「iPhone 17のeSIMオンリー、本当に大丈夫ですか?」故障や移行など、Appleに全部聞いてみた
Apple幹部への直撃取材:バッテリー39時間駆動、超薄型iPhone Air実現の裏側とユーザーの懸念への回答
先日、僕が「eSIM化によって電池持ちが2時間も増えるなら多くの人が大歓迎」という趣旨のツイートをしたところ、想像以上に多くの意見が集まった。「故障したときどうするの?」「手数料が心配」「SIMカードを頻繁に入れ替えるのに不便」など、eSIMオンリーへの移行に対する不安の声が相次いだ。
そこで今回、AppleのiPhone Product Marketing担当ディレクターのFrancesca Sweet氏と、Wireless Software Technologies and Ecosystems担当副社長のArun Mathias氏に直接取材する機会を得た。iPhone 17シリーズがeSIMオンリーになることで生じる様々な懸念について、Appleはどのような対策を用意しているのだろうか。
目次
物理SIMスロット廃止で得られるメリット
iPhone 17シリーズがeSIMオンリーになることで、最も大きな変化は内部スペースの有効活用だ。物理SIMスロットを取り除くことで確保されたスペースは、バッテリー容量の増加とデザインの革新に直結している。
iPhone 17 Proでは、従来モデルと比較してバッテリー容量が大幅に向上し、ビデオ再生時間が2時間延長されて最大39時間のビデオ再生が可能になった。一方、新たに登場するiPhone Airは、信じられないほど薄く軽量なフォームファクタを実現している。
物理的な制約から解放されることで、Appleのエンジニアたちが本来やりたかったデザインが実現できるようになったのだろう。SIMカードトレイを引き出すあの作業も、もはや過去のものとなる。
eSIMクイック転送が解決する移行の不安
eSIMオンリーへの移行で多くのユーザーが抱く不安は、「機種変更時の手続きが面倒になるのでは」という点だろう。しかしAppleが用意したeSIMクイック転送機能は、この懸念を払拭してくれる。
現在のiPhoneから新しいiPhoneへ電話番号を転送する際、キャリアへの連絡は一切不要だ。世界150以上のキャリアがこの機能をサポートしており、日本の主要4キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)もすべて対応している。
特に注目したいのは、iOS 26で追加された複数eSIMの一括転送機能だ。複数の電話番号を使い分けているユーザーにとって、一度に全てのeSIMを新しいデバイスに移行できるのは大きなメリットといえる。
日本では、ユーザーが自分でeSIM転送を行う場合、料金は発生しない。3,000円程度の手数料が発生するのは、店舗でサポートを受ける場合がほとんどだという点も安心材料だ。
日本国内キャリアのeSIM対応と料金体系
本日のiPhone 17発売を控え、日本国内キャリアのeSIM対応状況を整理しておきたい。主要4キャリアはすべてeSIMクイック転送に対応しており、手続きも以前よりシンプルになっている。
ドコモグループ(ドコモ、ahamo、irumo)では、iPhone 11以降でeSIMクイック転送が利用可能。KDDI(au、UQ mobile、povo)とソフトバンクグループ(SoftBank、ワイモバイル、LINEMO)では、iPhone XSシリーズ以降が対象となっている。
料金面では、オンライン手続きなら手数料無料のキャリアが多い。楽天モバイルはeSIM交換・再発行が完全無料で、他の大手キャリアも基本的にはオンライン手続きで無料化を進めている。店頭でのサポートを伴う場合は3,000円から4,000円程度の手数料が発生するのが一般的だ。
一方、格安SIM(MVNO)では対応状況にバラつきがある。IIJmioはeSIMクイック転送に対応していないため、eSIMプロファイルの再発行が必要となる。mineoや日本通信SIMなど、eSIMの発行・再発行に対応しているMVNOも増えているが、事前に確認しておきたい。
海外旅行でのeSIM活用が劇的に便利に
eSIMの真価が最も発揮されるのは、間違いなく海外旅行時だろう。8つ以上のeSIMをiPhoneに保存でき、滞在場所に応じて簡単に切り替えられる柔軟性は、物理SIMでは実現不可能だった体験だ。
現在、世界中で200以上の現地キャリアがプリペイドプランを提供しており、多くの場合は現地の電話番号も利用できる。AeroやBetter Roamingなどのグローバルサービスプロバイダも、データ専用パッケージを豊富に用意している。
iOS 26では旅行eSIM管理機能がさらに進化した。出発前に購入した旅行用eSIMは、到着時にiPhoneが自動的にオンにするよう促してくれる。帰国時には旅行用eSIMを自動でオフにし、自宅の回線をデフォルト設定に戻す仕組みも用意されている。
旅行中に自宅用SIMをオフにした場合でも、追加料金なしでFaceTimeとiMessageを自宅の電話番号で引き続き利用できる点も見逃せない。
故障時の復旧もeSIMなら柔軟に対応
日本のユーザーが最も心配している「端末故障時のeSIM復旧」についても、Appleは対応策を講じている。iPhoneが故障、紛失、盗難にあった場合、ユーザーはキャリアに連絡する必要があるが、キャリア側の復旧作業は物理SIMより柔軟な復旧支援が可能だという。
本人確認後、eSIMキャリアアクティベーションの仕組みを利用して新しいiPhoneにeSIMを割り当て直せるため、物理SIMの再発行よりもスムーズな復旧が期待できる。
実は今回手元にあるiPhone Airは、検証用としてソフトバンクのeSIMが配布されている。自宅にいながら勝手に配布され、通知を開きボタンを1つタップしただけでアクティベーションが完了。わずか数分間でモバイル通信が可能になった。
実は3年前に「旧端末の物理SIMカード情報をiPhone 14 Proに転送したら、勝手にeSIMになっていた」という記事を書いており、半ば強制的にeSIMに移行したわけだが、その際も大きなトラブルなく切り替わっている。
魔法のような体験として紹介されているeSIMキャリアアクティベーションは、キャリアがデバイスにeSIMを設定すると、ユーザーが新しいiPhoneのセットアップを開始した際に自動的にeSIMを検出・インストールしてくれる機能だ。
eSIM利用時の注意点と対策
eSIM移行に際して、いくつか注意しておきたい点がある。最も重要なのは、eSIMプロファイルは絶対に削除しないことだ。誤って削除した場合、通信ができなくなり、プロファイルの再ダウンロードもできなくなってしまう。
多くの事業者がSMS認証を採用しているため、回線が開通していない状態でeSIMを削除してしまうと、認証コードを受け取れなくなり手詰まりになる恐れがある。発売直後は混雑が予想されるため、特に慎重に扱いたい。
また、eSIMのアクティベーションには安定したWi-Fi環境が必須だ。eSIMクイック転送もキャリアと通信しながら転送するため、Wi-Fi環境での作業を推奨する。
セキュリティ面でも物理SIMを上回る
eSIMはセキュリティ面でも優れた特性を持っている。特に旅行中にそのメリットが顕著になるという。キャリアは最新技術(最新世代の5Gやセキュリティ機能)をeSIMに割り当てることができるため、常に最適なネットワーク機能を利用できる環境が整う。
QRコードやキャリアのリンク、アプリ経由でのアクティベーションなど、複数の設定方法が用意されている点も、ユーザーの利便性を考慮した設計といえるだろう。
iPhone 17シリーズのeSIMオンリー化は、単なる技術的進歩ではなく、利便性、シームレスな体験、セキュリティ、柔軟性を最大限に引き出すためのAppleの戦略的な決断だ。初めは戸惑うかもしれないが、一度体験すれば物理SIMには戻れなくなるかもしれない。
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言うて日本でSIMロックかかった状態で売られたiPhoneって
キャリア版でiPhone7とかよ?
やばい、目次書いたときにヘンなところでコピペしたんだ……教えていただいてありがとうございます、マジで全く気付かなかった………今修正しました!
「物理SIMスロット廃止で得られるメリット」の項がダブってるような
やっぱりドコモがやらかしましたね!
嫌な予感したから先に物理SIMからeSIMに移行したのにクイック転送が出来ない!
まじでドコモダメダメですわ
昨日14 Pro内で物理SIMからeSIMに移行したんですけどマジ簡単ですもんね
Apple Payで決済するぐらいの手間しかかかりませんでした
個人的には、SIMロックがされているiPhoneの場合、予めSIMロック解除をしておかなければならないのが盲点に感じました。
また、操作や表示ができないほど壊れてしまった場合は、送られてきたQRコードを新品のiPhoneで読み取って復旧するようですね。
そのため、パソコンなどを持っていない人はショップに行く必要があると思われます。