iPhone Lightning→USB-C化ケース爆誕。制作者は「iPhone X魔改造エンジニア」

LightningポートのiPhoneがUSB-Cに対応する画期的なケースが登場した。2021年に世界初のUSB-C改造iPhoneを作成したエンジニアのKen Pillonel氏が、従来のiPhoneをUSB-C対応に変身させる専用ケースを商品化し、7月23日より販売を開始している。

この「OBSOLESS」ブランドのケースは、iPhone XRからiPhone 14シリーズまでの20機種のLightning対応iPhoneに装着可能で、価格は45～55ドル（約6,500～8,000円）となっている。ケースを装着するだけでUSB-Cポートが利用できるため、内部改造や特別な技術は一切不要だ。

MagSafe対応で急速充電もサポート

Pillonel氏が開発したこのケースは、単なるポート変換にとどまらない高機能な仕上がりとなっている。9V急速充電、データ転送、CarPlay、MagSafe充電をすべてサポートし、2021年の初回改造では向きを気にする必要があった急速充電も、今回はケーブルの向きに関係なく利用可能になった。

MagSafeにも対応、予備のSIMカード収納ポケットも完備

ただし、Appleが独自の制限を設けているため、一部機能には制約がある。Pillonel氏は「急速充電、コンピュータとのデータ転送、CarPlayは保証するが、それ以外の機能は公式サポート外となる」と説明している。

計画的陳腐化への挑戦

この製品の背景には、計画的陳腐化への反発という明確な目的がある。Pillonel氏は「古いデバイスに新たな生命を与え、陳腐化を感じさせないようにすることが目標だ」と語り、iPhone買い替えの理由を1つでも減らしたいとの思いを込めている。

実用的な工夫も随所に見られ、海外旅行時に便利な予備SIMカード収納スロットやストラップ用のランヤード取り付け部も搭載している。現在はダークグレーのみの展開だが、9月にはより多くのカラーオプションが追加される予定だ。

USB-Cが標準となった現在、MacやiPad、さらには任天堂SwitchまでもがUSB-Cを採用する中で、古いiPhoneだけがLightningポートに取り残される状況が続いている。このケースは、そんなユーザーの悩みを解決する革新的なソリューションと言えるだろう。

Pillonel氏は過去にもAirPodsやAirPods MaxをUSB-C化する改造で注目を集めており、今回のiPhoneケースも彼の技術力の集大成となっている。ケーブル1本ですべてのデバイスを充電したいユーザーにとって、これほど魅力的な製品はないかもしれない。

（Source: The Verge）