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Apple Watch技術を窃取した元エンジニア、Oppo社員数百人に社内プレゼンか

63ファイルをダウンロード後USBに転送、痕跡隠蔽も試みる。Oppo側は「企業秘密の受領なし」と反論

Apple Watch Ultra 3 in the wild Review 07

2025年の新型Apple Watchシリーズを開発していた元エンジニアが、在職中に入手したApple Watchの企業秘密情報をOppoに提供していたことが分かった。Appleの裁判所提出書類によると、当該エンジニアは数百人のOppo社員を前に、盗んだ情報をもとにしたプレゼンテーションまで行っていたという。

「Appleのセンサー技術」をテーマに社内プレゼンを実施

Appleは8月、元エンジニアのChen Shi氏がApple Watchの企業秘密をOppoに提供したとして訴訟を起こした。その後の調査で、Shi氏がAppleのセンサー技術に関するプレゼンテーションをOppo社内で実施していたことが明らかになった。

Oppoの社内コミュニケーションでは「Appleセンサー」というタイトルで告知され、「Appleのセンサーハードウェアの研究開発哲学と手法」というテーマが掲げられていた。告知文には「Appleのセンサーがどのように開発されているか興味はありませんか?」という文言も記されていたという。

Oppo Presentation using stolen data from apple
これはキツいね……

プレゼン資料にはAppleの内部資料をそのまま使用

Appleによると、Shi氏のプレゼンテーション資料には、Apple社内から入手した資料がそのままスライドとして使用されていた。さらにShi氏は、Appleにおけるセンサー設計に関する具体的な質問にも答えていたという。

Appleは、OppoがShi氏に企業秘密情報の共有を奨励していたと主張。さらに、Appleが要求した文書やデバイスのフォレンジック報告書の全てを提出していないとして、データ窃取の全容解明に支障が出ていると訴えている。

Oppo側は「企業秘密の受領なし」と反論

一方、Oppo側はShi氏がアクセスしたシステムの包括的な調査を実施した結果、「OppoがShi氏からAppleの企業秘密情報を受け取った形跡はない」と主張している。Oppoは、Shi氏が提供したプレゼンテーションは「一般的なエンジニアリング原則」を論じたものであり、Apple由来の情報は含まれていないとしている。

Shi氏は証言録取に応じることに同意しているものの、最近診断された病状を理由に期限の延長を要請。「長時間にわたる高ストレスで敵対的な手続き」への参加が病状を大幅に悪化させる可能性があるとして、保護命令の発行も求めている。

退職前に63ファイルをダウンロード、痕跡隠蔽も試みる

Appleによると、Shi氏は退職前にAppleの保護されたBoxフォルダから63ファイルをダウンロードし、USBドライブに転送。その後、痕跡を隠蔽する方法を検索していたという。

Shi氏はまた、Apple Watch技術チームのメンバーと「数十回」にわたる1対1のミーティングを設定し、退職前に彼らの研究内容について情報収集していたとされる。Oppoに対しては、心拍センシング手法について「可能な限り情報を集める」と伝えていたことも明らかになっている。

裁判所はOppoに文書提出を命令

裁判所は、Oppoに対して10月31日までに、もしくは大量の文書がある場合は10月28日から順次、Appleが要求する文書を提出するよう命じた。Appleは裁判所に対し、Shi氏による情報共有の差し止め、Apple技術を使用したOppo製品の開発停止、企業秘密に触れた従業員の隔離などを求めている。

当初の訴状でAppleは、原状回復、損害賠償、懲罰的損害賠償、弁護士費用、そしてOppoとShi氏によるApple企業秘密の開示を防ぐための差し止め命令を請求している。

(Source: MacRumors

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更新日2025年10月29日
執筆者g.O.R.i
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