iPhone 14 Pro カメラレビュー:高画素の逆襲
豪雨の夜に進化したカメラの実力を試す
iPhone 14 ProのDynamic Islandは画期的な仕組みだが、買い換えるほどではない。2023年の新型iPhoneは通常モデルもDynamic Islandを搭載する噂があり、いずれiPhoneの基本仕様になるだろう。
iPhone 14 Pro主役はカメラだ。1,200万画素だったメインカメラ(広角カメラ)が4,800万画素になり、ProRAWで撮影すれば画素数をフルに活かせる。センサーサイズも大型化し暗所撮影が改善され、2倍ズームが追加されたことでポートレートモードが使いやすくなった。iPhoneをデジカメ代わりに使っているほど、進化したカメラの恩恵を受けるだろう。
Apple ProRAWに対応して以来、iPhoneで写真を撮ることが楽しくなった。写真の楽しみ方は人それぞれだ。僕は「目の前の景色を完全再現」したい場合と、「自分の脳内で変換された景色を表現」したい場合がある。
景色の完全再現を目指す、iPhoneのコンピュテーショナル・フォトグラフィの精度は年々上がっている。しかしProRAWが用意されたことで、同時に脳内で変換した景色も表現しやすくなった。
本記事で紹介するiPhone 14 Proの写真はすべてApple ProRAWで撮影しており、Adobe Photoshop内のCamera RAWで現像したものを紹介している。「コミュニケーションデバイス」より「サブカメラ」としての進化が楽しみになってきたiPhone 14 Proのカメラで撮影した写真を使用したレンズ別にまとめたので、楽しんでもらいたい。
メインカメラの実力を試す
メインカメラ使用、f1.8、1/35、ISO640
メインカメラは、4,800万画素をフルに活用できる24mmと、クロップインして1,200万画素で利用できる48mmの2種類を利用できる。通常のJPEG撮影では1,200万画素として出力されるが、Apple ProRAW有効時は4,800万画素カメラとして撮影可能。編集に自由度が増している。
メインカメラの仕様は以下のとおり。
- メインカメラ(広角)
- 画素数:4,800万画素
- 焦点距離:24mm
- 絞り値:ƒ/1.78
- 手ブレ補正:第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正
- レンズ構成:7枚構成
- その他:100% Focus Pixels
- メインカメラ(2倍ズーム)
- 画素数:1,200万画素
- 焦点距離:48mm
- 絞り値:ƒ/1.78
- 手ブレ補正:第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正
- レンズ構成:7枚構成
- その他:100% Focus Pixels
メインカメラで撮影すると、高画素数による編集の自由度、センサーサイズの大型化によるシャドウ引き上げ耐性が楽しめる。撮影した写真を見返しても「あれ?これiPhoneで撮ったんだっけ?」と悩むほど、満足度の高い写真が撮影できる。
メインカメラ使用、f1.8、1/35、ISO500
メインカメラ使用、f1.8、1/100、ISO125
メインカメラ使用、f1.8、1/60、ISO200
やっぱり楽しい超広角カメラ
超広角カメラ使用、f2.2、1/100、ISO320
ハードウェアとして進化が著しいメインカメラだが、iPhoneを使ったストリートフォトグラフィーは超広角レンズを使いたくなってしまう。望遠レンズの圧縮効果が期待できず、メインカメラの画角では物足りず、刺激的な非日常感のある雰囲気を出すには超広角カメラが活躍する。
超広角カメラの仕様は以下のとおり。
- 超広角カメラ
- 画素数:1,200万画素
- 焦点距離:13mm(120°視野角)
- 絞り値:ƒ/2.2
- 手ブレ補正:なし
- レンズ構成:6枚構成
- その他:100% Focus Pixels
見慣れた街角も、超広角レンズを使い視点を変えるだけで楽しめる。大豪雨が止んだ直後の街を散策していたこともあり、水たまりによるリフレクションや濡れた車道など、雨上がりならではの街並みを表現しようと試みた。
撮っていて楽しいのは間違いなくミラーレスカメラ。楽しさという点だけで言えばiPhoneでの撮影は足元にも及ばないが、手軽さという点ではiPhoneに勝るカメラはない。レンズの物理的な交換は不要。ワンタップで様々な視点や画角が楽しめる。
超広角カメラ使用、f2.2、1/50、ISO200
超広角カメラ使用、f2.2、1/60、ISO1,000
超広角カメラ使用、f2.2、1/100、ISO100
超広角カメラ使用、f2.2、1/30、ISO1,600
全く変わっていないがやっぱりあると便利な望遠レンズ
望遠カメラ使用、f2.8、1/50、ISO320
望遠カメラはiPhone 13 Proから全く進化していない。大した圧縮効果は期待できないが、メインカメラで撮影した写真とは明らかに違う雰囲気に仕上がる。
望遠カメラの仕様は以下のとおり。
- 望遠カメラ(3倍ズーム)
- 画素数:1,200万画素
- 焦点距離:77mm
- 絞り値:ƒ/2.8
- 手ブレ補正:光学式手ぶれ補正
- レンズ構成:6枚構成
撮った写真を見返すと、望遠カメラは豪雨が降り注ぐ中で頻繁に使っていた。意外と好きな写真が多い。
望遠カメラ使用、f2.8、1/60、ISO500
望遠カメラ使用、f2.8、1/100、ISO400
望遠カメラ使用、f2.8、1/35、ISO800
ポートレートモードのクオリティがかなり上がっている
メインカメラ2倍ズームポートレートモード、1/50、ISO80
iPhone 14 Proのポートレートモードはもっと評価されても良い。被写体の輪郭を認識する精度は毎年上がっている。メインカメラの2倍ズームが加わったことで50mmに近い画角が使えるようになり、使い勝手が向上した。ポートレートモードは無意識的に2倍ズームの画角を多様している。
一定の距離を離さなければ作動しない仕組みは不便だが、ミラーレスカメラの最短焦点距離だと思えば納得できる。Apple ProRAWで撮影できない点は残念だが、背景をぼかす精度の満足度が高く、iPhone 14 Proで写真を撮る際はポートレートモードを起動することが最も多い。
メインカメラ2倍ズームポートレートモード、1/50、ISO640
メインカメラ2倍ズームポートレートモード、1/402、ISO80
メインカメラ2倍ズームポートレートモード、1/2160、ISO80
iPhone 14 Pro カメラレビュー:「iPhone付きカメラ」にまた一歩前進
僕にとってiPhone 14 Proはサブカメラだ。普段はどこへ行くにしてもCanon EOS R3またはEOS R5などのミラーレスカメラを持参するが、TPOによってカメラが禁止される場合がある。iPhone(を含むスマートフォン)が許可されていてば、事後編集も可能な写真を撮影できる。安心感は大きい。
ポートレートモードを使用すればミラーレスカメラのようなボケ味を楽しめる。メインカメラは被写体と背景がより分離されるようになり、条件次第ではポートレートモードに頼らずボケ感を楽しめるようになった。
ただしiPhoneで撮れる写真は好きだが、iPhoneで撮る写真は楽しくない。昨年もそうだった。iPhone 14 Proになっても、来年以降も変わらないだろう。
僕にとってカメラは撮った写真だけではなく、撮る過程も楽しむもの。iPhoneは、良くも悪くもAppleの考える「理想的な写真」がワンタップで仕上がる。技術的な観点では素晴らしいことだが、物足りなさを感じてしまう。
逆に言えば「理想的な写真」と「撮りたい写真」が合致し、「撮る過程を楽しむ以前に、瞬間を逃さず記録したい」というときは、iPhone 14 Proのカメラは大活躍だ。だからこそiPhoneは、”子ども撮影用カメラ”として最適なのだ。「我が子を可愛く撮りたい」というパパやママは、ミラーレスカメラよりもiPhoneの買い替えが断然おすすめだ。
我が家では気に入った子どもの写真を小型のパネルにして飾っているが、多くの写真はiPhoneで撮影したもの。印刷しても違和感がない。
iPhone 14 Proは撮ってて楽しくはないが、撮りたい写真が撮れる。必要であれば、写真を理想に仕上げてくれる。素晴らしいサブカメラだ。
Xsだったのでナイトモードスゲェ!超広角楽しいー!というか普通に撮っても綺麗だなーって思ってましたけどやっぱり写真に詳しい人が撮ると違いますな!
凄いエモい写真ばっかですね!
USB-Cになることを期待してスルーするつもりだったのに、妻に譲ったXSのバッテリーがへたってきたことと、この記事の写真のクオリティに魅かれてしまい、12 Pro → 14 Proにしてしまいました。もちろん12 Proは妻に譲ります。
一昨日注文して、10月末頃の到着予定だったため、ゆっくりとガラスフィルムやケースを吟味するつもりが、気づいたら昨日発送されて、すでに手元にとどきました。
キャンセルでも出たのだろうか?逆にケースなど焦って注文したため戸惑いが隠せません。
色々と写真やムービー撮って楽しもうと思います。
これほどの写真が撮れるカメラが常に携帯するスマホに付いていたら、記録用には本当に困りませんね。RAWでも撮影出来ることから、ふと目に入った「良い感じ」の風景をパッと作品に仕上げることもやりやすく、記録用だけでは収まらない楽しみもあります。
カメラの設定をやりくりして、構図を試行錯誤して、タイミングを待って撮影した一枚をRAW現像でイメージに近づけていくという工程がとても好きなのですが、カメラじゃないと出来ないことはどんどん減っていますね。
それはそうと、しれっとUltraが写っていますね。こちらのレビューもそのうち拝見出来るのでしょうか。
楽しくないとはちょっと言い過ぎたかなぁーとは思いましたが、あっさり撮れすぎるのもなんだかなぁーっていう感じなんですよね。僕は運転にそれほど興味がないのでオートマで十分ですが、車の運転が好きな人はマニュアルが好きっていうじゃないですか。あの車を動かしている感じ。あれと同じ感覚なんだと思います。
もちろん、細かい描写とか、設定とか、iPhoneでは仕組み的に追求できない部分もあるので、そういう意味ではやっぱりミラーレスカメラのほうが楽しいなっていう感じですかねぇ!
これだけ綺麗に撮れたら楽しいやろうなあと思ったら
楽しい訳ではないのね…
シェフに手軽にレシピを聞くようなことしててワロタw
教えるわけないじゃないですか……
プリセットとかあるんですか?
簡単にレタッチの設定だけ教えて下さい!
そこの項目が入れ替わってたってことですね……いやぁマジで全然わからなくて自分にがっかり通り越してびっくりですよ……。ご指摘ありがとうございます!無事修正が完了しました!
圧倒的に理解しました、完全にポンコツオブ・ザ・イヤーですね、大変失礼しました!修正しました!ありがとうございます!
メインカメラと2倍ズームの間で入れ替わっているというのではなく、手ブレ補正とレンズ構成の説明が入れ替わっているのではないかということです。
記事では
手ブレ補正:7枚構成
レンズ構成:第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正
となっていますが、正しくは
手ブレ補正:第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正
レンズ構成:7枚構成
となるのではないでしょうか?
記事では
手ブレ補正:7枚構成
レンズ構成:第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正
となっていますが、正しくは
手ブレ補正:第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正
レンズ構成:7枚構成
と書くのが正しいのではないかということです。
Adobe PhotoshopのCamera RAWです!要はフォトショの中にあるLightroomみたいなもんですね!
ありがとうございます◎
ご指摘いただいた件ですが、メインカメラと2倍ズームは同じカメラ(メインカメラ=広角レンズ)を使っているため、手ブレ補正、レンズ枚数などはすべて一致しているのは正しい仕様かと思われます!参考にこちらの技術仕様ページを貼り付けておきますね!
https://support.apple.com/kb/SP875?locale=ja_JP
もし僕の認識が間違っているようでしたら、是非教えて下さいませ!
いい写真です!色味が好きです
写真のレタッチは何のソフトを使ってますか?
素晴らしい写真ですね。
カメラが良くてもセンスがなければこんな写真は撮れないと思いました。
ところで、
メインカメラの仕様の説明で下記のようになっていますが、この二つは項目と説明が入れ替わっていませんか?
手ブレ補正:7枚構成
レンズ構成:第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正
メインカメラ(広角)
メインカメラ(2倍ズーム)
とも