狂気の沙汰。イーロン・マスク、Twitterのブロック機能廃止を予告

X（旧Twitter）のイーロン・マスクCEOは8月19日、ブロック機能を廃止する方針を明らかにした。「ブロック機能は将来的にダイレクトメッセージ（DM）以外では廃止する」とし、廃止理由として「ブロック機能の必要性が分からない」と説明している。

It makes no sense

— Elon Musk (@elonmusk) 2023年8月18日

イーロン・マスク「ミュート機能があれば十分」

Twitterには、不快なユーザーを除外する方法として「ミュート」と「ブロック」が存在するが、明確な機能の違いが存在する。ミュートは、相手に気付かれず相手を遮断する仕組みだが、ブロックは相手から明確に遮断されたことが伝わる。ミュートされた相手は自分の投稿を閲覧できるが、ブロックされた相手は自分の投稿を閲覧できない。

ブロックされたアカウントは、ブロックしたアカウントの投稿は一切閲覧できなくなり、直接の嫌がらせだけではなく、投稿の引用など拡散を通じた嫌がらせを阻止できる。ブロック機能は「一線を越えてしまったことを相手に伝える手段として重要」と指摘する声もある。

ブロック機能は「嫌がらせ、荒らし、スパムを行うアカウントに対抗する重要な役割を担う」との指摘に対し、マスク氏は「ミュート機能があれば十分」と答えている。

共同創業者であるジャック・ドーシー氏は、マスク氏に同調。「100％間違いない。ミュートで十分」とコメントしている。

💯. mute only.

— jack (@jack) 2023年8月18日

ブロック機能の廃止が正式に施行されるスケジュールは不明。AppleのApp Store Reviewガイドラインには「ユーザー生成コンテンツ」に対し「不適切な言動を行うユーザーをブロックする機能」の実装を必須条件としており、ブロック機能の廃止はガイドラインに抵触する恐れがある。

1.2 ユーザー生成コンテンツ
ユーザー生成コンテンツを含むAppでは、知的財産の侵害や匿名の嫌がらせなど、特定の問題が生じることがあります。悪用を防ぐため、ユーザー生成コンテンツやソーシャルネットワーキングサービスを含むAppは以下を備えている必要があります。

• 不適切な内容がAppに投稿されることを防ぐ手段
• ユーザーが不適切なコンテンツを報告し、それに対して迅速に対応することができる仕組み
• 不適切な言動を行うユーザーをブロックする機能
• ユーザーがすみやかに連絡できる、デベロッパの連絡先情報

Xは先日より、一部SNSやニュースサイトの表示速度遅延、TweetDeckの有料化、アカウントの強奪など、ユーザーにとって不利益を生む決断を次々と行っている。