封印された初代iPodが価格100倍で落札。オークション史上最高額を更新

封印された初代iPodが約580万円で落札されて話題になっている。MacRumorsによると、RRオークションで今月実施された競売にて、未開封状態の第1世代iPodが40,264ドル（約580万円）という驚異的な価格で落札されたという。

これまでのiPod落札価格の記録は2023年の29,000ドルだったが、今回はそれを大幅に上回る結果となった。なお、今回の価格にはRRオークションが設定する25%の手数料が含まれている。

「ポケットに1,000曲」を掲げたApple復活の象徴

初代iPodは2001年10月にスティーブ・ジョブズが発表したデバイスで、米国での販売価格は399ドルだった。1990年代後半に経営危機に瀕していたAppleが再び成功を収めるきっかけとなった製品としても知られている。

ここで、発表時のプレゼンテーション映像を見てみよう。個人的に衝撃的だったのは、新製品発表直後は当たり前のように拍手喝采となる今と違い、当時は「iPod」と紹介された直後、誰1人として反応しない。そういう時代もあったのだ。

ジョブズは発表当時、iPodを「ポケットに1,000曲」というキャッチフレーズで紹介し、実際に自身のポケットからデバイスを取り出してみせるという印象的なプレゼンテーションを行った。「iPodによって、Appleはポータブル音楽プレイヤーという全く新しいカテゴリを発明した。音楽コレクション全体をポケットに入れて、どこでも聴くことができる」と彼は語っていた。

ついでにiPodのCMをチェックしよう。

5GBハードドライブと20分のスキップ保護機能

初代iPodのパッケージには、当時としては革新的だった以下の機能が記載されている。

• 5GBハードドライブにCD品質で1,000曲以上を保存
• リチウムポリマーバッテリーで最大10時間の連続再生
• 重量6.5オンス（約184g）、厚さ0.78インチ（約20mm）の超ポータブル設計
• MacのiTunesと音楽・プレイリストを自動同期
• 片手操作を可能にする独自のスクロールホイール
• MP3、WAV、AIFF形式に対応
• 最大20分のスキップ保護機能
• 高解像度バックライト液晶ディスプレイ
• iPod本体、Apple製イヤホン、FireWireケーブル、ACアダプタが付属

興味深いのは、現在では考えられない「20分のスキップ保護機能」が搭載されていたことだ。これは、ハードドライブを使用していた当時のポータブルデバイスならではの機能といえる。

同じオークションでは、希少な4GB版の初代iPhoneも81,989ドルで落札されている。こちらは2007年の発売時に499ドルで販売されていたモデルで、一般的な8GB版よりも珍しいバージョンだ。