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「iOS 7」に隠された真の力! 圏外でもP2P接続をデバイス間でリレーしてユーザーを繋げる「Wireless Mesh Networking」が世界を変える

Firechat screenshot

iOS 7」には世界を変えることができるであろう機能が含まれていることを意外と知られていない。僕自身もつい最近まで知らなかった。

iOS 7」から「Multipeer Connectivity Framework」と言われるフレームワークが実装されている。これはインターネット接続がない状況でもユーザー同士をWi-FiやBluetoothを介してメッセージを送り合ったり写真を送受信することができる機能。これだけでも十分便利そうだが、このフレームワークの凄さは、2台のデバイスが互いのWi-FiやBluetoothシグナルが届く範囲内にいなくても、範囲内にいる別のデバイスを介してデバイス間のP2P(ピアー・ツー・ピアー)接続をリレーのように連鎖して繋げることができる。つまり、離れたデバイス同士が圏外であったとしても、他のデバイスを飛び石として利用して通信することができるのだ!

一般的には「Wireless Mesh Networking」と呼ばれているとのこと。この先、デバイス間のモバイル通信における常識をひっくり返す可能性を秘めた、とんでもない機能である。

ネットが接続できない環境でもメッセージのやり取りを可能に

ネットが接続できない環境でもコミュニケーションを取ることができる ー 「Wireless Mesh Networking」には無限の可能性がある。機能の紹介だけでは分かりづらいかもしれないので、具体的な例で説明しておく。

夏になると盛んに行われるライブ・フェスでは人で溢れているため、多くの場合ネットが繋がりづらく、別行動を取っていた友人となかなか連絡が取れないということはないだろうか。「Wireless Mesh Networking」を利用すればネットへの接続は必要せず友人にメッセージを送ることができる。

電波が届かない森や山の中でも、通信したいデバイス同士が離れていたとしても通信をリレーしてくれるデバイスが途中にあればやり取りができる。通信が途切れがちな山奥でも連絡手段が絶たれることがなくなる。

この機能が役立つのはネットが繋がりづらい地域や場所に限った話ではない。子どもと連絡が取り合えるようにしたいがスマートフォンを持たせるのは不安という親は、子どもに3G通信機能のないiPod touchを持たせ、「Multipeer Connectivity Framework」を利用したアプリを使って連絡することもできる。

通信費が定額ではない海外では、若者同士がテキストメッセージ代金を抑えるために「Wireless Mesh Networking」を利用して無料でチャットできる。当然、通信をリレーするので近所の友達や知り合いの助けが必要になるが、通信費を気にせずやり取りできるというのは、若者にとって大きな魅力だろう。

セキュリティ面においても安心できる。というのも、そもそもインタネットに接続していないで通信をするためハッキングすることは極めて難しい。さらに、P2P接続をランダムでリレーするため、ユーザーの特定は不可能もしくは極めて困難と言える。

よって、ネットワークインフラが安定していない地域では、「Wireless Mesh Networking」はユーザー同士のコミュニケーション手段として今後活用される可能性は非常に高い。

「Multipeer Connectivity Framework」を実装したアプリも登場

まだほとんどの人が気付いていない「Multipeer Connectivity Framework」だが、これを初めて実装したアプリ「FireChat」が数日前にApp Storeに公開されている。

まだ利用者数が周りにおらず、圏外状態で通信できるかどうかは試すことはできていないが、「FireChat」のように「Wireless Mesh Networking」を利用したアプリは今後注目されるべき分野であり、「Multipeer Connectivity Framework」を実装するコミュニケーションアプリは増えそうな予感。

新しいビジネスチャンスとなりそうな「iOS 7」の新しいフレームワーク。最終的にはキャリアが完全に不要になる域にまで達するのだろうか。対応アプリが増えることに期待したい!

(via Cult Of Mac

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公開情報
更新日2014年03月26日
執筆者g.O.R.i
コメント(3件)

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  1. X(コメントID:53745)

    このアプリ、ネットに繋がっていなくても通信は出来るようですが、ネットに繋がっている環境では端末の利用状況を収集してあちこち送信するようです。まあ、作る方も慈善事業じゃないから純粋にMultipeer Connectivity Framework技術だけを使ったアプリはあまり期待できませんね。

  2. pazoo(コメントID:5552)

    「Multipeer Connectivity Framework」に非常に興味がわきました。
    ところで、アプリがまだひとつのみとのことですが、肝心のApple「メッセージ」は対応していないんでしょうか。対応していないとなると??です。

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