Pixel 8aのカメラを夢の国で試す
頼りたかったAIは大勢の前では無力。ハードウェアとしての”真の実力”で勝負
Google Pixel 8aは、昨年のPixel 7aに続くコストパフォーマンスが魅力のPixelシリーズ最新スマートフォン。通常価格が7万円台でありながら最新のGoogle Tensor G3チップを搭載しGeminiアプリをはじめとしたGoogle AI関連機能をサポートする。
Pixel 7aと比べて寸法上のサイズはほとんど変わっていないのにも関わらず、丸みを帯びたデザインを採用したことで格段に持ちやすくなった。片手操作をしたい人にとっては最高のデザイン改良だろう。カラーはAloe、Bay、Porcelain、Obsidianの4色が用意されている。
Pixelシリーズといえば、やはりカメラ。Pixel 8aは昨年と比べてカメラのハードウェアは進化しておらず、集合写真の表情を”交換”できる「ベストテイク」、補正が簡単にできる「編集マジック」、動画内の不要な音を削除できる「音声消しゴムマジック」などのAI機能が追加された。
本記事ではGoogle Japanより先行して提供してもらった端末を使い、週末に東京ディズニーランドへ行った際に片手間で写真を撮った写真を作例として載せておく。参考にしてもらいたい。
片手間で撮影するからこそ真の実力が分かる
これまでもPixelスマートフォンのレビューはカメラを中心とした内容を執筆してきたが、今回はPixel 7aやPixel 8 Proとは違い、写真映えする場所を計画的に選んだ上で撮影したのではなく、小学一年生や未就学児を大勢連れながら片手間で撮影したものとなっている。
写真映えスポットが多数あるはずの夢の国だが、引率している立場は夢よりも現実を生きることに必死だ。必死に生きている中でなんとか撮影した写真ということで理解してもらいたい。
まずは「イッツ・ア・スモールワールド」での写真。スマートフォンに限らず、暗い場所はカメラ全般にとって悪条件。スモールワールド内は暗い上に被写体も撮影者も動いている中で撮影するため、カメラは真の実力が簡単に見破られてしまう。
ブレているものも含まれているが、必要以上に拡大したり、大きく印刷したりしない限り、十分鮮明だろう。6,400万画素の広角レンズをクロップする2倍ズームが利用できる点も、カメラとして使い勝手が良い。
期間限定のフードメニューもあり映えるように撮りたかったが、落ち着くタイミングは皆無。パレード終了直後にママ友が並んでくれたアイスをなんとか撮ることができた。 ƒ/1.89の広角レンズが生み出す自然なボケ味が確認できる1枚だ。
暗くなってくると、夢の国ならではのライトアップした様子が楽しめるようになる。カメラの真の実力が試されるが、撮る側としては楽しくて仕方がない。撮ることに集中できれば、の話だけどね。今回はほとんどの写真を歩きながら撮っているため、スモールワールドと同じように悪条件だ。それでもPixel 8aのカメラは踏ん張ってくれている。
Pixel 8aは不要な映り込みを削除できる機能「消しゴムマジック」に対応する。今回はそれらの機能を試す絶好の機会だったが、消したいものが多すぎるがゆえに、期待どおり編集できた写真はなかった。シンプルな写真で「これさえなければ……」という映り込みを消す分には優秀だが、大勢の人をまとめて消すことはさすがにできなかった。
Pixel 8a カメラレビュー:良くも悪くも驚きナシ
Pixel 8aはPixel 7aと比べて劇的なハードウェアの進化は見られないが、ユーザーが重要視する2つの機能が改善されている。
1つ目はディスプレイ。リフレッシュレートは120Hzまで改良され、輝度は40%明るくなっている。2つ目はバッテリー。バッテリー容量は4,300mAhから4,492mAhまで増えている。eSIMも浸透しつつある世の中だが、Pixel 8aは物理SIM(nanoSIM)を含むデュアルSIM仕様を引き継いでいる。
カメラとしての実力は、良くも悪くもPixel 7aと同じ。撮ろうと思えば十分に良い写真が撮れるが、買い換えることでより優れた写真が撮れることはない。
しかし端末としてはPixel 8aのほうが好きだ。丸みを帯びたことで握りやすく、背面の仕上がりもサラサラしており気持ち良い。昨年のほうが高級感はありそうだが、今年のほうがポップさがあり可愛い。Aloe(グリーン)は数量限定だが、本記事で使用したBay(ブルー)も検討してもらいたい。