日本でのNexus Oneとキャリアフリー
最近いろんなところに、GoogleのNexus Oneの登場によってキャリアしばり、というものが取り除かれるのではないか、と書いてある。僕はこの風潮に大賛成だし、大歓迎だ。なぜインフラを提供するだけであるはずの会社がそのインフラを利用する端末に制限をかけないといけないのか未だに理解できない。
そのような無意味な権力を崩しにかかっていると言われているのがNexus One。端末を選んでから、キャリアを選ぶことができるようになり、端末メーカーはキャリアによる柵が軽減される。確かにこの流れはアメリカだったら、この流れに他メーカーも参戦することによって比較的早く実現される可能性がある。
だが、日本でも同様にうまくいくだろうか。僕はそこに大きな疑問を感じる。
日本はメールやインターネットはケータイからやるのが主流であり、一般的である。特に、メールと言えば、ケータイメールだと思う人が大半なのではないか。結論からいうと、この「メール」という概念がキャリアフリーの妨害になると僕は思っている。
欧米ではメールというのはすなわちPCのメールのことを指す。GmailやYahoo Mail、一時誰もが一つは持っていたHotmailなどがそれらに値する。では欧米のケータイ間のやりとりはPCメールでやっているのかというとそうでもない。日本のケータイにも搭載されているが、ショートメッセージサービス(SMS)を利用しているようで、これはキャリアフリーで利用できる。つまり、日本でいうとドコモからソフトバンクにメッセージを送ることが可能である。よって、キャリアフリーを実現するにあたってメールという障壁の心配は殆ど無いに等しいのである。
では、日本ではどうだろうか。3大キャリアのアドレスはそれぞれ@docomo.ne.jp @ezweb.ne.jp @softbank.ne.jpとある。これはそのキャリアと契約していなければ使えないアドレスである。番号に関してはMNPという便利なものの登場によってキャリアを超えて番号をそのまま継続して使えるようになったものの、メールアドレスに関してはどうしようもない。だが、大衆がこれらのようなメールアドレスを使い続ける以上は、キャリアフリーにするにあたってここを乗り越えなければキャリアフリーは一生実現しないだろう。
これを乗り越えるためには二つ方法がある。1つはケータイメールを思い切って他キャリアで使えるようにする。もう1つはPCメールをケータイメール並の使い勝手を実現すること。
個人的には前者はないだろう。ドコモ端末を使いながらソフトバンクのメールを使う、となるともはや何が何だか分からなくなり、管理が異常に大変になる。もしこれが実現されたらユーザーとしては非常に便利なのだが、きっとないだろう。
2つ目のPCメールだが、これは比較的Gmailが頑張っていると僕は感じる。ケータイメールの大きな特徴として絵文字がある。Gmailはなんと絵文字の実装をし、キャリア間の変換でうまくいかない部分もあるみたいだが、PCメールで絵文字がここまで容易に送れるのはすごいことだと思う。
ケータイメールに必要なのは絵文字だけではない。簡単にフォルダ分けができることも一つの大きな条件であるようだ。特にiPhoneを購入した人の最初に聞く悲鳴はフォルダ分けができない事だった(iPhoneが比較的普及し始めた頃にはすでに絵文字に対応していてコピペもあり、iPhone 3GSが販売されていたので動作も比較的安定していた)。これはiPhoneでは未だに実装されておらず、ケータイメールを多用している人からしてみたら非常に苦しい不足である。
まだまだケータイメールになるためには必要なものは多いが、僕の見解だとケータイメールをどうこうするよりはWEBメールサービスプロバイダーに頑張ってもらいたいところである。
日本人はとにかくケータイメールを多用する。かく言う僕も、iPhoneとドコモを持ち歩きながらともにメールやらSMSをしながら歩く典型的なダメな若者であり、メールはなくてはならないコミュニケーションツールである。一時期SMSがキャリアフリーになるという話もあったが、いずれにせよもしキャリアフリーを促進するのであればメールという、実はキャリアにかなり縛られている部分を解放する必要があるだろう。
Nexus Oneの実現しようとしている世界に僕は大いに賛成だ。日本のキャリアよ、いい加減、目を覚ませ!!!!
うん、これだね、いつ実現するんだろうかー
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0909/01/news097.html