フォロワー80万人の学生クリエイターに「どのMac買えばいい?」と聞いたら、答えが超リアルだった
Apple表参道「Today at Apple」でキドウ氏が語った、テスト対策テクニックとデバイス選びの本音
Apple表参道にて、Today at Apple「ワークショップ:大学生活で活かす、キドウ流テスト対策をMacとiPhoneで」が開催された。登壇したのは、SNS活動開始からわずか2年で総フォロワー80万人、累計再生回数3億回を達成した学生クリエイターのキドウ氏。現在は起業準備のため2025年4月から休学中だが、今年4月からの復学を予定している。
「他の人が知っていることを自分が知らない状態が許せない」。キドウさんのすべての原動力は、この知的好奇心にある。動画制作においても、視聴者が「どのタイミングでどんな感情になるか」を仮説検証しながら、徹底的に視聴者目線で作り込んでいるという。僕自身、広義での”クリエイター”の端くれとして、志しの高さにはグッとくるものがあった。
MacとiPhoneを駆使した「キドウ流テスト対策」
ワークショップでは、Apple製品の標準機能だけで完結する5つのテスト対策テクニックが紹介された。いずれも追加のアプリやサービスは不要で、MacとiPhoneがあればすぐに実践できるものばかりだ。
最初に紹介されたのは、ライブテキストとユニバーサルクリップボードの合わせ技。iPhoneのカメラで紙のテキストを読み取り、そのままMacにペーストすれば、紙の資料が一瞬でデジタル化される。手打ちで写す時代は終わった。
続いて、Apple Intelligenceを活用したテスト対策だ。「校正」機能で誤字脱字をチェックし、「プロフェッショナル」で要約・整理。さらに「作文ツール」にプロンプトを入力すれば、テスト形式に合わせた対策問題の自動生成も可能だという。
3つ目は、メモアプリの音声録音とリアルタイム文字起こし。友達と教え合いながらメモアプリで録音すれば、リアルタイムで文字起こしが行われ、内容の要約まで行える。耳と目の両方で復習できる、実践的な手法だ。
4つ目は、メモアプリの装飾機能を使ったノート術。太字や等幅(背景グレー)を使い分け、間違いには赤マーカー、重要箇所には青マーカーを引く。直感的に要点が把握できるノートに仕上がる。
最後に紹介されたのが、iPhoneミラーリングだ。Mac上でiPhoneを操作することで、直接スマホを手に取る機会が減る。SNSやゲームへの脱線を物理的に防ぎ、集中力を維持する仕組みだ。
Q&Aで見えた「80万人の育て方」
ワークショップの後半には、参加者からの質問に答えるQ&Aセッションも設けられた。
「朝早く起きるコツは?」という質問に対して、キドウさんの回答はシンプルだった。アラームをスマホではなくアナログ時計にして、歩かないと止められない場所に置く。強制的に体を起き上がらせる、物理的な仕掛けだ。
SNS活動初期の軌道修正について聞かれると、「視聴者の感情や行動を仮説検証して、うまくいったものをテンプレート化する。数字が落ちたらまた別の仮説を試す」と語った。才能やセンスではなく、仮説と検証の愚直な繰り返し。80万人のフォロワーは、その積み重ねの先にある。
イベント終了後、キドウさんに個別で話を聞いた
イベント終了後、キドウさんに個別でお話を伺う時間をいただいた。普段どのようにデバイスを使い分け、何に苦労し、どう乗り越えてきたのか。ワークショップでは語りきれなかった、等身大のクリエイターとしてのリアルな本音を聞くことができた。
「機能よりまずデザイン」から始まった感動体験
Apple製品を選ぶ理由について聞くと、キドウさんはまず見た目を挙げた。「機能云々よりもまずデザイン。デザインも良ければ原価もいいし、スマートだしっていうのが一番使う理由としてはあって」。洗練されたプロダクトデザインが入り口だったという。
しかしそれ以上に彼を魅了しているのが、デバイス間のシームレスな連携だ。「実際に使って機能を知った時の感動がすごいんです。それこそ最近、僕が友達にユニバーサルクリップボードを見せた時に『えぐい、買うわ』って実際に本当に買ってくれて。それがめちゃくちゃ嬉しかった」。
機能を言葉で説明するのではなく、目の前で見せることで「買えるわ」と言わしめる。Apple製品の連携が持つ説得力を、まさに体現しているエピソードだった。
「最強なのはエアドロ」泥臭すぎる制作フロー
動画クリエイターとして「最強」と断言する機能がAirDropだ。「僕、クリエイターなので、iPhoneで撮影した動画素材をMacに落とし込んで、それをMacで編集して、またiPhoneに戻すっていう、なかなか面倒くさいことしてるんですけど、やっぱりそこでエアドロがないとすごい時間ロスになっちゃう」。
なぜMacで編集した動画をそのままSNSに投稿しないのか。そこにはSNSネイティブならではのこだわりがあった。「iPhoneで投稿することが癖づいてるので……。Mac上でコメント返信とかする時って、エンターキーを押しちゃうともう送信されちゃって、くっつかない文章になっちゃう。やっぱりiPhoneじゃないと落ち着かないし、iPhoneじゃないとできないこともあるんです」。
効率よりも”手に馴染む”感覚を重視する。SNSが生活の一部になっている世代ならではの、理にかなった判断だと感じた。
64GBのiPhone 12で戦った日々
現在はiPhone 15 Pro Maxや貸出機のiPhone 17 Proを使用しているキドウさんだが、過去には壮絶な苦労があった。
「僕、この携帯に変える前はiPhone 12を使ってたんですよ。その時ストレージが足りなさすぎて、まず動画素材を全部消して、新しい素材を入れて編集したら、元の素材消して……。足りなかったらアプリ消してストレージ空けて、また送り直して投稿するっていうのをずっとやってました」。
容量のやり繰りがうまくいかず、動画がボツになったことも2〜3回あるという。64GBのiPhoneで動画クリエイターとして活動していたこと自体が驚きだが、それでも投稿を続けていたからこそ今がある。華やかな数字の裏には、こうした泥臭い努力が積み重なっていた。
「2000件のメッセージは全部『MacBook Neoめっちゃいいで』って言うかもしれない」
現在の愛機は、2024年発売のフルスペックの13インチ M3 MacBook Airだ。
動画編集をする彼があえてAirを選んだ理由は明快だった。「MacBook Proって僕にはオーバースペック。4K編集を別にするわけじゃないし、エフェクトもゴリゴリにするわけでもない。バランスがいいのって何なんだろうなって考えた時に、やっぱAirのバランスがちょうどいいなって」。
そして今回発表されたMacBook Neoについては、学生向けの最適解になり得ると太鼓判を押した。「MacBook Neoって価格帯にしても機能にしても、大学生活内でやることに関してはあれで事足りる。多分これから2000件来る「どのMacを買えばいいですか?」のメッセージには全部『Neoめっちゃいいで』って言うかもしれないです」と笑いを誘った。
一方で、動画クリエイター目線では冷静な分析も忘れない。「チリツモでストレージ問題になった時、どっかでストップしちゃうかもしれない」。64GBのiPhone 12で地獄を見た彼だからこそ、ストレージの重要性は身に染みているのだろう。
「Apple武装」の全貌と、学生に勧める最強の勉強ツール
自身のデバイス環境を「僕、Apple製品全部使ってるんで、なんというかもう”Apple武装”みたいな(笑)」と表現するキドウさん。ゼロから文章や資料を作る時はキーボード入力が速いMacBookを、紙の資料をスキャンして書き足す時はiPad miniをと、用途ごとに完全に使い分けている。
過去にiPad Airを使っていた時期もあったが、「MacやiPhoneと役割が似通って差別化できなかった」ため、あえてminiに行き着いたそうだ。しかし「学生の勉強用ツール」として相談されたら、自分が使っているminiではなく、最新のiPad Air(M4モデル)を迷わず推奨するという。
「一番はやっぱりiPad Airをおすすめすると思います。スマホの手入力や、Macではどうすることもできない『書ける』のがやっぱり一番大きい。GoodNotesの信用性とかも考えた上で、一番いいんじゃないかなって思います」。自分に最適なデバイスと人に勧めるデバイスが異なる点が面白い。用途と経験に基づいた、説得力のある回答だ。
デジタルネイティブが「付箋とノート」を手放さない理由
最先端のデバイスをフル装備しているキドウさんだが、日々のタスク管理には付箋を、ジムでの筋トレ記録には紙のノートを使っている。
「その日のタスクを書く時は絶対に付箋に書いて貼ってます。こういう製品だと、一旦開いて見るというコースが一つ増えるし、見た先でなんかSNSいじっちゃったとかは、すごい弱いところだとは思うので」。デジタルデバイスの最大の敵はデジタルデバイスそのもの。そこを正直に認め、物理的に遮断する判断ができるのは、SNSの誘惑を誰よりも知っている人間だからこそだろう。
筋トレの記録についても興味深い答えが返ってきた。「ジムごとのアプリがあって、ちゃんと機能が設けられてるんですけど……筋トレは文化なのかな? ノートに書いてる人が多いので、僕もそれに従ってノートに書いてるんです」。効率化だけを追い求めるのではなく、その場のアナログな文化も尊重する。デジタルネイティブ世代だからこそ見えている、バランス感覚が印象的だった。
復学に向けた「2台持ち」の新構想
今年4月の復学を控え、MacBook Neoの登場によって新たなデバイス構想が生まれているという。
「今使ってるAirをクリエイター活動と仕事用にして、4月からの大学生活ってNeoでも完結できちゃうので、パソコンを2つに分けてもいいんじゃないのかなとちゃんと思っていて。価格がお手頃なのもあるので、使い分けとしていいんじゃないかなと思いました」。
仕事用のMacBook Airと学業用のMacBook Neo。10万円を切る価格帯だからこそ実現できる、学生クリエイターならではの2台持ち運用だ。64GBのiPhoneでストレージと格闘していた彼が、MacBookの2台持ちを構想する。その変化自体が、クリエイターとしての成長の証なのかもしれない。
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