14インチM2 Pro MacBook Proの魅力は「バッテリー」。携帯性・性能・電池持ちの良きバランス
M2 Proチップは強みは高効率コアが2つ→4つに増えたことによる消費電力性能の強化
M2 Proチップを搭載した14インチMacBook Pro(2023)を予約した。手元にはM1 Proチップを搭載した14インチMacBook Pro(2021)があるが、購入を決意した。
2023モデルのデザインは、2021年モデルと全く同じだ。HDMIポートはHDMI 2.1になったが、8Kディスプレイも240Hzディスプレイも使う予定がない。Wi-Fi 6EとBluetooth 5.3対応は将来的に役立つ可能性があるが、すぐには恩恵を受けられない。
M2 Proチップは、確実に改良されている。CPU性能は20%増、GPU性能は30%増、Neural Engine性能は40%高速化。M1 Proチップの性能に全く不満はないが、日常的なタスクから高負荷な作業はスピードアップするだろう。
先行レビューの総意は、「M1 ProまたはM1 Maxモデルを買っている人は買い換える必要なし」。概ね同意するが、持ち運ぶ機会が多く、パフォーマンスだけではなく電池持ちを重視するのであれば、M2 Proチップを搭載した14インチMacBook Pro(2023)は買い換える価値がある可能性がある。スペックシート上では1時間長くなっただけだが、使い方次第では大きな差が生まれる可能性を秘めている。
高効率コアの性能アップと低電力モードで最強に?
Appleによると、M1 Maxチップのほうがアクティブ状態およびアイドル状態の両方で電池消費が多い。より多くのGPUコアを搭載するM2 Maxチップでも同じ状況が見られるだろう。バッテリーの観点では、M2 Proチップのほうが優れているはずだ。
Appleは、M2チップで「効率コアも大幅に強化」と表現しており、改良された4つの高効率コアがパフォーマンスの向上に繋がっていると説明。M2 Proチップは同じアーキテクチャに基づいて開発されており、同じ恩恵を受けられるはずだ。
M2 Proチップは、M1 Proチップに比べて高効率コア数が2倍になった。性能が向上した4つの高効率コアがあれば、マシーン負荷の低いタスクは高性能コアを一切触らずにこなせるだろう。電池消費の少ない高効率コアが中心に動作することで、電池持ちに好影響があると予想している。
さらにmacOSに実装されている低電力モードを活用すれば、長時間駆動が期待できる。Macの低電力モードは、CPUやGPUの性能を制限することでバッテリーを節約する仕組みだ。
実は14インチM1 Pro MacBook Pro(2021)のバッテリー駆動時は、低電力モードで運用してきた。普段の作業は高効率コアで足りる。写真や動画の書き出しなどマシーンパワーが求められる作業のみ、低電力モードを解除することで、パフォーマンスとバッテリーのバランスを取ってきた。
Max Techの検証によると、M2チップではCPUのクロック数が3.49GHzから1.95GHzまで落ちる。平均9.3W・ピーク時23.8Wだった消費電力も、低電力モードの有効化で平均3.56W・ピーク時7.5Wまで減少していた。確実に消費電力は抑えられており、MacBookProでも駆動時間の延長に貢献するだろう。
なおM1 Proモデルとの比較検証を行った最新の動画では、検証後の電池残量が10%多かったと報告している。
14インチM2 Pro MacBook Proは、改良され増えた高効率コアで、軽いタスクはバッテリーへの影響が最小限のままこなせるだろう。低電力モードを有効化することで、高性能コアの消費電力を抑えるが、必要に応じて解除することでM2 Proチップの進化したパフォーマンスを解き放てる。M1 Proモデルと比べて、必要に応じて高性能・普段は長時間駆動になるだろう。