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M4 Max搭載Mac StudioとMacBook Pro、20万円の価格差は何を意味するのか

同じチップでも異なる冷却性能と拡張性、あなたのワークフローに最適なのはどちら

M4 max macbookpro macstudio comparison

今月5日、M4 Maxチップを搭載したMac Studio発表された。M4 Maxチップ自体は2024年10月に発表・発売されたMacBook Proと同じだが、Mac Studioは物理的なサイズや形状により、同じチップを搭載するMacBook Proに比べて排熱や冷却などの観点から優位と考えられる。

M4 Maxチップを搭載した両製品は、同じ最新世代のAppleシリコンを搭載しながらも、まったく異なる用途に向けて設計された製品だ。本記事では、同じM4 Maxチップを搭載する両製品の性能特性、使用シナリオ、価格対効果を徹底的に分析し、どのデバイスがあなたのワークフローに最適かを明らかにする。

M4 Maxチップの性能とその実装差異

M4 Maxチップは、最大16コアCPU(高性能コア12基と高効率コア4基)と最大40コアGPUを特徴とする、Appleの現行世代におけるプロフェッショナル向け最上位チップだ。このチップは546GB/秒を超えるメモリ帯域幅最大128GBのユニファイドメモリをサポートし、前世代と比較して飛躍的な性能向上を実現している。M1 Maxと比較すると、Photoshopでの画像処理が最大1.6倍、Xcodeでのコード編集が最大2.1倍、ビデオ処理が最大1.6倍速くなっている。

両デバイスは同一のM4 Maxチップを採用しているが、冷却システムと電力供給において大きな違いがある。Mac Studioはデスクトップとしてのフォームファクターを活かした高効率な冷却システムを備えており、同じチップを搭載したMacBook Proと比較して、長時間の高負荷作業時により安定したパフォーマンスを維持できる。特に3Dレンダリングやビデオ編集などの継続的な高負荷タスクでは、この差が顕著になる可能性がある。

Mac Studioの冷却構造
Mac Studioの冷却構造

検証によると、M4 Maxチップは優れたGPU性能を持ち、Blender Benchmarkテストではより多くのGPUコア(72基)を搭載するM2 Ultraチップよりも高いスコアを記録している。これはハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディングや第2世代のレイトレーシングエンジンなど、先進的なグラフィックス技術の恩恵によるものだ。

形状と携帯性の比較

MacBook ProとMac Studioの最も明確な違いは、そのフォームファクターにある。MacBook Proは14インチと16インチの携帯可能なノートPCであり、高品質なLiquid Retina XDRディスプレイ(ピーク輝度1600ニト)を内蔵している。これに対してMac Studioは19.7×19.7×9.5cmのコンパクトなデスクトップで、外部ディスプレイ、キーボード、マウスが必要となる。

MacBook Pro 16インチ(M4 Max)の重量は約2.15kgで、バッテリー駆動時間は最大14時間のワイヤレスインターネット、最大21時間のビデオストリーミングが可能だ。一方、Mac Studioは固定された作業環境を前提としているため、電源に常時接続する必要がある。

Apple MacBook Pro M4 lifestyle 03

日常的に複数の作業場所を移動する必要がある場合、MacBook Proの携帯性は大きな利点となる。しかし、主に一箇所で作業する場合や、複数の外部ディスプレイを使用したマルチスクリーン環境を構築したい場合は、Mac Studioがより適している。M4 Max搭載のMac Studioは最大5台の外部ディスプレイをサポートしており、拡張性の高いワークステーションを構築できる。

接続性と拡張性

接続性の面では、両モデルともThunderbolt 5ポートを採用しており、最大120Gb/秒の高速データ転送が可能だ。これは従来のThunderbolt 4の約3倍の速度であり、大容量のデータを扱うプロフェッショナルにとって大きなメリットとなる。

MacBook ProM4 Max)は3つのThunderbolt 5ポートに加え、SDXCカードスロット、HDMIポート、3.5mmヘッドフォンジャック、MagSafe 3充電ポートを装備している。
Apple MacBook Pro M4 connectivity

一方、Mac Studioはより豊富なポート構成を持ち、前面と背面に多数の接続オプションを提供している。この拡張性の高さは、多様な外部機器を接続する必要があるプロフェッショナルにとって大きな利点だ。

特にビデオ制作などの分野では、Mac StudioのThunderbolt 5ポートと拡張性の高さが、複数の高解像度ディスプレイや高速ストレージアレイの接続を可能にし、より効率的なワークフローを実現する。一方で、MacBook Proも十分な接続オプションを備えているが、その携帯性とのバランスを考慮した設計となっている。

項目 MacBook Pro (M4 Max) Mac Studio (M4 Max)
ポートの種類
  • Thunderbolt / USB 4ポート x3
  • HDMIポート x1
  • SDXCカードスロット x1
  • MagSafe 3ポート x1
  • 3.5mmヘッドフォンジャック x1
  • Thunderbolt 4ポート x4 (前面に2つ、背面に2つ)
  • USB-Aポート x2
  • HDMIポート x1
  • SDXCカードスロット x1
  • 10Gb Ethernetポート x1
  • 3.5mmヘッドフォンジャック x1
外部ディスプレイ出力 最大4台 最大5台
外部ディスプレイ仕様
  • Thunderbolt経由で最大6K解像度、60Hzのディスプレイを3台
  • HDMI経由で最大4K解像度、60Hzのディスプレイを1台
  • Thunderbolt経由で最大6K解像度、60Hzのディスプレイを4台
  • HDMI経由で最大4K解像度、60Hzのディスプレイを1台

価格と費用対効果の分析

両製品の価格差は注目に値する。M4 Max搭載のMac Studioの基本モデルは328,800円(税込)からとなっている。一方、M4 Max搭載のMacBook Proは14インチモデルが528,800円から、16インチモデルが554,800円からとなっている。

モデル 構成 Apple公式サイト価格(税込)
14インチMacBook Pro (M4 Max)
  • M4 Maxチップ(14コアCPU、32コアGPU)
  • 36GBユニファイドメモリ
  • 1TB SSDストレージ
528,800円
16インチMacBook Pro (M4 Max)
  • M4 Maxチップ(14コアCPU、32コアGPU)
  • 36GBユニファイドメモリ
  • 1TB SSDストレージ
554,800円
Mac Studio (M4 Max)
  • M4 Maxチップ(14コアCPU、32コアGPU)
  • 36GBユニファイドメモリ
  • 512GB SSDストレージ
328,800円

この約20万円の価格差は、主にMacBook Proに内蔵されているディスプレイ、キーボード、トラックパッド、バッテリーなどのコンポーネントによるものだ。既に高品質な外部ディスプレイやキーボードを所有している場合、Mac Studioは明らかに費用対効果の高い選択肢となる。

しかし、外部ディスプレイ(特に高品質なものは10万円以上)、キーボード、マウスなどを新たに購入する必要がある場合、初期投資の総額はMacBook Proに近づく可能性がある。それでも、Mac Studioはより優れた冷却能力と拡張性を備えているため、長期的な投資としては価値があるだろう。

なおApple純正の外部ディスプレイ「Studio Display」は219,800円から。ディスプレイだけで差額分を超えてしまうが、5K解像度の27インチディスプレイが手に入ると思えば、人によっては十分正当化できるだろう。

ユースケース別の最適選択

両製品の選択は、最終的にはユーザーの具体的なニーズと作業スタイルによって決まる。以下、典型的なユースケース別の推奨をまとめる。

MacBook Pro(M4 Max)が適している場合

Apple MacBook Pro M4 lifestyle 02

高いモビリティが必要なプロフェッショナルにとって、MacBook Proは理想的な選択だ。特に、クライアントのオフィスでのプレゼンテーション、出張中の作業、複数のロケーションでの編集作業などを行うビデオ編集者やグラフィックデザイナーに最適だ。16インチモデルは大画面で作業したいクリエイターに、14インチモデルはよりコンパクトさを求めるユーザーに向いている。

MacBook Proは特に、外部機器への依存度が低い場合や、単一のディスプレイで完結する作業が多い場合に価値を発揮する。内蔵の高品質ディスプレイはDCI-P3色域をカバーし、プロフェッショナルな色再現性を提供するため、追加の外部モニターなしでも高品質な作業が可能だ。

Mac Studio(M4 Max)が適している場合

Apple Mac Studio Studio Display setup 250305

固定されたワークステーションで最大のパフォーマンスを求めるユーザーには、Mac Studioが最適だ。特に、3DCGレンダリング、複雑なビデオ編集、大規模な音楽制作など、長時間の高負荷作業を行うクリエイターにとって、Mac Studioの優れた冷却能力は大きなメリットとなる。

M4 MaxチップはLLM(大規模言語モデル)のオンデバイス実行など、AIワークロードにおいても優れた性能を発揮する。特に128GBの大容量メモリを搭載した構成では、約2000億パラメータを持つLLMも実行可能とされている。この特性は3Dアニメーション制作や機械学習分野でも大きな利点となる。

さらに、既に高品質な外部ディスプレイを所有しているユーザーや、複数の外部ディスプレイを使用したいプロフェッショナルにとって、Mac Studioの拡張性と費用対効果は非常に魅力的だ。

結論:目的に合わせた選択を

M4 Max搭載のMacBook ProとMac Studioの選択は、モビリティと固定ワークステーションのパワーのどちらを優先するかという点に集約される。どちらも同じ強力なM4 Maxチップを搭載しているが、その実装方法と用途は大きく異なる。

モビリティとオールインワンソリューションを求めるユーザーには、MacBook Proが最適だ。特に16インチモデルは、大画面と比較的良好な冷却性能を備えており、移動しながらも高負荷の作業を行うプロフェッショナルに最適な選択肢となる。

一方、固定された作業場所で最高のパフォーマンスと拡張性を求めるユーザーには、Mac Studioが明らかに優れている。より効率的な冷却システム、豊富な接続オプション、そして比較的手頃な価格が、プロフェッショナルなワークステーションとしての価値を高めている。

最終的には、あなたの作業スタイルと優先事項に基づいて選択することが重要だ。どちらのデバイスも、Apple Siliconの最新世代の恩恵を最大限に活かした製品であり、それぞれの用途において卓越したパフォーマンスを提供することは間違いない。

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更新日2025年03月11日
執筆者g.O.R.i
コメント(2件)

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  1. g.O.R.i(コメントID:705476)
    コメント先:通りすがりの読者(コメントID:705475)
    Mac StudioにはSDXCカードスロットありますが記載ないですね

    わ、ほんとうだ!ありがとうございます!

  2. 通りすがりの読者(コメントID:705475)

    Mac StudioにはSDXCカードスロットありますが記載ないですね

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