Bose QuietComfort 35 レビュー
2016年6月24日(金)にBose初となるBluetooth接続のワイヤレスヘッドホン「QuietComfort 35」を発売した。価格は39,960円。4万円もする高級ヘッドホンだが、発表直後にBoseファンの間で話題になっていた。
僕は出先で音楽を聴くときは「Parrot Zik 3」と「JBL EVEREST 300」をその日の気分や服装に合わせて使い分けていたので特に購入する必要はなかったが、Bose初のワイヤレスヘッドホンということで興味が沸いてしまい、気付いたら予約購入していた。ナンテコッタイ!
めでたく発売日に手元に送られてきたので、「Bose QuietComfort 35」本体の外観や1日使ってみた簡単な感想をまとめて紹介する!
「QuietComfort 35」のハードケースをチェック
箱を開けて最初に出てきたのはこのハードケース。昨日友人に見せたところ開口一言目が「でかい……」だったので人によってはコンパクト性に欠けるという印象もあるようだが、個人的にはヘッドホンでこのケースに収まるのは十分コンパクトだと感じる。
そもそもハードケースが用意されていることが良い。僕はこれまで何度もヘッドホンをカバンの中に放り込んでは傷つけたり断線したり一部パーツを失ったりしているので、ハードケースが同梱されているのはポイントが高い。
ヘッドホンを入れる反対側には小さめのポケットが用意されている。ここに有線接続用のコードや充電用のMicro USBケーブルなどを入れておくことができる。薄型のモバイルバッテリーであれば万が一電池切れが起きた時のために困らないかもしれない。
一応ケースの表側にも紙数枚が挟めそうなポケットがある。飛行機に乗るときに搭乗券などを挿しておいたら便利そう。
飛行機といえば、Boseのノイズキャンセリング技術は飛行機業界でも使われているとのことで、飛行機用のヘッドホン端子が用意されていた。
「QuietComfort 35」本体の外観をチェック
それでは早速「QuietComfort 35」にいってみよう!見た目は良くも悪くもBoseのヘッドホン。デザインにおける新しさはなく、誰が見ても「あ、これBoseのヘッドホンだ」という形は昔から変わらない。
音量ボタン、各種操作ボタンは右耳のイヤーパッドの側面にまとまっている。「+」と「-」が音量ボタン、その間にあるボタンは再生・停止と曲飛ばし・曲戻し。操作はiPhoneのマイク付きイヤホンと同じ。
左耳の下に有線ケーブル用ジャック、右耳の下に充電用Micro USBポートがある。なお、充電しながらワイヤレス接続で使用することはできなかった。
「QuietComfort 35」にはブラックとシルバーの2色があるが、僕はシルバーをチョイス。このファッション性をギリギリ感じるか感じないラインを彷徨うちょっとしたメカっぽさが良い。男心をくすぐる。
メカっぽさといえばこのヒンジ部分。普段はヘッドホンのファッション性を重要視するが、このカラーだとこのようにネジが見えているのもなぜか格好良く見える。
僕はBoseの音がもともと好きではなかったものの、ヘッドホンの付け心地はどのヘッドホンよりも段違いに付け心地が良いと感じていた。その感覚は「QuietComfort 35」でも変わらず。ヘッドバンドのクッションはフワフワだ。フワッフワ。まるでパンケーキ!
巨大なイヤーカップのお陰で耳にも当たらず、優しいクッションのお陰でメガネも圧迫されず。メガネボーイにも優しいヘッドホン。
では「QuietComfort 35」実際の音質や付け心地、使い勝手はどうなのか。
「QuietComfort 35」は音がクリア、付け心地良すぎ
「QuietComfort 35」を1日使ってみた率直な感想をまとめておく。
付け心地が良すぎる!軽い & クッション性が高い
とにかく声を大にして言いたいのが付け心地が物凄く良いということ。クッション性の高さは先ほど写真で紹介した通りだが、本体の重さもたった240gなので付けていても負担を感じづらい。ノイズキャンセリングが搭載されているとは思えない軽さで快適そのものだ。まだ長時間と言えるほど長時間付けて生活していないが、これは恐らく何時間付けていても快適だろう。
遮音性も高く、フィット感が抜群のイヤーカップ
イヤーカップが大きいのも素晴らしい。耳を少しキュッとして入れることなくそのまま耳を綺麗に覆ってくれる。クッション性が高いのでメガネにも負担が掛からない。
そのクッションが耳のラインとフィットし、遮音性を高めてくれる点も重要。電源を入れずにただ付けているだけでも外の音をそれなりにカットしてくれる。
見なくてもボタンの操作が容易
「QuietComfort 35」には専用アプリが用意されているが、あってもなくても変わらないのでダウンロードは促されるものの必須ではない。各種操作は右耳のイヤーカップにあるボタンで行うことができ、ボタンの凹凸がハッキリとしているため見えなくても簡単に操作することができる。
音量ボタンが浮き出ているため、その2つに挟まれた凹んでいる部分が再生・停止ボタンであることが指先で分かる。ボタンのサイズも人差し指の指先が丁度収まる程度の大きさなので、押し心地も悪くない。
音の輪郭、特に低音の輪郭がスゴイ
僕がかつてBoseのヘッドホンが苦手だった理由は必要以上に低音が強調されていたため。Beatsのように低音以外が聞こえず音楽が楽しめないように感じていたため購入を避けていたが、「QuietComfort 35」は決してそのようなことはなかった。
確かに言われてみれば「Bose QuietComfort 25/20」を体験した時は音楽が快適に視聴できたような記憶があったが、今回、自分の好きな音楽をじっくりと聴くことができ、自分の中の記録よりもバランスが改善されていることが分かった。
音質に関しては、低音はしっかりと出ているものの低音がボワッとしているのではなく、低音の輪郭がハッキリとしている印象を受けた。
業界トップクラスのノイズキャンセリングは期待を裏切らない
Boseのノイズキャンセリングは業界トップクラスだという。以前Boseの担当者に話を伺った時もノイズキャンセリングに関する話をする時は言葉の節々から自信がみなぎっていた。
実際、「QuietComfort 35」のノイズキャンセリングは期待を裏切らないクオリティだ。しっかりと周りの音をシャットアウトするのだが、圧迫感はない。ただ不思議なことに、外を歩いていても必要とする音はある程度聞こえてくるのだが、雑音のような音は見事カットされているのだ。なんだこれ、凄すぎる……!
例えば帰り道に音楽を聞きながら歩いていたところ、背後から車が近寄ってくる音は聞こえてきたが、近くで話していたママグループの会話はまるで聞こえなかった。これを体験してからは、「QuietComfort 35」は他のノイズキャンセリングヘッドホンよりも一歩先を行っているように感じた。
音楽をより快適に楽しむことができるが、周りの音がすべて聞こえないわけではない。この絶妙すぎるバランスが実現されているようだ。
音楽を流していない状態でオンにするとムズムズする
ノイズキャンセリングによる圧迫感はないとは言ったものの、圧迫感を感じる使い方がある。それはノイズキャンセリングが有効化された状態で音楽を流していない時だ。
音楽を流していない状態で電源だけを入れて付けているとホワイトノイズなどはないものの、ノイズキャンセリングが働いているのか少し耳がムズムズする。どこか耳が圧迫されるような感覚があるので、音楽を流さずに遮音性だけを高めたいのであれば電源は入れずにただヘッドホンを付けているだけでも良いかもしれない。
Bose初のノイズキャンセリング搭載ワイヤレスヘッドホン「QuietComfort 35」。高い買い物だったが、少なくとも僕の予想を遥かに上回る素晴らしい製品だった。無線接続でも連続20時間、有線接続であれば連続40時間も使用できるので、これから出先で作業する時はバリバリ活用していきたいと思う!
高級ラインのノイズキャンセリングヘッドホンを探している人は購入を検討してみるべし!