【WWDC2011】iCloudは従来のMobileMeを大幅に拡張、アプリも写真も音楽も同期可能
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WWDC 2011の目玉となっていたのはAppleのクラウドサービス、iCloud。とにかく使い勝手の悪いMobileMeを大幅に改善し、iOSデバイスにインストールされている殆んどのデータを同期することができるサービスに生まれ変わった。主な特徴は以下の通り。
同期出来るデータの種類が大幅に増えた
冒頭にも書いた通り、今までのMobileMeはせいぜいアドレス帳とカレンダーの同期が出来てメールアドレスが付与されて年に99ドルも取られるというボッタクリサービスだったのだが、iCloudでは今まで通り同期していたデータに加え、新たにアプリや電子書籍、写真や音楽も同期出来るようになった。ただ、容量の関係もあり、新たに同期が出来るようになったデータは基本的に無線経由に限定される。
3G回線でも同期出来るデータ一覧
- アドレス帳
- カレンダー
- ブックマーク(明記されていないが、恐らく)
無線経由限定で同期出来るデータ一覧
- アプリ
- アプリデータ
- iBooks
- 端末の設定
- 写真と動画
- 音楽
アプリやiBooksが同期出来ることによって、自分が過去にダウンロードしたアプリや本を管理することも可能になった。いらないと思って消した有料アプリを再度ダウンロードしたい時に、ダウンロード履歴として一覧で見れるのは便利かもしれない。
Documents in the CloudとiCloud Storage API
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アプリからクラウド上にドキュメント等のデータを自動保存するDocuments in the Cloud、そしてそれを開発者が利用出来るようするiCloud Storage APIも公開された。複数のユーザーが一つのドキュメントを編集し同期することが出来るのが特徴。イメージとしてはGoogle DocsのApple版と思って貰えればいいだろう。
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現状ではAppleが提供するPages、Numbers、Keynoteのみが対応を発表しているが、開発者向けにAPIが公開されるのでリリース時にはもっと増えているかもしれない。Dropbox、いらなくなるかも。
Photo Stream
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今後新たに同期出来る情報として写真と動画があったと思うが、これはiOSデバイスで撮影した写真や動画が自動的にiCloudにアップロードされる。iCloudの一サービスではるが、写真と動画の同期についてはPhoto Streamという名前がつけられている。
特徴は、無線につなぐと自動的にPhoto Streamへの写真・動画のアップロードが始まり、最大1000枚の写真が最大30日間クラウド上に保存される。サービスそのものは無料、容量は無制限だが、枚数と保存期間の制限が付いている。MacでもPCでも利用でき、無線につながっていればそれぞれのローカルには無限に保存されるので、Photo Streamの役割はiOSデバイスで撮影した写真を一時的に預かってくれるサービスだと思われる。Eye-FiがiOSに組み込まれたようなイメージに近い。
iTunes in the Cloud
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iTunes in the CloudはiTunesで購入した曲を複数のデバイス(最大10台まで)で共有出来るサービス。アプリ同様に、iTunesで購入した曲一覧を管理することができるようになっているので、今までのように複数の端末を都度iPodケーブルで差し替える必要もなく、ダウンロードしたものは自動的に同じユーザーの別端末に届けられる。
上記はiTunesで購入した曲限定だが、one more thingとして発表された「iTunes Match」を利用すれば、手元のiTunesライブラリにある曲をiTunesストア内の楽曲1800万曲と照合してDRM無しの256KbpsのAACファイルをiTunes in the Cloud同様に共有することが可能になる。基本的にiCloudのサービスは無料で提供されているが、iTunes Matchは年間24.99ドルの有料サービスとなっている。それでもMobileMeの4分の1の値段なので、大した金額ではない。
iCloudの利用料金は無料。利用出来る容量は5GBで写真・動画と音楽についてこれに含まれない。iOS 5と同じ今年の秋にリリースされる予定。