iCloud+とは?”VPNキラー”サービス、メルアド非公開機能など
iCloudの有料サブスクリプション契約者は今秋、サービスが自動的に改良される
Appleは、iOS 15とともにiCloudの新サービス「iCloud+」(アイクラウドプラス)を発表した。iCloud+は、プレミア機能が追加されたiCloudのサブスクリプションを意味しており、既存の契約者は今秋、自動的にアップグレードされる。
すべてのiCloud+プランは、同じファミリー共有グループのメンバーで共有可能。参加している家族全員が、新しい機能を利用できる。
使用できる機能は以下のとおり。
iCloud+で提供される新機能
メールを非公開
「メールを非公開」(Hide My Email)は、名前のとおりメールアドレスを非表示にしてくれる機能。Sign in with Appleの機能を拡張したものであり、メールアドレスを公開したくないときにランダムなメールアドレスを作成できる。デフォルトでSafari、iCloud設定、メールに組み込まれている。
「メールを非公開」は、メールマガジンの購読用アドレスやサービス利用開始用のユーザー名として利用できる。
作成したメールアドレスは自身のiCloudアカウントに転送される仕組みとなっており、自由にメールアドレスの作成および削除が可能だ。
iCloud Private Relay
「iCloud Private Relay」は、デバイスと表示するウェブサイトのサーバーの間におけるブラウジング履歴の追跡を不可能にするプライバシー機能だ。Appleやインターネットサービスプロバイダーも、アクセスできない。
iCloud+契約者であれば自動的に有効化され、既存のVPNサービスとも併用可能。利用できるブラウザはSafariのみ。ChromeやFirefoxなどのサードパーティ製ブラウザでは対応しない。
iCloud Private Relayの仕組み、VPNとの違い
VPN(バーチャルプライベートネットワーク)サービスと似ており、一部では”VPNキラー”と呼ばれている。Appleのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイス プレジデントCraig Federighi氏はFast Companyとのインタビューで違いを説明。従来のVPNサービスは、アクセスしたいウェブサイトとユーザーのIPアドレスを暗号化してくれるが、VPN事業者にはいずれも分かってしまうという。
iCloud Private Relayでは、まずユーザーのIPアドレスと暗号化されたウェブサイトのURLがAppleに送信される。次AppleがユーザーのIPアドレスを暗号化し、暗号化されたURLとともに提携コンテンツプロバイダーのリレーステーションへ送信。最後にリレーステーションで復号し、ユーザーは目的のウェブサイトが閲覧できる。
AppleはユーザーのIPアドレス、提携コンテンツプロバイダーはユーザーのアクセスしたいURLを把握しているが、VPNと異なり両方を把握している事業者が存在せず、ユーザーデータの悪用リスクが低減される。
HomeKitセキュアビデオ
以前から提供されていた「HomeKitセキュアビデオ」は、iCloud+で機能が拡張される。2TBプランであれば無制限のカメラ台数を接続でき、ホームセキュリティカメラのビデオ映像をストレージ容量の制限を受けずにエンドツーエンド暗号化して保存される。
カスタムメールドメイン
iCloudのメールアドレスを、独自のメールドメインに変更できる。家族メンバーを追加することも可能だ。
iCloud+の料金プラン
iCloud+の料金は、iCloudから据え置き。iCloudストレージ容量別の月額費用、HomeKitセキュアビデオカメラの接続台数は以下のとおり。
ストレージ容量 | 料金 | HomeKitセキュアビデオカメラ |
---|---|---|
50GB | 月額130円 | 1台 |
200GB | 月額400円 | 5台まで |
2TB | 月額1,300円 | 台数無制限 |
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従来のiCloudとしてサービスは提供されるみたいな発表は見かけないので、おそらくそうだと思います!
Apple One付属のiCloudも+化するんですかね?