世界最大級の「日本発イチゴ」植物工場が稼働開始。農業の課題に最新技術で向き合う
Oishii Farm、世界最大級の次世代植物工場「メガファーム」の稼働を発表
米国を拠点にサステナブルな農業の実現を目指すOishii Farm Corporationは6月4日、サステナビリティと自動化を追求した、世界最大級の植物工場「メガファーム」をニュージャージー州にて稼働したと発表した。
Oishii Farmは日本人CEOが経営するニューヨーク発の植物工場スタートアップ。日本の伝統技術である施設園芸を活かした植物工場で、世界中の人々に日本品質の農作物を届けると同時に、日本発の技術で新たな世界産業を創出する事に挑戦している。
今回発表したメガファームは、農業におけるサステナビリティと生産性という2つの課題に取り組んでいる。
農業におけるサステナビリティ
農業は現在、異常気象・農薬の過剰投与と残留農薬問題・農業用地や水の不足など、多くの課題を抱えている。Oishii Farmはこれらの課題の解決手段として、サステナブルな新しい農業を仕組み化したメガファームの稼働に至ったという。
メガファームは完全閉鎖型の植物工場。外の気候に左右されることなく、害虫や菌の侵入を防ぐことで、完全無農薬で一年中安定していちごを生産できる。
サッカーコート3面分以上に相当する2.2万㎡の敷地面積は農業用地ではなく、旧プラスチック工場を再利用して建設された。数億円を投じて開発した新たな水の循環システムを導入することにより、使用した水の大半を再利用することに成功している。
植物工場の課題とされる電力消費は、隣接する東京ドーム約5個分に相当する20万㎡の太陽光発電所で作られたグリーンエネルギーを利用。いちご一株あたりの消費電力を14%削減する最先端のLEDも活用している。
20万㎡の太陽光発電所
農場における生産性
メガファームの各農場ユニット内では、温度・湿度・二酸化炭素・光・風速などのあらゆるパラメーターを自動制御することにより、いちごの成長に最適な環境を作り出している。収穫はロボットが行い、24時間いちごの成長を見守りながら完熟したタイミングで自動で行い、オペレーションの効率化を図っている。
また画像認識技術とAIによって、年間600億ものデータを取得しながら、各農場ユニット内の環境を日々把握・調整することで、受粉成功率や収穫量の予測精度の向上に繋げている。
さらに、250ものいちごの栽培棚を可動式にすることで、農業管理者やロボットが効率的にオペレーションできる環境を構築することに成功。各プロセスにおける生産性向上により、前農場と比較して、20倍もの収獲量を目指している。
Oisii Farmの古賀大貴は、「今後も人と地球にやさしい農業の実現を目指しながら、日本の高品質な果物・野菜の魅力を世界に伝えていきたいと考えています」とコメントとしている。
本日Mega Farmの稼働を発表しました!
是非こちらのビデオをご覧下さい!
7年間、200人でよくここまで来たと、本当にチームを誇りに思います。
この無謀とも思える挑戦に挑ませてくれた投資家の皆様、本当にありがとうございます。農業は新たなフェーズに入りました。https://t.co/fXGJ56vvXu
— 古賀大貴/Hiroki Koga (@O1sh11farm) June 4, 2024