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Appleの工場リーク対策、想像を超えていた。それでも”外から”情報が漏れ続ける現実

身体検査・CCTV監視・Wi-Fi制限——鉄壁の「UIルーム」が初公開。問題は工場の外にあった

Apple US investment iPhone 16 Pro

AppleがiPhone組み立て工場で使用するiOSの未公開ビルドの管理体制が、関係者の証言をもとに初めて詳らかになった。AppleInsiderが、事情に詳しい複数の関係者から入手した情報として報じた。

iOSの新機能は毎年のように正式発表前にリークされるが、その情報源の多くはプロトタイプ端末や開発者経由だ。製造現場の組み立て工場から情報が漏れるケースがほとんどない背景に、今回明らかになった厳格なセキュリティ体制がある。

“UIルーム”は専用エリアで厳重管理

未公開UIを含む端末は、「UIルーム」と呼ばれる専用エリアで管理される。入口はバッジスキャナー付きの1カ所のみで、入退室の際にはセキュリティガードが確認を行う。

部屋内にはカーテンが設置されており、権限のない人物が未公開インターフェースを目にできない構造になっている。入室できるのは承認されたApple社員および一部のサードパーティ社員に限られる。

プロジェクトマネージャーは追加のApple社員の入室を承認する権限を持ち、入室時のサインインが必須だ。承認済みのApple社員は、必要に応じてラップトップとUSBフラッシュドライブの持ち込みが認められている。

サードパーティ社員への追加制限

サードパーティの組み立て工場スタッフには、Apple社員よりも厳しい制限が課される。全員がNDA(秘密保持契約)への署名を義務付けられており、携帯電話・カメラ・録音機器の類は一切の持ち込みが禁止されている。

入退室の際には身体検査も実施される。UIエリア全域は顔の特徴を捉えられる解像度のCCTVカメラで監視されており、録画データはアクセスが制限された別室のサーバーで管理されている。

Mac miniは機能制限付き、ネットワークも隔離

UIルーム内のメインPCはMac miniだ。メールとWi-Fiの機能は無効化されており、不正なファイルコピーを防ぐためUSBポートもロックされた状態で運用される。

UIエリアのネットワークは工場内の他エリアと物理的に切り離されている。テスト目的でWi-Fiを使用する場合も、接続できるのはApple・GoogleGoogleマップなど承認済みのサイトのみだ。

Bluetoothも常時無効に設定され、カメラレンズは封印・取り外し、またはそれに準じる方法で目隠しされる。SIMカードスロットを持つ端末には、シリアル番号入りの改ざん防止シールが貼付される。

工場向けiOSビルド「VendorUI」とは

Appleは工場向けに複数の内部iOSバリアント(社内呼称:ReleaseType)を用意している。ハードウェア診断用のNonUILLDiagsに対し、VendorUIはUI要素を含む最も制限されたタイプで、アクセスできるのは承認済みの選ばれた社員のみだ。

ビルドは「利用可能な機能・利用不可能な機能のチェックリスト」とともに配布される。電話・カメラ・Safariなど主要なシステムアプリの多くは含まれているが、Apple Music・カレンダー・時計・連絡先・計算機・メールなどは削除されることが多い。

状況に応じて、Radarバグレポートツールや、ABT・ETL Proxy・iQT・Terminatorといった内部用アプリがインストールされることもある。これらは実施するテストの内容によって異なり、標準のiOSアプリはほぼ常に含まれている。

工場ではどんなテストを実施するのか

組み立て工場では出荷前の品質検査にVendorUIビルドが使われる。ボタン・スピーカー・各種ポートのほか、機種に応じてFace IDTouch IDといった生体認証機能も検証対象となる。Face IDの確認には、メッセージアプリのAnimoji機能も活用される。

モーションセンサーのテストにはコンパス・計測・メモアプリが用いられる。たとえばメモアプリで文字を入力した後に端末を横向きにして、キーボードが正しく横画面に切り替わるかを確認する。環境光センサーは設定アプリで「自動輝度調節」を有効にした状態でセンサーを手で覆い、画面の輝度が変化するかどうかで判定する。

カメラのテストはデバイス上のすべてのイメージセンサーに対して実施される。具体的には、フラッシュあり/なしの写真・タイムラプス・ポートレートモード・パノラマ・通常動画・スローモーション動画の撮影が含まれ、特定のモードや機能が動作しない場合はすべて記録・報告される。

Appleのセキュリティは実際に機能している

VendorUIの存在はこれまで公に確認されることが稀だったが、2026年2月にiOS 26.2のVendorUIバリアントがApple wikiに掲載されたことで、その存在があらためて裏付けられた。テスト後に端末がコレクターに渡るケースも皆無ではないが、ほとんどの場合は対応する製品が市販された後だ。

こうした厳格な管理体制によって、工場内からVendorUIビルドが流出するケースはほぼ抑止できていると言える。ただし、それはあくまで工場内の話だ。開発用端末を所持する社員やその関係者を通じた情報漏洩は今も後を絶たず、毎年のように未発表のApple製品情報がネットに流れる一因となっている。

リーカーを黙認しないAppleの姿勢

著名リーカーのYouTuber Jon Prosserは、iOS 26のデザインを事前にリークしたとして2025年7月にAppleから提訴されており、現在も訴訟が続いているAppleInsiderの別記事によると、陪審員裁判と証言録取への対応を迫られており、機密情報の第三者への提供を禁じる差し止め命令と損害賠償も求められている。次回の裁判進捗報告は2026年4月13日が予定されている。

また、iPhone 17シリーズ全機種とiPhone Airのデザインを2025年2月に正確に予告していたリーカー「Majin Bu」が突然活動を停止したことも注目を集めている。米GizmodoのシニアエディターRay Wong氏AppleがMajin Buを”消した”のではないかと推測しており、実際にTwitterアカウントは削除され、公式サイトも「NOT AVAILABLE」となってすべてのコンテンツが消えている。真相は不明だが、Appleが情報漏洩に対して法的手段を含む強硬な姿勢をとっていることは、これらの事例からも明らかだ。

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執筆者g.O.R.i
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