Appleの価値観は変わるのか。Tim Cookがトランプ政権との距離感を明かす
プライバシー、環境、教育——「風向きが変わっても動かないレール」と語るCookの真意

The White Houseよりキャプチャ
Apple CEOのTim Cook氏が、トランプ大統領との関係性や、政治的に分断が進む中でのAppleの姿勢について語った。Esquireのインタビューで明らかになった。
Cook氏は「トランプ政権は非常にアクセスしやすい」と評価。自分の意見を伝え、対話できる環境があると述べた。「同意してもらえないこともあるが、関与はできる。声は届けられる」という。
ただし関与しても最終的に説得できるとは限らないとも認めている。Cook氏は自身の会議室にセオドア・ルーズベルトの名言「批判者は重要ではない」を掲げており、「傍観者として叫んでも、声は風に消えるだけだ」と持論を展開した。
なぜCook氏とトランプの関係が注目されるのか
Cook氏とトランプのつながりはApple創立50周年のインタビューで唐突に出てきた話題ではなく、長年にわたって構築されてきた異色の関係だ。2016年の大統領選中、トランプはサンバーナーディーノ銃乱射事件でAppleがFBIへのiPhoneロック解除を拒否したことを批判し、Apple製品のボイコットを呼びかけていた。しかし当選後、Cook氏はトランプタワーを訪問し、関係構築に動き出す。
第1次トランプ政権では、中国からの輸入品に高額関税が課される中、Cook氏はトランプと直接電話し、ゴルフ場での夕食会にも複数回出席。2019年にはMac Proの関税免除を勝ち取り、お礼に約6,000ドルのMac Proをトランプに贈ったとされる。トランプ自身が「他のCEOは高いコンサルタントを雇うが、直接電話してくるのはTim Cook氏だけだ」と語るほど、テック業界のCEOの中でも独自のポジションを築いていた。
第2次政権発足時にも、Cook氏は個人的に100万ドルを就任式に寄付。公にトランプ新政権との協力姿勢を示した一方、公開ゲイのCEOがトランプ政権を支援することへの批判もあり、Appleファンの間でも賛否が分かれている。今回のEsquireインタビューは、そうした背景を踏まえたCook氏自身の「回答」とも言える内容だ。
Appleの価値観は「変わらない」
Cook氏は、Appleが大切にしている価値観としてプライバシー、アクセシビリティ、環境、教育の4つを挙げた。これらは「風向きが変わっても動かないレール」だと表現している。
プライバシーについては「基本的な人権」として全力で取り組んでいると強調。アクセシビリティに関しては、目が見えない人でも製品を使えるよう、後付けではなくデザインプロセスに組み込んでいると説明した。
教育は「人々を平等にする偉大な力」であり、環境面では過去10年で炭素排出量を60%削減したという。収益が大幅に増加した中での成果だ。
「分極化は良くない」
Cook氏は、異なる意見を持つ人々とも積極的に会う姿勢を示した。「世界中どこでも僕と会うだろう。そして『自分と違う意見の人と会っている』と思うかもしれない。僕はそれが良いことだと思う」と語っている。
世界が分極化し、異なる意見が共有も議論もされず、ただ硬直化していくことが問題だと指摘。「それは良いことではない」と断言した。
先月のインタビューでもCook氏は「僕は政治的な人間ではない」と述べ、「政治ではなく政策に関与している」と明言していた。
Apple創立50周年とトランプ政権下の経営
インタビューはApple創立50周年に合わせて行われたもの。Cook氏は前日にニューヨークで開催された新製品「Neo」の発表イベント後、カリフォルニア州クパチーノの本社で取材に応じた。
Cook氏は2025年8月、ホワイトハウスでトランプ大統領と面会し、米国内の製造業に1,000億ドルの追加投資を発表。この発表により、中国から輸入するチップに対する関税が免除されたとされる。Appleの米国製造業への計画投資総額は6,000億ドルに達した。その際、Cook氏はCorning製の”完全米国製”ガラスを24金ベース台に載せてトランプに贈呈している。
またCorningとの提携拡大も発表されており、ケンタッキー州ハロッズバーグの工場でiPhoneとApple Watchのガラスを全世界向けに生産する。Appleからの25億ドルの新規投資が含まれている。
さらにAppleは台湾のTSMCとの提携を拡大し、ワシントン州の工場での米国内チップ生産を増強。Intelチップに依存していた時代からの脱却を図るApple Silicon戦略の一環だ。
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