AirPods Pro 2の補聴器機能、FDA認証取得→補聴器メーカー各社の株価が低下
AirPods Pro 2はヒアリング関連機能が大幅に強化
米食品医薬品局(FDA)は現地時間9月12日、AppleのAirPods Pro(第2世代)に新たに実装された「ヒアリング補助」機能を認可したと発表した。
AirPods Proは最新のアップデートで予防、認知、補助の3分野において聴覚の健康をサポートする新機能を実装。予防としては、大きな音の低減機能が実装され、認知としては、5分間で完了するヒアリングチェック機能によって、それぞれの耳の難聴の度合いを示す数値、分類、推奨事項を含む検査結果が確認できる。
補助は、ヒアリングチェックによるパーソナルプロファイルを活用したAirPods Proを臨床レベルのヒアリング補助機能。軽度から中程度の難聴が認められる人に向けられた機能となっており、処方箋不要。ユーザーの聴覚に関するパーソナルプロファイルは、そのユーザーのすべてのデバイスで音楽、映画、ゲーム、通話に自動的に適用され、設定を調整する必要はない。
FDA医療機器・放射線保健センターの代理所長を務めるMichelle Tarver医科学博士は、以下のコメントを発表している。
本日、広く使われている消費者向けオーディオ製品に搭載された市販の補聴器ソフトウェアが承認されたことは、軽度から中等度の聴覚障害を感じている成人に対する補聴サポートの利用可能性、アクセスしやすさ、受け入れやすさを向上させるもう一つの一歩です。
ユーザーにとっては嬉しい進化である一方で、補聴器メーカーにとっては逆風だ。Seeking Alphaによると、主要ブランドであるAmplifon、Demant、GN Store Nord、Sonova Holdingなどの株価は桁並み下がっていると報じられている。
その理由は、価格だ。リケン補聴器センターによると、補聴器は「最も低い価格帯は片耳50,000〜100,000円程度」としており、いわゆる既製品が該当する。しかし既成品は一人ひとりの聞こえに合わせた調整ができないため、10万〜20万円の価格帯を持つ製品を推奨している。
AirPods Proは国内でも4万円以下で購入でき、ユーザー自身の状況に応じて最適化してくれる。補聴器を置き換える存在になるかは不明だが、予算を抑えたい難聴者にとって新たな選択肢が追加されることは朗報だろう。