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Pixel 8 Proは「カメラ」として使えるのか

望遠レンズ、広角レンズ、超広角レンズ、マクロレンズを備えた超コンパクトカメラとしての実力はいかに

Pixel 8 Proのカメラは、スペックだけ見れば最強だ。

5,000万画素の広角と超広角カメラ、4,800万画素の望遠カメラを搭載する。望遠レンズには最大30倍ズームを美しく仕上げる「超解像ズーム」や手ぶれ補正などもあり、超広角レンズはマクロ機能が利用できる。軽量・コンパクトに定評のあるSonyのミラーレスカメラだとしても、数キロに及ぶであろう機材をスマートフォン1台に収めているのだ。

Pixel 8 Proのカメラ関連仕様は以下のとおり。

項目 詳細仕様
背面カメラ(広角)
  • 50 メガピクセル Octa PD 広角カメラ
  • ピクセル幅 1.2 μm
  • 絞り値 ƒ/1.68
  • 画角 82°
  • イメージ センサーのサイズ 1/1.31 インチ
背面カメラ(望遠)
  • 48 メガピクセル Quad PD 望遠カメラ
  • ピクセル幅 0.7 μm
  • 絞り値 ƒ/2.8
  • 画角 21.8°
  • 光学ズーム 5 倍
  • 超解像ズーム最大 30 倍
背面カメラ(超広角)
  • 48 メガピクセル Quad PD ウルトラワイド カメラ(オートフォーカス機能付き)
  • ピクセル幅 0.8 μm
  • 絞り値 ƒ/1.95
  • 画角 125.5°
  • レンズ補正
カメラセンサー
  • マルチゾーン LDAF(レーザー検出オートフォーカス)センサー
  • スペクトル センサー、フリッカー センサー
  • ワイドレンズ、望遠レンズ対応光学式および電子式手ぶれ補正機能
前面カメラ
  • プロ設定
  • 高解像度の画像
  • Ultra HDR
  • 編集マジック
  • ベストテイク
  • マクロ フォーカス
  • 消しゴムマジック
  • ボケ補正
  • モーション モード
  • リアルトーン
  • 顔フォーカス
  • パノラマ
  • 手動ホワイト バランス調整
  • ロックされたフォルダ
  • 夜景モード
  • 天体写真
  • トップショット
  • ポートレート モード
  • ポートレート ライト
  • 超解像ズーム
  • モーション オートフォーカス
  • よく撮影する人
  • デュアル露出補正
  • Live HDR+
動画
  • 背面カメラ
    • 4K 動画撮影(24 FPS、30 FPS、60 FPS)
    • 1080p 動画撮影(24 FPS、30 FPS、60 FPS)
    • Dual exposure(広角カメラ)
  • 前面カメラ
    • 4K 動画撮影(24 FPS、30 FPS、60 FPS)
  • 音声消しゴムマジック
  • 動画ブースト
  • ビデオ夜景モード
  • マクロ フォーカス動画
  • 10 ビット HDR 動画
  • シネマティックぼかし
  • シネマティック撮影
  • スローモーション動画に対応: 最大 240 FPS
  • 4K タイムラプスと手ぶれ補正
  • 天体写真のタイムラプス
  • 光学式手ぶれ補正機能
  • 動画手ぶれ補正
  • 4K シネマティック撮影動画手ぶれ補正
  • 4K 動画手ぶれ補正(固定)
  • 1080p 動画手ぶれ補正(アクティブ)
  • デジタルズーム最大 20 倍
  • 動画形式: HEVC(H.265)、AVC(H.264)
  • 音声
    • 音声消しゴムマジック
    • ステレオ録音
    • 音声拡張機能
    • ウィンドノイズ低減
    • 音声ズーム

Pixel 8 Proに搭載されているカメラの実力を試すべく、街に繰り出してみた。「良い写真」とは極めて主観的であり、個人の好みによって大きく左右される。本記事ではGoogle Japanより先行して提供してもらった端末を使い、ストリートスナップを撮ったものを作例として載せておく。参考にしてもらいたい。

カメラの実力はいかに。風景、動物、食事など、幅広く撮ってみた

BAGKOK NIGHT on Pixel8Pro 01

Pixelシリーズのカメラ性能は定評があり、今年はさらに高性能なカメラをさらに使いこなせる「プロ設定」機能を新搭載。シャッタースピードやISO感度をマニュアルで調整できるようになり、以前に比べて撮影の自由度が増した。

Pixel8pro pro settings 01

まずは比較的明るい時間帯で撮影した作例から見てもらいたい。雨が降っていたためカメラの撮影条件としてはやや不利とも言えるが、雨粒や壁などのテクスチャーが楽しめるはずだ。
Taking photos with pixel 8 pro camera 01

マンションの横にあった小さい公園の遊具。雨上がりかつ夕方で誰にも遊んでもらえておらず、ただマンションの方向を見守る姿が印象的だった。
Taking photos with pixel 8 pro camera 03

鉄と雨。すでに雨は止んでおり期待していたほどの”雨感”は見せられなかったが、Pixel 8 Proのマクロ機能を使ったり5倍望遠ズームを使うことで、日常を少し違った角度から楽しめる。
Taking photos with pixel 8 pro camera 02

この写真は屋内で水やりをされた直後の植物を、脚を蚊に刺されてわめく次女をなだめながら適当に撮った1枚。雑に撮ってもそれなりの写真に仕上がるのが、最近のスマートフォンカメラ。Pixel 8 Proも例外ではない。
Pixel 8 pro plants 02

同じ環境で放射線状に広がる様子に惹かれて撮ってみた。植物の中に吸い込まれそう。
Pixel 8 pro plants 01

久しぶりの1人外食は、21時台に数年ぶりに食べる油そば。会社員時代は週に3回通うほどの大好きだった油そばを目の前にしても、Pixel 8 Proのためなら箸を付ける前に写真を1枚撮るだけの自制心がある。それが36歳ゴリラ。冗談はさておき、器の手前側から奥にあるコップやコショウなどに向けて滑らかにぼけている。「メインカメラ」と呼ばれるだけの実力はあるだろう。
Taking photos with pixel 8 pro camera 08

普段は飼い犬以外、撮る機会のない動物も撮ってみた。動物は素早くかつ予想外の動きをするため、Pixel 8 Proのプロ設定をフル活用できると期待していた。結果としてそれなりに撮れたと思うが、シャッターを切ったと思ったタイミングと実際に切れていたタイミングのラグが予想以上に大きく、「撮れた!……あれ?」を何度も繰り返すこととなった。

Taking photos with pixel8pro camera 01

Taking photos with pixel8pro camera 03

Taking photos with pixel8pro camera 11

Taking photos with pixel8pro camera 12

プロ設定でミラーレスカメラのような使い心地を勝手に期待してしまっていたせいか、使いづらさのほうが目立った。シャッタースピードとISO感度は変更できるがf値が変更できず、設定を変更する際も都度メニュー画面を出す必要があり、手間が多い。操作で手間取っている間にシャッターチャンスを逃すことが多かった。

Pixel8pro pro settings error 01
想像とは違った操作方法に戸惑いも多かった

また設定項目は密集しており、変えたい時に変えたい項目が変えられない、誤タップして別の項目を変えてしまうなどのトラブルもあった。当然ながら使い込めば操作にも慣れるだろうが、それよりもPixel 8 Pro本体任せで撮ったほうが結果的に満足できる写真を残せる可能性が高そうだ。

「プロ設定は意識しすぎない」というマインドセットを手に入れてからは、Pixel 8 Proの実力を存分に楽しめた。高画素ゆえに撮影後の現像作業はしやすく、クロップしやすい。

僕は普段メインで使用するカメラは2,400万画素のEOS R3だ。画素数には十分に満足しており、スマートフォンカメラで4,800万画素も5,000万画素もいらないのでは?」と思っていたが、逆にスマートフォンカメラこそ高画素のほうが良い。ミラーレスカメラと比べて「適当に撮る」という使われ方をする可能性が高いからだ。

5,000万画素が多すぎるという人は、プロ設定として1,200万画素として撮影する設定も用意されている。RAWが不要であれば、JPEGのみで撮影することもできる。

以下は夜の渋谷周辺をスナップしたものだ。数カ月ぶりに訪れたが、知らないビルが経っていたり、あったはずのビルが取り壊されていたり、火事だったビルが復旧作業をしていたり、知らない景色が広がっていた。

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Taking photos with pixel 8 pro camera 05

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Taking photos with pixel 8 pro camera 06

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せっかくなので、手持ちで物撮りもしてみた。スマートフォンで撮った写真であると見分けられる人は早々いないだろう。
Taking photos with pixel8pro camera 06

Taking photos with pixel8pro camera 09

Pixel 8 Proのカメラレビュー:欲しい自由、返上する自由

pixel-8-pro-camera-01

僕は、スマートフォンのカメラは「深く考えなくてもシャッターボタンを押すだけでめちゃくちゃ良い写真が撮れる」ことが魅力だと思っている。カメラが好きな人は撮るプロセスを含めて楽しむが、大多数の一般人は「良い写真が撮れればそれで良い」と考えている。そのため最近は物理的な制約をコンピュテーショナルフォトグラフィでカバーする機能が導入されている。

Pixel 8 Proも同様のルートで進化したが、今年はカメラが好きな人が楽しみたい「撮るプロセス」の自由度を与えてくれた。選択肢があることは良いことだが、個人的にはミラーレスカメラと同様の感覚で設定が反映されないような印象が強く、操作の使いづらさのほうが上回った。

GoogleはPixel 8シリーズを「AIスマホ」と呼んでいる。AIはカメラの撮影機能よりも事後編集機能で活用されている。Pixel 8 Proはミラーレスカメラのようなポテンシャルは持っているが、撮るプロセスは引き続き端末に任せておいたほうが「カメラ」としての実力を発揮しやすいと感じた。

自由は嬉しい。欲しいとき、必要なときもあるだろう。しかし時には相手を信頼して任せるのも大事なことだ。

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執筆者g.O.R.i
コメント(3件)

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  1. 通りすがりの読者(コメントID:703158)

    最近のカメラって、どこまでAIによる補完を許せるかが難しくなってきてる。

  2. g.O.R.i(コメントID:703098)
    コメント先:通りすがりの読者(コメントID:703097)
    > 撮るプロセスは引き続き端末に任せておいたほうが「カメラ」としての実力を発揮しやすいと感じた ガチカメラ買うほどじゃないけど思い出は出来れば綺麗に残したいっていう大半の一般の人の使いやすさを追求してる感じなんですかね

    そうそう、そう思います!プロ設定も、RAWを有効化しない方法もあるので、一般人向けの「プロ設定」とも言えるかもしれませんね!

  3. 通りすがりの読者(コメントID:703097)

    > 撮るプロセスは引き続き端末に任せておいたほうが「カメラ」としての実力を発揮しやすいと感じた

    ガチカメラ買うほどじゃないけど思い出は出来れば綺麗に残したいっていう大半の一般の人の使いやすさを追求してる感じなんですかね

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