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「iOS 9」、正式発表!”ユーザー思い”になったSiriとSpotlight、待望の画面分割マルチタスク、向上したパフォーマンス

IOS 9

本日、「WWDC 2015」でAppleは次期iOSバージョン「iOS 9を正式に発表した!

これまでの通り、パフォーマンスや安定性にフォーカスした内容となっているようだが、個人的な印象としては地味ながら劇的に進化したアップデートであるように感じた。iPhoneにしろiPadにしろ、「iOS 9」に移行してから今まで以上に便利なデバイスになりそうだ。

発表内容は以下の通り:

  • より賢くなったSiri
  • 常に「その先」を見据えて情報を提示する新しいSpotlight
  • ついに登場!iPad向け画面分割マルチタスク機能
  • ハイライトが簡単に!QuickTypeの機能改善
  • 「Passbook」は「Wallet」に変更
  • 乗換案内機能に対応したマップアプリ
  • チェックリストや手書きメモに対応したメモアプリ
  • 新たに登場した「News」アプリ
  • 電池持ちの改善、OSの容量も軽量化、パフォーマンスが向上

続きにそれぞれまとめたので、参考にどうぞ!

より賢くなったSiri

Siri

知らないうちにSiriが随分と賢くなっていた。Apple Watchを付けるようになってからSiriが発表された当初に比べて格段に精度が上がっているということは実感していたが、「iOS 9」ではそれがさらに一歩先へ進んだ。

例えばSiriに特定の時期に撮影した写真を表示するよう指示すると、写真アプリを開き、該当する写真を表示してくれる。
Siri and Photos

アプリとの連携も強化され、Siriを活用する場面が増えている。例えば現在Safariで見ているウェブサイトを帰宅時に通知したい場合、Safariの画面からSiriを立ち上げることによって自分が見ていたウェブサイトを通知するよう、リマインダーに登録されるのだ。手間が省けて非常に便利だ。
Reminder and Siri

常に「その先」を見据えて情報を提示する新しいSpotlight

さらに今回劇的に便利になったのはSpotlightだろう。

以前のにもあった通り、新しいSpotlightは「proactive」ーーつまり、ユーザーの日頃の行動を元に趣味嗜好を分析し、先のことを考える必要な情報を必要なタイミングで提示してくれるようになった

発表のデモではその瞬間のユーザーの行動にそった情報がサジェストされていた。例えば、朝なので食事や飲み物のスポットが優先的に表示され、その時間帯によく見ているTwitterやInstagramがアプリとして表示されている。現在地をもとに近辺で話題のニュースも候補として表示される。
Spotlight Proactive

新しいSpotlightがあればブラウザいらずだ。天気と入力すれば近辺の天気が、気になる野球チーム名を入力すれば現在の試合結果が表示される。
IOS9 Spotlight

強化されたSpotlightはシステム全体で活かされる。例えば新規メールを作成中にとある2名の連絡先を入れた場合、この2名と一緒に宛先に入れることが多い3名が下に候補として表示されている。
Mail

登録した予定に対し、いつまでに出掛けるべきなのかも通知してくれる。
Calendar Reminder

個人的に助かるのは自分が聴きたい音楽を事前に理解し、再生してくれるということ。例えば自分の車に乗った時にいつも再生しているプレイリストがあれば、新しいSpotlightのお陰で繋げた瞬間にプレイリストが特定され再生開始される。
Automatically Play Favorite Music

他にもメールにある予定を自動的にカレンダーに追加したり、電話番号を連絡先に登録していないが頻繁にメールでやり取りしている人が署名欄に名前を入れている場合は名前を予想して表示してくれる。ユーザーの「ざっくり」や「うろ覚え」を全て補完してくれるのが、新しいSpotlightだ。

ついに登場!iPad向け画面分割マルチタスク機能

iOS 8」でリリースされると言われていたiPadの画面分割マルチタスク機能だが、本日、「iOS 9」の一部としてついに発表された!

画面分割マルチタスク機能の前に、マルチタスクそのもののUIも若干変更された。これまでは平らに横並びでアプリが表示されていたが、今回は斜めかつ立体的に並んでいる。Windows Vistaのマルチタスク機能を彷彿させるが、そこは一旦目を瞑っておこう。
App Multitask

「Slide Over」

Slide Over

まず追加されたのは「Slide Over」と呼ばれる画面分割マルチタスク機能。2つのアプリを横並びで表示させることができる。この状態でも左右のマルチタスクバーを表示させ、アプリを切り替えることができる。ちなみに、右側にある画面はiPhone用のレイアウトをそのまま表示する仕組みとなっているため、対応しているデベロッパーは手間掛けずに「Slide Over」に対応することができる。

なお、「Slide Over」は「iPad Air」「iPad Air 2」「iPad mini 2」「iPad mini 3」で利用できる。

「Split View」

Split View

Split View」は「iPad Air 2」限定の機能。2つのアプリを横並びで表示させることができる。最もスペックの高いiPad限定にしたということはそれなりのハードウェア性能が求められる機能だということなのだろうか。

「Picture in Picture」

Picture in Picture

YouTube動画を見ながらメールが掛けたらどれほど便利か。マルチタスクには対応したもののマルチウィンドウには対応しなかったiPadだが、ついに「Picture in Picture」機能によって実現された。動画を離れることなく、メールを見たり、Facebookを開いたりすることができるようになる。

外付けキーボードの使い勝手も改善

App Switching

iPadに外付けキーボードを付けて使っている人に朗報だ。「iOS 9」では物理キーボードとの連携を強化し、アプリの切り替えなどのショートカットが用意される。iPadの使い勝手がOS Xに近づいたようにも感じる。

ハイライトが簡単に!QuickTypeの機能改善

Quicktype

iPadユーザーは「iOS 9」にすることによってテキストの選択が非常に捗るようになる。キーボードを含む画面上のどこでも2本指で触ることによって選択モードに切り替わり、テキストのハイライトや編集が簡単になる。

「Passbook」は「Wallet」に変更

Wallet

日本ではサービスが提供されていないが、今回も多数の銀行やクレジットカード、店舗名が並べられ、順調にサービスが拡大されていることを伺わせた。それに伴い、これまで「Passbook」と呼ばれていたアプリが「Wallet」としてリニューアルされている。

また、これまでアメリカ限定だった「Apple Pay」だが、イギリスでもサービスを提供開始することが発表。
England

併せて、決済サービスSquareも「Apple Pay」対応リーダーを提供すると発表された。
Apple Pay Square

乗換案内機能に対応したマップアプリ

Maps

他の地図アプリにあってApple純正のマップアプリにはない機能、それは乗換案内機能。今回、「iOS 9」にようやく同機能が追加されることが発表された。Appleは発表の中で各都市の駅にある出口を調べ、電車からその出口に至るまでの時間を正確に計算できることをアピールしていた。
Transit

残念ながら国内では利用できない。利用できる主な都市は以下の通り。
Places

最近Appleが力を入れている中国は多数の都市が対応しているようだ。
Places in China

チェックリストや手書きメモに対応したメモアプリ

Notes

毎回地味にアップデートされ、地味に便利になってきている純正メモアプリ。「iOS 9」に含まれるアプリではチェックリストを作成することができるようになった。
Checklist

さらに手書きメモも入力することが可能。ササッとメモる時に重宝しそうな機能だ。
Drawing

他にも共有シートに対応しているため、ブラウザで気になるページを見つけた場合、直接メモアプリに保存するよう指定することができる。
ShareList

新たに登場した「News」アプリ

News

「WWDC 2015」直前ににもなっていたが、Appleは「NewsStand」の代わりに新たに「News」というアプリを「iOS 9」とともに発表した。個人的な感想としてはFlipboardに限りなく近いという印象を受けたが、概ね間違ってはいないと思っている。多数のニュースメディアからの最新情報をユーザーの元に見やすくキュレーションするアプリだ。
News iPhone iPad

RSSをそのまま配信することもできるようだが、Newsの恩恵を受けるためには「Apple News format」と呼ばれるフォーマットに併せて配信することを推奨している。
News

写真が複数枚ある場合はスワイプで切り替え、気になる写真をタップすれば拡大される。もちろんピンチしてズームイン・ズームアウトにも対応。動画の再生やGIFアニメの表示も可能となっている。

残念ながらまずはアメリカ、イギリス、オーストラリアの3カ国でのリリースとなる。日本はいつになるのだろう。

電池持ちの改善、OSの容量も軽量化、パフォーマンスが向上

New in iOS9

予想以上に新機能が盛り沢山だった「iOS 9」だが、通りパフォーマンスの向上は期待できそうだ。

iOS 9」によって電池持ちが1時間長くなるとのこと。さらに「Low Power Mode(低消費電力モード)」が用意され、これを有効化するとさらに3時間も電池持ちを伸ばすことができるそうだ。

OSの容量も劇的に軽くなった。「iOS 8」は4.58GBもあり16GBモデルを持つユーザーはアップデートを見送る他選択肢がないという人もいたようだが、「iOS 9」はたった1.3GB。なんと3割以下の容量まで軽くすることに成功したようだ。

パフォーマンスも向上している。Metalを活用し、CPUとGPUの能力を最大限引き出せるようにした結果、スクロールが高速化され、アニメーションがより滑らかに、全体のパフォーマンスが向上しているとのこと。メールやメッセージ、ウェブページやPDFなどのレンダリング速度も向上している。

ベータ版のリリースは本日から、正式リリースは今秋

IOS 9 Release

iOS 9」は本日からデベロッパー向けにベータ版が配布開始されている。また、これまでOS Xでは実施してきたが、「iOS 9」のパブリックベータ版も7月に配布開始することを発表。

正式リリースは今秋になると発表。具体的な日程は明らかになっていないが、過去の事例からして次期iPhoneと同時期になる可能性が高い。

IOS 9 Release

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特集
公開情報
更新日2020年05月15日
執筆者g.O.R.i
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