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ピアノ+チェロ+絶景!「The Piano Guys」が語る、アーティストとしてYouTubeから成功するための極意

The Piano Guys

YouTubeで話題のクリエイター集団「The Piano Guys」。皆さんはグループ名を知らずに彼らの素晴らしい作品を何度も目にしているかもしれない。

彼らの特徴はピアノとチェロという異色の組み合わせによって生み出されるポップスとクラシカルの融合。それだけではなく、間違いなく誰も持ち込んだことがないような場所にグランドピアノとチェロを置き、思わず演奏そっちのけで映像に見入ってしまうようなミュージックビデオを作成。その結果、既に彼らの公開している動画の累計再生回数は4億回以上を誇る。

実は数ヶ月前、来日していた彼らにインタビューする機会を頂いた。とても気さくな方々で終始和やかどころか爆笑しながら楽しい時間を過ごすことができた。

最近は「好きなことで、生きていく」というキャッチコピーとともに活躍する日本のYoutuber (YouTubeに動画作品を投稿し、生計を立てる人たちのこと)の広告を目に見かけることが増えてきた。YouTubeを使えば本当に好きなことで生きていけるのか?

The Piano GuysがどのようにしてYouTubeから成功を掴み取ったのか、そしてアーティストとして活動を続ける上で欠かせないマネタイズに関する話も聞いてきたので、紹介する!

YouTubeで成功するにはコンテンツ・クオリティ・一貫性が重要

The Piano Guysの動画はどれをとっても非常に多くの人に見られている。国内で最も話題になったのは恐らく以下の「Let It Go」の演奏だろう。ちなみに現在は4K画質でも視聴できるようになっているのでまだ見ていない人は以下からどうぞ!

では、彼らはなぜYouTubeでここまで大きな成功を手にすることができたのだろうか。プロデューサーを務めるPaul Andersonさんは「シェアされるようなコンテンツを作る必要がある」と語る。

The Piano Guys
プロデューサーのPaul Andersonさん

作品を見た途端に「これは最高にクールだ、今すぐシェアしないと!」と思えるような作品であることが重要。というのも、YouTubeには毎日のように大量の動画が公開されていて、世界中の才能溢れる人たちが動画を投稿している。その中で目立つためには他の人と違うものであり、ユニークである必要があると話してくれた。

ただ、最近はCM効果以前にスマホの普及によってYouTubeが格段に普及している。動画の公開も視聴も今までより手軽で身近なものになっているため、目立つのは4年前に比べて圧倒的に難しくなっていると分析する。

「動画のコンテンツも大事だが、それに加えて動画のクオリティと一貫性も重要だ」と語るのはチェロを演奏するSteven Sharp Nelsonさん。

The Piano Guys
Steven Sharp Nelsonさん

ありがちなのは、他のアーティストが成功している動画を見て自分たちも同じことをやろうとする行為。あれやったりこれやったり、アーティストとして何がしたいのかよく分からない状態になってしまう。

大事なのは、自分たちにしかできない、かつ、自分たちが最も強みを出せるニッチな分野で根気強くクオリティの高いコンテンツを一貫したテーマに基づき公開し続ければ、成功するのは時間の問題だ、と力強く語ってくれた。

「ニッチな分野」は「自分が情熱を注げる分野」

成功する上で欠かせない、「ニッチな分野」を探し出すこと。The Piano Guysは彼らの「ニッチな分野」をどのようにして見つけたのだろうか。

Paulさんは「自分が情熱を注げる分野であることが何よりも重要」だと情熱的に語ってくれた。彼は美しい風景が大好きで、世界中にある素晴らしい景色を映像に収めたいというパッションがあるそう。一生のうちに回りきれない素晴らしい景色をバックにグランドピアノとチェロを持ち込み、演奏するというだけで他では見られない「ニッチな分野」を見つけることに成功した。

映像作品もユニークだが、演奏形態も他にはない組み合わせなのがThe Piano Guysの魅力だ。これについてStevenさんは「Good to Great」というビジネス本にある内容を紹介してくれた。曰く、大事なのは何をやるかを先に決めるのではなく、最高のメンバーを集めることを優先するべきだ、という。

Good to Great: Why Some Companies Make the Leap...And Others Don't
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さらに「世界中の誰よりも自分が力を発揮できるニッチな分野を探せ」という内容を紹介。最高のメンバーが最高のパフォーマンスを発揮できる分野を探す、ということを突き詰めていった結果、今のThe Piano Guysがあるのだ。

Stevenさん曰く、メンバーで集まり「何をしようか」という話し合いが行われたことはないそうだ。それぞれのメンバーが最も力を発揮でき、情熱的になれる分野をマッシュアップさせた結果、今の形に行き着いたという。情熱を注ぎ続けた結果、彼らが創りだす音楽の形に共感してくれる人が増え、今に至るそうだ。

2つの異なる魅力的な何かを見つけたとき、それらを組み合わせた時にさらに魅力的な何かを生み出すことができる」と語るのはピアノを演奏するJon Schmidtさん。

The Piano Guys
Jon Schmidtさん

確かにThe Piano Guysは異なる2つの魅力的な要素を組み合わせている。ピアノの奏でる音とチェロの奏でる音。異なる曲や異なるジャンルの組み合わせ。そして息を呑むような絶景と聞き入ってしまう音楽。確かに「魅力的な2つの何か」を組み合わせて化学反応を作り出している。

マネタイズするには情熱は欠かせない!リスクは恐れるな!

世界的に大成功を収めているThe Piano Guysだが、同じくYouTubeを活用して世界に羽ばたきたいアーティストもいるはず。成功する上で最も重要なのは「パッション!」と笑顔で語るのはPaulさん。ただし、その瞳は真剣そのもの。

やりたいことに情熱を注げること、そしてビジネスやマネタイズを意識しすぎずに作品を公開し続けることが最重要だと語る。そして何度も何度もチャレンジをし、実験を積み重ね、新しいことを試みることも欠かせないという。

チャンレンジにはリスクもつきまとうが、リスクを取ることも時には重要だ。過去にPaulさんは自身が経営していたピアノストアを辞め、The Piano Guysに全情熱を注ぐことを決断している。情熱が注げる分野だっただけではなく、メンバーが生み出す音楽を信じていたこと、そしてそれがいずれ成功すると信じていたと笑顔で話してくれた。

The Piano Guys
Steven Sharp Nelsonさん

Stevenさんは、「80:20の法則」に基づいて収益源の確保を考えるべきだと語る。キャッシュポイントは1つではなく複数持つことは大事だが、広く浅くではなく8割の収益を稼ぐ収益源を確保することが必要だそうだ。

なお、The Piano Guysにとっての8割は、インタビュー時点においては音楽の売上とコンサートの収益となっているとのこと。引き続きYouTube広告も活用しつつ、今後はウェブサイトからの物販にも力を入れていきたいとのこと。

The Piano Guys

興味深かったのは成功の兆しが見えた段階でThe Piano Guysがキックスターターのようなファンディングの仕組みを独自で回していたということ。自分たちの創りだす音楽を支援してくれるファン達の求めているかを分析し、軌道に乗ることができたと語ってくれた。

あまり多くを語らなかったJonさんが「最後に付け加えることがある」と言って語ってくれたのは「笑える、ということ」の大事さ。シェアされることにも通じると思われるが、面白いコンテンツは自然と拡散されやすく、人目に触れやすく、共感を呼びやすい。

富士山の頂上や桜と一緒に撮影したい

常に美しいローケーションで撮影するThe Piano Guys。もし日本で撮影するとしたらどこで撮影したいかと聞いてみたところ、迷うこと無く「富士山の頂上」という答えが返ってきた。アグレッシブすぎる!桜をバックに撮影してみたいということも語っていた。

個人的には冬の雪が積もった金閣寺で撮影して欲しいと言ってみた。写真を見せたら大喜びしていたので、いつか実現するかもしれない。

インタビューは以上で終了。30分前後のインタビュー時間だったが、インタビューしていることを忘れるほど笑ってばっかりの楽しい時間だった。今回はライブを見に行くことができなかったので、次回来日した時には是非とも見たい!

Thanks, The Piano Guys! Hope to see you guys soon!

The Piano Guys

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公開情報
更新日2018年03月09日
執筆者g.O.R.i
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