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Apple銀座 内覧会レポート:22年ぶり”フラッグシップ級”に大変貌した「初の米国外ストア」

日本初Apple Store誕生の地が230名体制で再始動、Mac Pro展示とピックアップカウンター東京初導入

Apple Ginza PreOpen 36

Apple銀座9月26日に全面リニューアルオープンする。単なる店舗改装ではない。22年前、日本で初めて、そしてアメリカ国外で最初に開設されたApple Storeという歴史的意義を背負った特別な場所の再始動だ。

牧野ロドリゲス有里氏(Apple 東京セントラル マーケットリーダー/地区統括)によると、このリニューアルはAppleと銀座の街の深い結びつきを象徴するシンボルなのだという。230名を超えるチームメンバーが、オープン時に客を迎える準備を整えている。

フラッグシップ店舗の証と革新的建築デザイン

Apple Store Ginza The Outside 02

新しいApple銀座の最も印象的な特徴は、動くルーバーを備えたダブルスキンガラスファサードだろう。Mac OTAKARAのダンボ氏によると、これは二重のガラスの中に完全自動制御のルーバーが設置された構造で、センサーが光の状態を検知し、眩しすぎると自動的に閉じる仕組みになっている。密閉構造のため掃除が不要で、虫や埃も入らない設計だ。

なお窓から外を覗く際は、是非とも気を付けてもらいたい。ルーバーの手前に窓があるため、予想以上に窓ガラスが手前にあり頭をぶつける恐れがある。実際に僕は頭をぶつけた。痛い。

天井には木材を使用したルーバー状のデザインが施されており、これはマレーシアのThe Exchange TRXや上海の1000 Yanなど、アメリカ本国でプレスリリースが出た大型店と同じスタイルだという。このデザインはフラッグシップ店舗である証でもある。

Apple Ginza PreOpen 26

実際にMac Proが展示されていることも、Apple銀座が東京で3番目のフラッグシップ級大型店であることを物語っている。Mac Proが置かれているのは表参道、丸の内、新宿の3店舗のみで、京都や梅田にはない。

驚くほど開放感あふれる空間設計

建物の構造は大胆に見直されている。コア(中心部)を片側に寄せることで、すべての階で3方向から自然光が流れ込む設計を実現した。各フロアは「銀座の街の上に浮かぶバルコニー」のように明るく開放的で、銀座の景色を新しい角度から楽しめる。

Apple Ginza PreOpen 17

1-2階と3-4階をつなぐ2つの吹き抜け、そして3面すべてがガラス張りになっていることで、かつてのApple銀座とは全く異なる、非常に開放感の溢れる構造となっている。過去のApple銀座に何度か足を運んだ経験がある身としては、純粋に「めちゃくちゃ広くなったな」という印象がある。これは右側にエレベーターが3基あり、入り口から入って奥向きに長い構造になっているからだと思われる。天井の木材の向きなども含めて、奥行きがあるような視覚効果も存分に効果を発揮している。

Apple Ginza PreOpen 20

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Apple Ginza PreOpen 25

当然のことながら、Apple銀座は100%再生可能エネルギーで運営され、カーボンニュートラルを達成している。興味深いことに、最新のUS店舗と同様、大型ビジョンスクリーンが設置されていない。これは電力消費削減とカーボンニュートラル目標達成のための施策と考えられる。

東京で最もアクセシビリティに配慮した設計

4フロア構成(1階から4階)の新店舗は、東京で最もアクセシビリティに対応したストアとして設計されている。各エリアでは様々な高さのテーブルが用意されており、これはApple梅田と同じ種類だった。車椅子を利用する方を含むすべての客に対応したGenius Barやセッションスペースが整備されている。

Apple Ginza PreOpen 28

エレベーターには各階のボタンが設置されているが、これは技術的な理由がある。Apple銀座では7階まで一つの設計で統一されており、消防法上の要件により、以前のようなボタンなしのエレベーターは設置できなくなったためだ。なお、トイレは6階にあり、エレベーターで向かうそうだ。Apple Storeとしては1階から4階までとなっており、5階、6階は在庫などを保管するバックヤードのような場所と考えられる。

Apple Ginza PreOpen 51

階段もあるが、この階段の壁面にオレンジ色が採用されている理由は、銀座線のカラーをイメージしたそうだ。日本に対するリスペクトを感じる。

Apple Ginza PreOpen 34

フロア構成と戦略的なピックアップカウンター配置

各フロアには明確な役割が与えられている:

  • 1階:iPhoneとアクセサリー
  • 2階:Apple Watchのカスタマイズ、iPad、オンライン注文品の受け取り
  • 3階:Mac、Apple Vision Proの体験、Today at Appleセッション
  • 4階:Genius Bar(技術サポート)

Apple製品の中で最も人気があるのは、言うまでもなくiPhoneだ。iPhoneの端末および関連アクセサリがすべて1階で完結することで、フラッと立ち寄って2階以上に上がる必要がないのは、ユーザーにとっても使い勝手が良さそうだ。

特筆すべきは専用ピックアップカウンターの2階配置だ。これは東京初の導入となるサービスだが、配置場所には戦略的な意味がある。1階に設置すると客がそのまま製品を受け取って帰ってしまう可能性があるため、わざわざ2階に上げることで他の製品を見てもらい、購買機会を創出する狙いがある。同時に1階の混雑緩和効果も期待できる。

Apple Ginza PreOpen 47

Genius Barがある4階フロアは想像以上に広く、「Apple銀座ってこんなに広かったっけ?」と思うほどデスクが多く用意されていた。何か困ったことがあれば、近辺の人は表参道、渋谷、新宿、丸の内より銀座に行った方が予約が取りやすい場合もありそうだ。

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体験型コンテンツと特別な記念品

Today at Appleでは毎日無料のセッションが開催される。初心者からスキルアップを目指す人まで対応するドロップイン、予約制のスポットライト、ワークショップ、カルチャートレンドと繋がるスペシャルイベントなど、多彩なプログラムが用意されている。

来店者にはピンズのインキング付きトートバッグが記念品として用意され、期間限定でテーブル上のQRコードをスキャンすると、客が自分で水引を描ける特別なコンテンツも提供される。これらの細やかな演出が、単なる店舗ではなく体験の場としてのApple Storeの本質を表している。

新しいApple銀座は、22年前に始まった物語の新たな章の始まりだ。テクノロジーを通じて人々の暮らしを豊かにするというAppleの理念が、最新の建築技術とサービス設計、そして戦略的な店舗運営によって具現化された空間となっている。建築の細部に至るまで計算し尽くされたこの店舗は、単なるリニューアルを超えた、Appleの未来への意志表示なのかもしれない。

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更新日2025年09月27日
執筆者g.O.R.i
コメント(3件)

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  1. 通りすがりの読者(コメントID:706444)
    コメント先:通りすがりの読者(コメントID:706434)
    それってネットなどである程度吟味した上で、最後現物見てそのまま買った感じですか?? それともその場で吟味してそのまま購入?? 改めて考えると現地でそのもま買ったことないなぁと思い🤔

    改めてそう言われると買おうと思ってて在庫があったから買った感じでネットで買ったものを受け取ったのと変わらないかも?🤔

  2. 通りすがりの読者(コメントID:706434)
    コメント先:通りすがりの読者(コメントID:706429)
    修理でもネットで買った商品の受け取りでもなくここで製品見て決めて買ってく人ってどのくらいいるんだろう? と思ったけどよくよく考えたら昔iPad miniとAirPodsとそうやって買ってた

    それってネットなどである程度吟味した上で、最後現物見てそのまま買った感じですか??
    それともその場で吟味してそのまま購入??

    改めて考えると現地でそのもま買ったことないなぁと思い🤔

  3. 通りすがりの読者(コメントID:706429)

    修理でもネットで買った商品の受け取りでもなくここで製品見て決めて買ってく人ってどのくらいいるんだろう?
    と思ったけどよくよく考えたら昔iPad miniとAirPodsとそうやって買ってた

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