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14インチM5 Max MacBook Pro レビュー:想定以上の進化

パフォーマンス全振りのはずが、バッテリーまで延びていた。M4 Maxユーザーが一番悔しいポイントはそこだ

g.
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最終更新 1時間前

Appleの初売りでMacBook Pro「ほぼ全盛り」を購入し、型落ちカウントダウン中と分かりながらもM4 Max MacBook Proに乗り換えて間もなく、M5 Max MacBook Proが登場した。外観は変わらない。しかしM5 ProおよびM5 Maxチップの登場により、パフォーマンスは次元が違う話になっている。

悔しいか? そりゃあ悔しい。言うまでもなく悔しい。しかしそれは、Appleが発表した各種数値による差でしかない。僕が日常的に行っている作業において、M4 MaxからM5 Maxへのアップグレードはどれほどの恩恵をもたらすのか。本記事では実際の作業内容をもとに、徹底的に検証する。

M5 Maxとは何者か

Apple M5 Pro M5 Max chips 260303

まず、今回のアップデートの全体像を整理しておこう。

M4世代までのチップは「高性能コア+高効率コア」という構成が基本だった。M5 Pro/Maxでは、第3世代3ナノメートルプロセスで製造した2つのダイを1つのSoCに統合する「Fusionアーキテクチャ」を採用し、コア構成が根本から刷新されている。具体的には、世界最速のシングルスレッド性能を誇る6つの「スーパーコア」と、マルチスレッド処理に特化して最適化された最大12の「パフォーマンスコア」、合計最大18コアCPUというプロのワークロードにフルコミットした構成だ。

ここで少し補足しておきたい。M5ファミリーには、明確に役割が異なる3種類のコアが存在する。スーパーコアはAppleが以前「パフォーマンスコア」と呼んでいたものを今回から名称変更したもので、世界最速のシングルスレッド性能を担うエースだ(それに伴い、iPad ProApple Vision Proの表記も順次変更される)。パフォーマンスコアはスーパーコアの派生として新たに設計されたコアで、重いマルチスレッド処理に最適化されており、M5 Pro/Maxのみが搭載する。そして高効率コアは引き続きM5チップに搭載される省電力コアで、MacBook Airなどに採用されている。

M5Pro M5Max New Core explanation
図解すると少し分かりやすいはず

一言で表現するなら、スーパーコアは「瞬発力のエース」、パフォーマンスコアは「重い並行処理をゴリゴリこなす助っ人」、高効率コアは「省電力の縁の下の力持ち」だ。M5 Pro/Maxがプロ向けに圧倒的な処理能力を誇るのは、この3役の中でもパフォーマンスコアを多数搭載している点にある。

M4 MaxとM5 Max、主な変化点

  • CPUコア数:16コア(12高性能+4高効率)→ 18コア(6スーパー+12高性能)
  • マルチスレッドCPU性能M4 Max比 最大15%向上
  • GPU:最大40コア(次世代アーキテクチャ)、グラフィックス性能は最大20%向上、レイトレーシングは最大30%向上
  • AI演算性能(GPU)M4 Max比で4倍以上(各GPUコアにNeural Acceleratorを搭載)
  • AIトレーニング性能M4 Max比 最大3倍
  • メモリ帯域幅:最大546GB/s → 最大614GB/s
  • SSD速度:最大2倍(最大約14.5GB/s)
  • 標準ストレージ(14インチ):1TB → 2TB
  • ビデオ再生バッテリー:最大18時間 → 最大20時間
  • Wi-Fi / Bluetooth:Wi-Fi 6E / BT 5.3 → Wi-Fi 7 / BT 6
  • ThunderboltThunderbolt 4Thunderbolt 5(最大120Gb/s)
  • ディスプレイオプション:Nano-textureガラスが新たに選択可能に

特に注目すべきはAI演算性能の4倍以上という数字だ。各GPUコアへのNeural Accelerator搭載により、AIの推論だけでなく、これまでデスクトップのワークステーションでしか現実的でなかったローカルモデルのAIトレーニング(学習)が、MacBook Proのバッテリー駆動で実現できるレベルへと引き上げられている。「デスクトップを持ち歩く」という表現が、もはや比喩ではなくなった。

今回レビューするのは14インチM5 Max MacBook Pro、128GBメモリ、4TBストレージ、Nano-textureディスプレイ、シルバーだ。実はシルバーも一瞬悩んでいた選択肢だったため、「JISキーボードでなければ数カ月待って僕が買っていたかもしれないモデルだ」という思いが頭をよぎったのは否定できない。

パフォーマンスを検証する

手元にある14インチM4 Max MacBook Proは、初売りで100万円近く投資して購入した。M5 Maxが近々登場するであろう雰囲気を感じながらも購入を決断したことは後悔していないが、正直なところ悔しさは拭いきれない。そんな複雑な気持ちで検証した僕を、優しい目で見守ってもらいたい。

比較対象として、今回同時発表されたM5 MacBook Air(16GBメモリ、1TBストレージ)と、メインマシンの14インチM4 Max MacBook Proを用意した。

SSD速度:公称「最大2倍」は本当か

M5 MacBook Air M5Max MacBook Pro Review Images1 19

まずはSSD速度から。

モデル WRITE READ
M5 Max MacBook Pro 12,714.9 MB/s 12,809.0 MB/s
M4 Max MacBook Pro 7,147.9 MB/s 5,933.5 MB/s
M5 MacBook Air 4,544.1 MB/s 6,204.5 MB/s

M5 Max MacBook Proの圧倒的な速度は数字の通りだ。注目すべきはM5 MacBook AirのREAD速度(6,204.5 MB/s)が、僕のM4 Max MacBook Pro(5,933.5 MB/s)を上回っている点。ポータブルSSDが値上がりし続ける昨今、Appleは価格をほぼ据え置きながらSSD性能を最大2倍にまで引き上げてくるとは、まったく容赦がない。

ただし、実際のファイル転送(外部SSD→本体への15GBファイル移動)では3台とも19〜20秒台と、差はほぼ誤差の範囲に収まった。ZIPファイルの解凍(15GBファイル)でも35〜39秒程度と大きな差は見られず、純粋なSSD速度よりも処理全体のボトルネックが別のところにある場合は、差が出にくいようだ。

DaVinci Resolve:動画書き出し

M5 MacBook Air M5Max MacBook Pro Review Images1 24

「ガジェタッチ」で定期的に出演している「OpenMic Radio g.O.R.i Edition」の素材を使い、DaVinci Resolveで書き出し時間を計測した。約10分間の素材をH.265で書き出し。ストレージの都合上、全機種ともSanDisk SSD(4TB、USB 3.2 Gen 2×2)にある素材を使い、書き出し先も同じSSDに統一している。

モデル 書き出し時間 ファン稼働開始 残バッテリー
M5 Max MacBook Pro 1分49秒 約1分3秒 91%
M4 Max MacBook Pro 1分59秒 約49秒 86%
M5 MacBook Air 6分20秒 85%

最も大きな差が出ると思っていたが、M5 MaxM4 Maxの差は約10秒にとどまった。MacBook AirMacBook Proに大きな差が生まれたのはGPUのコア数とメディアエンジンの数が影響していると考えられるが、M5 MaxM4 Maxの間にドラマチックな差は生まれなかった。

RAW現像:最も「悔しかった」検証

M5 MacBook Air M5Max MacBook Pro Review Images1 28

日常的に行う最も負荷の高い作業が写真の現像だ。意識的に通常より少し負荷の高い状況を想定して計測した。実際は何百枚も一度にまとめて処理することを避けているが、高負荷でも快適に動作すれば普段の作業は問題なく使えるはず、という判断のもとで試している。

Photoshop起動(全653ファイルを開く)

モデル 時間
M4 Max MacBook Pro 7.08秒
M5 MacBook Air 10.36秒
M5 Max MacBook Pro 10.66秒

意外にもM4 Maxが最速だったが、誤差の範囲として気にしていない。

被写体検出(100枚)

モデル 時間
M5 Max MacBook Pro 40.44秒
M4 Max MacBook Pro 41.34秒
M5 MacBook Air 1分9秒

被写体検出はM5 MaxM4 Maxで互角。M5 MacBook Airは約30秒の差がついたが、一度に100枚処理しなければ差は縮まるだろう。

AIノイズ除去(100枚)

モデル 時間
M5 Max MacBook Pro 11分03秒
M4 Max MacBook Pro 14分17秒
M5 MacBook Air 48分11秒

M5 MacBook Air M5Max MacBook Pro Review Images1 26

ここで差が明確に現れた。M5 MaxM4 Maxに対して約3分以上速く処理を完了。各GPUコアに搭載されたNeural Acceleratorによるアクセラレーションが効いている場面だろう。M5 MacBook Airは50分近くかかり、GPUパフォーマンスの差が如実に出た形だ。MacBook Proはすぐにファンがフル回転し、MacBook Airはキートップに触れられないほど発熱していた。

書き出し(全653ファイル)

モデル 時間 最終残バッテリー
M5 Max MacBook Pro 2分30秒 53%
M4 Max MacBook Pro 6分3秒 40%
M5 MacBook Air 8分43秒 42%

これが今回最も衝撃的な結果だ。M5 MaxM4 Maxより約4分速く書き出しを完了し、最終的な残バッテリーも10%以上多い。「そんなはずはない」と両機種とも何度か検証を繰り返したが、M4 Maxは6分台が限界で、2分30秒という数字には届かなかった。

このAIノイズ除去と書き出しの結果が、今回の検証で最も悔しい瞬間だった。写真の現像作業においてM5 MaxM4 Maxに対して明確な優位性を示しており、M4 MaxからM5 Maxへのアップグレードを真剣に検討する価値があると感じさせるには十分な差だ。

Wi-Fi 7対応の効果は?

Wi Fi Speed test comparison

Wi-Fi 7に対応したことで、自宅のWi-Fi 6ルーター環境でも速度差が出るのかを検証した。

ダウンロード速度は3製品とも大きな差は見られなかった。一方でアップロード速度は、M5シリーズ製品が安定して200Mbpsを出す場面が多く、M4 Max MacBook Proはアップロード速度が下回ることが少なくなかった。劇的な差とは言えないが、M5シリーズのほうが平均アップロード速度で優れているという印象を受けた。Wi-Fi 7ルーターへの買い替えを機に、その恩恵をより大きく享受できるだろう。

M4 Maxを買ったばかりの僕は後悔しているのか

M5 MacBook Air M5Max MacBook Pro Review Images1 17

14インチM4 Max MacBook Proを初売りで購入したおかげで、合計約7万円相当のポイントを手にしている。M5 Maxが近々登場するであろう気配を感じながらも購入を決断したことは後悔していないが、「悔しくない」と言えば完全に嘘になる

その理由は明確だ。動画の編集・書き出しよりも写真の現像作業が多い僕にとって、短時間で写真を仕上げて書き出す逼迫した状況での高いパフォーマンスこそがM3 MaxからM4 Maxへ乗り換えた動機だった。だからこそ今回の書き出し結果(M4 Maxの6分→M5 Maxの2分30秒)は、さすがにちょっと堪えた。

M5 MacBook Air M5Max MacBook Pro Review Images1 36
もちろんメモリも128GBあるので余裕ありまくり

さらに悔しいのがバッテリー持ちの向上だ。スーパーコアとパフォーマンスコアという構成を見た時点で「パフォーマンス全振り、電池持ちは二の次」のマシンに振り切ったと思い込んでいた。しかし実際はそうではない。Appleによると、新チップの開発においては常にすべての側面で電力効率を突き詰めており、今回ビデオ再生時間が延びたのは、電力供給の最適化に加え、ビデオ再生時の処理を担うメディアエンジンの電力管理を徹底的に最適化した結果とのことだ。「大幅なパフォーマンス向上」と「優れたバッテリー持ちの維持」を両立させた、というのが正確な表現だろう。

実際、ビデオ再生時間はM4 Maxの最大18時間からM5 Maxでは最大20時間へと2時間延びている。ワイヤレスインターネット閲覧時間は両モデルとも最大13時間で変わらないが、動画などの高負荷な用途ではM5 Maxが確実に長持ちする。今回の検証でもM5 Max MacBook Proは残バッテリーが一貫して多く、数字の裏付けを体感できた。

どちらを選ぶべきか

M5 Pro/Maxはパフォーマンス志向に振り切ったように見えるが、Appleによると選び方の軸は省電力性ではなく「どれだけの処理能力が必要か」で判断すべきとのことだ。MacBook Airは日常的な作業やビジネス、ライトなクリエイティブ用途に高いパフォーマンスと携帯性を両立する優れた選択肢であり、MacBook Proはより強力なCPU・GPU・大容量メモリを必要とするプロのワークフロー向けのマシン、という区分けだ。今回の検証結果も、その違いをそのまま体現している。

「次はMaxチップを絶対買う」と心に誓い、初売りの還元率に目もくれず、歯を食いしばって今の今まで我慢してきた皆さん——本当におめでとうございます。恐れられていた「とんでもない値上げ」もなく、M4世代との差は”誤差”とも言える程度に収まっている。M4 Maxを買ったばかりの僕ですらこれほど悔しい思いをしているのだから、数世代待ち続けて「そろそろ満を持してM5 Maxだ」と思っていた方には、迷わずGOしてほしい。特に写真・動画のAI処理を日常的に行う方にとって、これは「順当なアップグレード」ではなく、ワークフローを変えうる次元の違う進化だ。

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g.O.R.i: 僕は基本的にゴリミーの運営だけですよ!ただ、写真を撮ることもあり、その写真を素早く、誰かに届けるということが結構な頻度であるので、書き出し速度は結構重要だったり…
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更新日2026年03月09日
執筆者g.O.R.i
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  1. g.O.R.i管理人(コメントID:707872)
    コメント先:通りすがりの読者(コメントID:707871)
    g.o.r.i.さんは普段どんな仕事をしてるんですか? Macの速度をそこまで気にするとは…(いい意味で)普段使いでそろそろ満足している身としてはちょっと興味あり

    僕は基本的にゴリミーの運営だけですよ!ただ、写真を撮ることもあり、その写真を素早く、誰かに届けるということが結構な頻度であるので、書き出し速度は結構重要だったりするんです!なので、このスピード感に絶望しているという……w

  2. 通りすがりの読者(コメントID:707871)

    g.o.r.i.さんは普段どんな仕事をしてるんですか?
    Macの速度をそこまで気にするとは…(いい意味で)普段使いでそろそろ満足している身としてはちょっと興味あり

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