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Apple、元従業員がApple Watch機密をOppoに流出させたとして訴訟。心拍センサー技術狙いか

退職3日前に63ファイルをUSBに転送、中国企業での技術開発リーダー就任後に発覚

Matthias oberholzer ae2TuE8p0YI unsplash

AppleがApple Watchの機密情報を中国企業Oppoに流出させたとして、元従業員のChen Shi氏を相手取り訴訟を起こした。同氏は退職前に63のファイルをUSBドライブに転送し、Oppoに心拍センサー技術などの重要情報を提供したとされている。

MacRumorsが報じたところによると、Appleは8月22日、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に訴状を提出した。訴状では、Chen Shi氏がApple Watchの設計や開発文書、内部仕様、製品ロードマップなどの営業秘密を不正に取得し、Oppoに提供したと主張している

退職直前に機密ファイルを大量ダウンロード

Chen Shi氏は2020年1月から2025年6月まで、Appleで「高額報酬のセンサーシステム・アーキテクト」として勤務していた。同氏は中国の高齢の両親の世話をするために帰国すると会社に説明していたが、実際にはOppoでの職に就いていたことを隠していたという。

退職プロセス中、Shi氏は機密性の高いApple Watch関連文書を収集し、Apple Watchの技術チームメンバーと「数十回」の個別ミーティングを実施。これらのミーティングで進行中の研究開発活動について情報を収集していたとされる。

心拍センサー技術の情報を標的に

特に問題視されているのは、Shi氏がApple退職3日前に行った行動だ。同氏はAppleの保護されたBoxフォルダから63のファイルをダウンロードし、USBドライブに転送した。

その後、MacBookのデータ消去方法や、共有ドライブでファイルを開いたことが他者に知られるかどうかを検索していたことも判明している。さらに、Oppoの雇用主に対して「可能な限り多くの情報を収集する」と伝え、特に心拍センシング手法に関するデータの入手を約束していたという。

Oppoは疑惑を全面否定

一方、続報によると、Oppoの広報担当者は8月23日に声明を発表し、疑惑を全面的に否定した。まとめる、以下のような内容だ。

  • カリフォルニア州で提起された訴訟を認識し、Apple の申し立てを慎重に検討した
  • 当該従業員のOppo在職中の行為と、これらの申し立ての間に関連性があることを立証する証拠は発見されなかった
  • Appleを含むすべての企業の営業秘密を尊重しており、Appleの営業秘密を不正使用していない
  • 法的手続きに積極的に協力し、公正な司法手続きが事実を明らかにすることを確信している

現在、Shi氏はOppoでセンシング技術開発チームを率いているとされる。AppleはOppoとShi氏に対し、営業秘密の使用・開示の差し止め、原状回復、損害賠償、懲罰的損害賠償、弁護士費用の支払いを求めている。

この訴訟は、テック業界における人材流動と機密情報保護の難しさを改めて浮き彫りにしている。特に中国企業との間での技術者移籍を巡る問題は、今後も業界全体で注視される案件となりそうだ。

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更新日2025年08月24日
執筆者g.O.R.i
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