「iOS 15をスキップできる機能は一時的なもの」ーーAppleが発表
初期不良やバグを修正するまで、iOS 14で最新のセキュリティアップデートを受けられるための機能
iOS 15の新機能として登場したiOS 14を使い続ける機能の停止は、Appleの意図的な変更であると判明した。Ars Technicaとのインタビューで、Appleは「リリース当初より、一時的に提供する機能だった」と説明。初期不良やバグを修正するまで、iOS 14で最新のセキュリティアップデートを受けられるようにする目的だったという。
2021年12月14日にリリースされたiOS 15.2以降、iOS 14.8以前が動作するiPhoneはiOS 14.8.1が表示されない。iOS 14.8.1は、日本時間2021年10月27日にリリース済み。最新のセキュリティアップデートを受けるためには、iOS 15.2.1へアップデートする必要がある。
後出しジャンケン?Apple「ここのサポートページに書いてあるよ」
一見”後出しジャンケン”であるように見えるが、Appleは昨年9月時点で一時的な機能であると明記している。
2021年10月8日公開(米国版は9月23日公開)のサポートページ「iPhone、iPad、iPod touch をアップデートする」には、「重要なセキュリティアップデートがリリースされている間は引き続き、しばらくの間 iOS または iPadOS 14 を使い続けるかを選択できます」と記載されている。
iOS または iPadOS 14.5 以降をお使いの場合は、2 つのソフトウェア・アップデートのバージョンから選ぶオプションが表示されることがあります。その場合は、iOS または iPadOS 15 の最新バージョンがリリースされ次第アップデートするか、重要なセキュリティアップデートがリリースされている間は引き続き、しばらくの間 iOS または iPadOS 14 を使い続けるかを選択できます。
iOS 15の特長をまとめ公式ページを改めて確認すると「iOSでは、2つのソフトウェアアップデートバージョンのどちらをインストールするか、設定アプリで選べる場合があります」と明記しており、抜け道を用意していることが確認できる。
iOSでは、2つのソフトウェアアップデートバージョンのどちらをインストールするか、設定アプリで選べる場合があります。iOS 15の最新バージョンがリリースされたらすぐにアップデートを行って、最新の機能と最も充実したセキュリティアップデートを利用することも、重要なセキュリティアップデートを利用しつつ、iOS 14を使い続けることもできます。
Appleは事実を答えているが、一時的であることをあえてぼやかす言葉選びには不誠実な印象を受ける。
なおiOS 14を使い続ける選択肢を用意したことで、iOS 15へのアップデートするペースは鈍化している。過去4年以内に発売されたデバイスのうち、iOS 15の利用率は72%、iOS 14は26%。昨年12月時点におけるiOS 14の利用率は81%、iOS 13は17%と。iOS 15へのアップデートはiOS 14が足を引っ張っていることは明らかだ。
最新のセキュリティアップデートを受け続けるためには、iOS 15へのアップデートが必須条件となった。標準でiOS 15がインストールされているだろう新型iPhone SEの発売も近い。iOS 14のシェア率は、今年の夏頃までには例年どおりの水準に追いつくのではないだろうか。