高さ10メートル、重さ1トンの柱が夜空に燃え盛る。伝統的火祭り「松明あかし」を撮ってきた
読み方は「たいまつあかし」。巨大な柱を燃やす、日本三大火祭りの1つ
ぱくたそのカメラマンとして今年11月、福島県須賀川市で430年続く火祭りである「松明あかし」の写真素材を撮ってきた。こおりやま広域観光協議会が運営する「FUKUNAKA+」の協力をいただき、事前に撮影許可を得ている。
松明(たいまつ)あかしは日本三大火祭りの1つとされており、毎年11月の第2土曜日に開催されることが恒例だ。新型コロナウイルスの影響で2020年と2021年は無観客開催、2022年は規模を縮小して復活し、今年は4年ぶりに通常規模で開催された。現地で知り合った地元カメラマンは開催前から「ワクワクしている」と語っていた。
松明あかしはの「松明」とは、市内の各町内会や企業、学校などが作った高さ約10メートル、重さ約1トンにもなる巨大な柱だ。地元の方々が作る様子は以下の動画を見てもらいたい。
点灯前の現地に一足先に訪れると、夕焼けをバックにそびえ立つ30本もの松明が凄まじい存在感を放っていた。
松明のふもとには、多くの青年らが集まっていた。4年ぶりのガチ祭りだ。それは気持ちも高まるに違いない。
「今から一仕事してくるぜ」というオーラに圧倒され、反射的に撮った1枚。熱い。
火を本気で扱うからこそ、消防隊員もフル出動。彼らがいるからこそ、松明あかしも毎年開催できているのだろう。
松明あかしに点火するための御神火は二階堂神社で採火され、火の玉を竹の棒に吊るし翠ヶ丘公園内五老山まで持ち運ぶ「小松明行列」は独特な雰囲気だった。
御神火の奉納が済むと、いよいよ松明あかしの点灯だ。この名誉ある役目を担った彼も、その親や親戚、友人はきっと誇りに思っているだろう。僕だったら一生自慢するな。「コロナ明けの松明あかし、俺が点灯したんだぜ」とか言うんだろうな。
点火者は必ず周囲に向かって雄叫びを上げる。言っている内容までは聞き取れないが、凄まじい熱気が伝わってくる。
点火者は女性も多かった。日本の伝統行事と言えば男性中心に進められる印象が強いが、良い意味で予想外だった。
しっかりと安全面に配慮しながら点火している様子が見て取れるが、それにしても火との距離が近い。
この点火者はお手洗いで偶然遭遇しており、絵に描いたような「お祭り男」という目つきとオーラを放っていた。誰よりも長く松明の上で叫んでいたような気がする。
麓の盛り上がりも留まることを知らない。少し離れた位置から太鼓の音も鳴り響いており、会場は心身ともにヒートアップしていった。
松明明かりが4年ぶりの通常開催ができるのも、参加者全員の安全性が確保されているからこそ。松明あかしを見守る警備員と消防隊員の姿も是非見てもらいたい。
松明あかしの写真は、ぱくたそにフリー写真素材として順次公開される。必要であれば活用してほしい。