた。最終的に仕上がった写真はそこそこの出来だ。
Pixel 7a内部でもそれなりの編集作業は可能だ。特にGoogle Tensor G2チップを活かした消しゴムマジックがあれば、理想の写真を数タップで実現できる。消しゴムマジックで編集した写真もRAWで保存できれば最高なのだが……。
日中のポートレートも撮影した。被写体は僕だ。大変に申し訳ない。慣れないポートレートを、慣れないスマホで、周りの痛い視線を浴びながら頑張ったので優しくしてほしい。口直しに我が家の犬の写真も載せておく。
Pixel 7a レビュー:これは良いスマホだ
Pixel 7aは「Pixel 7の廉価モデル」という位置づけであるはずだが、AppleのハイエンドモデルであるiPhone 14 Proと交互に使っていても「廉価モデル」とは感じるシーンは少なかった。スマートフォン市場全体のスペックが底上げされている今の時代、使い勝手の良いカメラと1日持つバッテリーが6万円台で手に入るのであれば十分だろう。
ハイエンドモデルと比べて利用できない機能、採用されていないスペックは確実に存在する。しかし重要なのは、購入を検討している人が、それらの機能の必要性。「この機能がないからこの機種はダメだ」というスペック批判は新機種発表直後のインターネット名物だが、不要な機能であれば無視して良い。「スペック的に1番良い」が「自分的に1番良い」とは限らないのだ。
Pixel 7aの強みは、価格だ。Google Store価格の62,800円は、Apple公式サイトで取り扱うiPhone SE(第3世代)と同じ。ユーザー体験やエコシステムなどの条件を一切含めずに「同じ金額で得られるスマートフォン単体としての機能」で見た場合、Pixel 7aは「コストパフォーマンスが高い」と評されて当然だ。
久しぶりのAndroidスマートフォンは楽しかったが、iPhoneから乗り換える予定はない。他に多数のAppleデバイスやサービスを使用しており、Appleのエコシステムに全身浸かっているからだ。手間と時間をかける物理的および精神的な余裕がない。
ただしiPhoneにはない端末としての自由さ、Googleサービスとの連係力の高さは名残惜しい。今後もコツコツとPixel 7aで遊びながら、GoogleとAndroidのプラットフォームを楽しみたい。
分かった風なコメント失礼しました。気をつけます。
見出しも拝読させていただいているのですが、“7 things I learned from Pixel 7a”
のように、 “- things you need to know”, “- things we should do”という見出しの記事が、海外サイトに多い気がします。外国では「ポイントがいくつあるのか」ということが気になるのでしょうか。
すごい!!ありがとうございます!!!
色のにじみと画像全体のザラ付き、および輪郭の不明瞭感が気になります。ピントがどこに行ってるのかが分かりにくいとも言えるかもしれません。センサーサイズに対して画素数上げすぎてる弊害でしょうか。構図そのものにはそんなに問題は感じません。とはいえ、スマホの画面サイズで見る分にはあまり気付かないかも?先行レビューご苦労様です。
RAW写真とJPG写真どちらもありますが、いずれも大小あれど色味の編集はしていますよ!ものを消すとか、移動するとか、そういう類の、いわゆる「がっつりフォトショしました」みたいなのは特にしてないですのでご安心くださいませ〜
記事に掲載されている作例は撮って出しではなく RAW 現像されたものなのでしょうか?
それ確かにめちゃくちゃ面白いですね!YouTubeとかでダラダラ話してみようかしら!
5Wだったと思います!
普段、未発表の新製品情報を追ってるゴリミーさんが、
今回、ガッツリ先行レビューをやってみた感想とか聞いてみたいです!
作例は作品レベルです。真剣に撮ると同時に、新製品だと周りにバレないようにするのも大変そうだと思いました。
文章化は大人の事情&グレーゾーン的に難しそうです。Podcastとかでぜひお願いします!
「ワイヤレス充電はPixel aシリーズとして初めて対応したが、MagSafeのような高い出力は得られない。」
iPhone 14 Proと比較して弱いということは15W未満なのでしょうが、実際は何Wかわかりますか?どのくらい遅かったですか?
「ワイヤレス充電はPixel aシリーズとして初めて対応したが、MagSafeのような高い出力は得られない。」
とありますが、15W未満ってことですか?実際何Wなんですか?
あーたしかにこれだけだと違和感ありますよね。手元にPixel 7 Proがあったので、それと比較しながらいったのですが、写真を載せてなかった……。あとで撮影して追加しますね!すいません、ご指摘ありがとうございます!
iPhoneの作例に慣れてるせいか、「パッとしない写真が多い」というのは何と無くわかる。作例見た直後にそう思ったら、本文にもそう書いてあって、やっぱそうかってなった。でもこの価格帯でここまで撮れれば十分すぎるんだけど。
非常に細かい部分で恐縮なのですが
>明確に違いを唯一感じた部分は、ディスプレイだ。同じページで比較すると、Pixel 7 Proの文字のほうがパリッと表示されていて心地良い。見慣れているせいなのか、iPhone 14 Proのほうが断然読みやすく感じる。
ちょっとここ違和感感じましたがPixel7 Proであってます?
直前に7 Proとaのデザインを比較したので引っ張られたのかなーって気がしました。
正しいのであれば無視してください。