Apple Watch Series 5 レビュー

常時オンディスプレイで実現された”腕時計らしさ”、改めて浮き彫りになった電池持ちという課題

Apple Watchの2019年モデルは「Apple Watch Series 5」。2018年モデルの「Apple Watch Series 4」から進化しているポイントは非常に少なく、ハッキリと言えるのは常時オンディスプレイの対応コンパスの内蔵の2つ。もはや「Apple Watch Series 5」というよりも「Apple Watch Series 4s」と呼んだ方が良いかもしれない。

僕の普段の使い方ではコンパス機能の恩恵を受けることはまずないため、もはやないものとして取り扱っている。今後、この記事ではコンパス機能についてはもう触れない。

僕の中で最も期待していたのが常時オンディスプレイ。「Watch」を名乗る以上、できて当たり前である「いつでも時間を確認できる」という機能が初代モデルから無視され続けてきたが、2019年でようやく実現。発表当日、僕のテンションが最高潮になった瞬間だったと思う。

では実際に使ってみてどうだったかと言うと、便利であることには間違いないが、Apple Watchとしての致命的な課題が浮き彫りになったような印象を受けた。

本記事ではApple Watch Series 5」とともに生活して感じていることを素直にまとめたいと思う。

常時オンディスプレイの魅力、「腕時計」としてのApple Watchの進化

Apple Watch Series 5 Always on Display 01

まずは常時オンディスプレイの魅力から。採用されたことによって、これまで時間が確認できなかった状況でも時間をチラ見することができるようになった。ようやく腕時計らしくなった……!

僕が最も感動したのは、電車の中で吊り革を握っている時。僕が普段通り握っていると確認できないのだが……
Apple Watch Series 5 Review 06

……常時オンディスプレイなら確認できる。最高。
Apple Watch Series 5 Review 07

手首の動作検知による画面点灯は吊り革を握っている時に驚くほど使えず、ここまでぐいっと手首を寄せても時間が確認できないことに毎回苛立ちを感じていた。
Apple Watch Series 5 Review 08

常時オンディスプレイによって、この問題も解決。
Apple Watch Series 5 Review 13

吊り革が掛けられている鉄棒を握っている時は当然、手首を動かすことができないので時間を見ることができなかった。
Apple Watch Series 5 Review 10

でも「Apple Watch Series 5」なら大丈夫。うっすらと時間が確認できる。
Apple Watch Series 5 Review 11

他にもベビーカーを押している時や、混雑した電車の中で座っていて時間をチラ見したい時など、常時オンディスプレイが活躍するシーンは多かった。

一方で、「Apple Watchは時間の確認がしづらい」ということが脳内に強くインプットされてしまっていることもあり、ついつい手首を「クイッ」としてしまったり諦めでiPhoneを取り出そうとしてしまう自分がいる。きっともう少ししたら慣れるでしょう。

また、贅沢を言わせてもらうと常時オンになるのはあくまでも時間だけと一部コンプリケーションだけ、であることが惜しいと感じた。

というのも、例えば吊り革に捕まっている状態でApple Watchが通知で振動しても、何の通知を受信したのか、「Apple Watch Series 5」が常時オンディスプレイモードになっていても確認することができないからだ。せめて通知元のアイコンがチラッと見えたら便利なのだが……!

常時オンディスプレイの欠点、明確になったApple Watchの課題

Apple Watch Series 5 Always on Display 02

常時オンディスプレイの欠点はたった1つ。電池持ちだ。

実は発売後、あまりにも電池持ちが悪かったので電池持ちを伸ばすためにあれこれテストしながら検証結果をツイートしていたが、結論から言うと、以下に集約することができる:

  • コンプリケーションが多い文字盤は電池持ちが悪い
  • コンプリケーションが少ない文字盤でも天気や気温などがあると電池持ちに影響する
  • 「カリフォルニア」などシンプルな文字盤にすれば常時オンディスプレイにしていても電池持ちは許容範囲内

当初はあまりにも電池持ちが悪くて絶望していたが、今となっては上記仕様を把握したお陰で日常生活に支障が出ない程度に使うことはできている。

また、その後に「watchOS 6.1」が配信開始され、やはり「Apple Watch Series 4」のように公称値を大幅に上回る水準には満たないものの、日中使っていて電池残量が心配になるほどの減りではなくなったような印象を受ける。

Appleは発表時、常時オンディスプレイを採用しても「Apple Watch Series 4」と電池持ちが変わらないことをアピールしていたが、僕は逆にApple Watchの電池持ちが18時間しか電池が持たない、という事実に対して強い違和感を感じるようになった。

現状の電池持ちでは「腕時計」としては失格

Apple Noise App for Watch

Apple Watchを名前の通り「腕時計」だと定義すると、18時間(公称値)しか電池が持たないのは腕時計失格だ。今回、常時オンディスプレイを採用したことによりAppleが「腕時計」としての価値を高めたいと思っているのであれば、時間がいつでも確認できないという課題を克服したとしても、それが1日経つと単なるアクセサリに成り下がってしまうのであれば腕時計としての存在価値がない

Apple Watchは腕時計型であるからこその魅力は沢山ある。ワークアウトを計測できるアプリ、転倒検知機能や心電図機能(ECG)機能などの健康に関する機能は物理的に肌見放さず身に付けているからこそ利用できる機能が用意されている。「watchOS 6」ではデシベルメーターに匹敵する正確さを持つ騒音測定アプリ「Noise」も用意されている。

腕時計型ならではの機能は沢山ある。ただ、これらの機能をすべて使おうとすると電池持ちは見る見る減ってしまう。本体で音楽を聴きながらトレーニングをする日は、電池が1日持つか心配になってしまう。

毎日充電すれば良い、という問題でもない

Belkin Boost Charge Apple Watch Mobile Battery 17

単純に「iPhoneと同じように毎日充電すれば良い」と思っていた頃もあったが、Apple Watchは充電のハードルが高い。誰かしら持っているケーブルを借りたりワイヤレス充電器に載せれば充電できるものでもない。仮にそのような世の中が実現できたとしても、腕時計を1日の中で充電しなければならない、という状況は明らかにおかしい

Apple Watchに搭載されている機能は素晴らしい。どれも使い勝手が良く、他のApple製品との連携力も高い。watchOSのクオリティは高く、UIや操作性も(酷い蜂の巣型のアプリ画面を除けば)個人的には好きだ。もうすっかり慣れてしまった。

機能が充実すればするほど使いたくなるのに、電池持ちが悪すぎて使えない。実際、僕は電池持ちを優先するために「Apple Watch Series 4」で使っていた文字盤を変え、一部機能を無効化した。

watchOS 6」ではApple Watch専用のApp Storeが用意され、Apple純正アプリが一部用意されるなど、Apple WatchのiPhone離れを意識した新機能もあるが、どれも電池を犠牲にしてまで使いたいとは到底思えない。せっかくのモバイルデータ通信機能も電池持ちが悪すぎてとても有効化する気にはなれない。

充実した機能を安心して利用するために電池持ちの進化が必要

Apple Watch Nomad Titanium Band Review 67

Apple Watchの電池持ちを伸ばすことが技術的に難しいことはなんとなく理解している。「AppleはiPhoneを分厚くして電池持ちを伸ばした、次はApple Watchでも同じことをしよう」と書いたが、物理的に身につけるものである以上、そう簡単に重さを増やしたり厚みを増したりすることができないことも頭では理解している。

ただ、僕は電池持ちを理由にApple Watchの魅力的な機能の使用を控えたくない。今回、常時オンディスプレイを「Apple Watch Series 5」で採用したのであれば、腕時計として最大の課題である電池持ちに向き合ってほしいのだ。

Apple Watchの基本機能はやっぱり便利

Apple Watch Series 5 Review 03

「Apple Watch Series 5」は新機能が限られているということもあり、やや厳し目の評価となってしまったが、Apple Watchとしての使い勝手は「Apple Watch Series 4」から引き継がれている。つまり、基本機能はとても充実していて便利なのだ。

今回も相変わらずのLTE通信対応モデルを購入したが、やはりダッシュトレーニングをする時にはiPhoneをポケットに入れたくないため、とても便利。自らハードなワークアウトをする時は自ら測定開始するが、ちょっとしたウォーキング時に「ワークアウト中のようですね」と表示されて記録してくれる機能は気に入っている。

Apple Watchを身に着けて最も便利だと実感している通知の管理は相変わらず便利。Suicaを登録しておくとキャッシュレス決済が捗るので最高。「macOS Catalina」にアップデートしてから動作しなくなったが、アップデートしていない方のMacを使う時は自動ロック解除機能を重宝している。

Apple Watchがあれば生活が劇的に便利になるわけではないが、意外とこうして文章として書き起こしてみると、意外と自分の生活の中にしっかりと溶け込んでいることに驚く。今となってはもうApple Watchのない生活は考えられない。

Apple Watch Series 5は、Series 3以前なら買う価値あり

Apple Watch Series 5 Review 03

洗練されたハードウェアに快適に利用できるソフトウェアが組み合わさり、今回のモデルで常時オンディスプレイ採用によって腕時計として一歩前進した「Apple Watch Series 5」。

あまりにも僕が常時オンディスプレイに対する期待値を高めてしまったがために落胆した部分も多かったがのは事実だが、これからApple Watchの購入を検討している人は、「Apple Watch Series 5」は買う価値が十分ある

ただし、腕時計の代わりとして使うことが前提。もし、主にフィットネストラッカーとして使うのであれば安く販売されている「Apple Watch Series 3」も検討してみた方が良い。

一方で、「Apple Watch Series 4」を持っている人は買い換えるほどでもないかもしれない。常時オンディスプレイに強い魅力を感じているのであれば買い換える価値はあるが、比較的マイナーアップデートであることから、現状に大きな不満がなければ2020年モデルを待った方が幸せになれそうな気がする。

僕はというと、待望の常時オンディスプレイが実現したことでなんだかんだでハッピーである。使い始めた頃のあまりにも酷い電池持ちの悪さを試行錯誤とソフトウェア・アップデートでなんとか乗り越えることができたため、むしろ少し愛着が湧いてきたかもしれない。

初めての「Apple Watch Edition」となるチタンケースモデルを購入し、チタン製リンクブレスレット「NOMAD Titanium Band」との相性が完璧すぎるがゆえに他のバンドとなかなか交換する気が起きない。

Apple Watch Series 5 Review 02

よって、買って満足はしているが、Apple Watchにはもっともっと進化してほしい。来年に期待だ。

Apple Watch Series 5
8.5/10
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コメント一覧(3件)
  1. 通りすがりの読者

    シリーズ4から買い換えました。
    常時onのディスプレイは結構便利ですね。
    ただ他の点は何か実感できるほどの進化はないかも?

  2. Apple大好きマン

    series2からの買い替えしましたが、基本的には感動ですね!
    ただ電池持ちはなかなかですが・・・
    そこは今後の課題になるんですかね!

    1. g.O.R.i

      ですです!本当に電池持ちが改良されれば端末としてかなりいいなーって本気で思います!!!!

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