ブロガーもライターも「書き手」!朽木誠一郎氏、情報伝達の重要性を語る
本日、「2015ブロガーズ・フェスティバル」なるイベントが開催された。僕自身も2年前に登壇した、様々な分野で活躍するブロガーが集結するイベント。
LIGブログの初代編集長を勤め、現在は有限会社ノオトでさらなる活躍をしている朽木誠一郎さんが「ブロガーとライターの違い」というテーマを軸に情報伝達の重要性について語っていたので、その内容を紹介する!
ブロガーもライターも要は書き手!役目が異なるだけ
僕らはなぜか必要以上に何かをジャンル分けしたがる。例えば、「ブロガー」と「ライター」。ここに明確な違いはあるのだろうか。
この問に関して朽木さんは「ライター(書き手)という概念の概念の中にブロガーが含まれる」とコメント。つまり、基本的には両者は同じだと結論付けた。
「書き手」というジャンルに属する人は数多く存在する。朽木さんのような商業ライターや僕のようなブロガーを始め、記者やコラムニスト、ブックライターなども含まれる。
最近は「ライターはバズらせる必要がある」という謎の空気がウェブ界隈に充満しているが、「全てのライティングをバズらせる必要はない」とバッサリ。伝えるべき情報を伝えることが最も重要であり、その時の案件における自分の「書き手」として求められている役目によって異なると語っていた。
商業ライターの場合、自己ではなく他者の情報を発信することが多い。一方、ブロガーの場合、自己の情報をメインに発信する傾向にある。両者における良し悪しや優劣はなく、単にメディアにおける役割が異なるだけなのだ。
「メディアとはモビルスーツ」ーー情報伝達の重要性
メディアの持つ影響力を侮るべからず!制御できない可能性も
続いて、朽木さんはメディア論について話し始めた。メディアはウェブメディアだけではない。雑誌や本などの紙媒体も忘れてはならない。最近ではオンラインサロンなどもある。
メディアとは何か。それは「情報をより早く、大きく、あるいは細やかに伝達する手段」。
朽木さんはマーシャル・マクルーハン氏の言葉「メディアは人間の身体の拡張」と前置きしつつ、「メディアはモビルスーツである」と自身オリジナルの格言を紹介。会場はやや失笑に包まれたが、その後に彼が話した言葉には会場も納得した様子だった。
メディアには多くの人が想像している以上の影響力がある。「アクセス少ないから」「書き始めたばっかりだからほとんど読まれない」「趣味の延長だから大丈夫」という人もいるかもしれないが、メディアではいつ、何が、どこで取り上げられるか分からない。ウェブメディアはなおさらだ。
これを朽木さんは「殴る」という行為に例えた。誰かを殴った場合の威力と比べて、メディアを介して「殴った」時の方が自分の制御できる強さよりも強い強さで殴る可能性があると指摘。これが俗にいう「炎上」だ。
メディアの中に当然、ブログも含まれる。ブログが持つ影響力を過小評価せず、「普段自分が殴るよりも強く殴ってしまう可能性がある」という意識を持ってブログ運営をするべきであると締めた。
情報伝達ありき!マネタイズよりも先にやるべきことを意識せよ
ビジネスという観点において、メディアには情報伝達、マネタイズ、マーケティング、ブランディングなどが目的として活用されることが多い。
一般的に興味関心が高いのは「マネタイズ」。アクセスアップも最終的にはその先に見え隠れする収益化を目的としている人もいるかもしれないが、朽木さんは「マネタイズの前に意識するべきことがある」と警報を鳴らす。
それは「情報伝達」。特にブロガーの場合、何かを伝えたい、という思いがいつの間にか稼ぐことに重きを置いてしまっていては本末転倒だ。
情報は人の心を動かす。基本に立ち返り、発信したい情報を意図した通りに伝えるということを意識するべきであるとのこと。
商業ライティングの心構え、実践できる編集テクニック
最後に朽木さんはブロガーに向けて商業ライターとしての心構えを伝授。
自身のブログにおいて記事広告を受けた場合や外部メディアのライターとして抜擢された場合、ブロガーとして意識しなければならないのは依頼人の要件を事前に確認することが極めて大事であると指摘。
また、注意点として著作権やステマを守ることだけではなく、媒体のルールやクライアントの利益について把握するべきであると語った。
例えば、普段自我を文章中に出す人はその案件においても自我を出して良いのか、自分の考え方を出していいのかをしっかりと確認した方が良い、とアドバイス。「自分に支払われる費用(=給料)がどこから出ているのか」ということをしっかりと考えるべきだということもコメント。
ブロガーが今日から実践できる、文章力が向上するための編集テクニックも伝授。オススメの方法は声に出して読んでみることと書いたら少し寝かすこと。寝て起きて次の日に自分の書いた文章を改めて見ると、前日に見つからなかった改善点などが見つかることもある。
最後に朽木さんはライターは夢のある仕事であるとコメント。自身は20年後もライターとして生活できていることを目指し、さらなる活躍を誓った。