iPhone 17の保護フィルム、”貼ると逆効果”になる可能性。反射防止機能が無効化
一般的なガラスフィルムで反射率が悪化、アンチグレア加工製品の選択が重要に
iPhone 17の新型ディスプレイ「Ceramic Shield 2」には反射防止(AR)コーティングが直接ガラスに施されており、iPhone 16と比較して反射を約50%削減できる。しかし、一般的な保護フィルムを貼ると、この反射防止機能が無効化されることが、iPhone用アクセサリメーカーAstropadの調査で明らかになった。Astropadが自社検証の結果を紹介している。
保護フィルムで反射率が悪化する理由
Ceramic Shield 2の反射防止コーティングは、ガラス表面に施された薄い光学層が空気と直接接触することで機能する。この層が「破壊的干渉」と呼ばれるプロセスを通じて、反射光を打ち消し合う仕組みだ。
しかし保護フィルムを貼ると、ディスプレイとフィルムの間に薄い接着剤の層が入り込む。反射防止コーティングは空気との接触を前提に設計されているため、接着剤で覆われると本来の機能が発揮できなくなる。コーティング自体は存在するものの、適切に動作しない状態になるという。
実測データで判明した衝撃の結果

棒グラフが低いほうが反射率が低い=アンチグレア効果が高い(Astropadより)
Astropadは光度計を使用した測定実験を実施。20度の角度から照射した光が、各デバイスの表面でどれだけ反射するかを測定した。その結果は以下の通り:
- iPhone 16 Pro:3.8%の反射率
- iPhone 17 / 17 Pro / 17 Pro Max / 17 Air:2.0〜2.1%の反射率(約50%削減)
- iPhone 17 + 一般的な保護フィルム:4.6%の反射率(iPhone 16 Proより悪化)
- iPhone 17 + Fresh Coat(Astropad製):1.0%の反射率(さらに50%削減)
驚くべきことに、反射防止機能を持たない一般的な保護フィルムを貼ったiPhone 17は、何も貼っていないiPhone 16 Proよりも反射率が高くなった。せっかくのCeramic Shield 2の利点が完全に失われるだけでなく、前世代よりも見づらくなるという逆効果が生じている。
数字以上に大きい実用上の差
一見すると数パーセントの違いに過ぎないが、実際の使用環境では大きな差を生む。屋外の直射日光下では、周囲の光がディスプレイからの光よりも数千倍強い。この環境では、わずか数パーセントの反射でも画面のコントラストを大幅に低下させ、色を鈍くし、視認性を著しく悪化させる。
反射率を4%から2%に下げるだけで、明るい場所での視認性は目に見えて向上する。さらに1%まで下げれば、直射日光下でもテキストや画像が鮮明に見え続けるという。
アンチグレア加工のフィルムを選ぶべき理由
Astropadは今回の調査結果を基に、独自の反射防止コーティング付き保護フィルム「Fresh Coat」を開発。iPhone 17に装着すると反射率を1.0%まで抑えられるとしているが、残念ながら日本では購入できない。
ただし、今回の調査で明らかになったのは、iPhone 17シリーズのCeramic Shield 2が持つ反射防止効果を最大限に活かすには、通常のガラスフィルムではなく、アンチグレア加工が施されたガラスフィルムを選ぶべきだということだ。Astropad製品と同等の効果が得られるかは不明だが、少なくとも反射防止機能を無効化してしまう心配は少ないだろう。
日本国内で入手可能なアンチグレア加工付きガラスフィルムとしては、TORRASの「OrigArmor」シリーズなどが選択肢として挙げられる。iPhone 17シリーズの視認性を損なわずに画面を保護したいなら、製品選びには注意が必要だ。
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