愛用の5K2Kが突然ちらついた。有機EL”ロマンモデル”を断念し「半額の進化版」を注文した話
LG最新フラッグシップと同じパネルが113,800円。4AM 4Z40QWという選択肢に辿り着くまでの全記録
朝、いつものようにデスクに向かい、ディスプレイの電源を入れた。すると画面の中央が明らかにおかしい。モヤモヤしているというか、チカチカしているというか、ビリビリしているというか……何かがずっと細かく点滅し続けている。前日まではまったく問題なかったのに、本当に突然のことだった。
僕がメインディスプレイとして使っているのは、LGの40WP95C-W。39.7インチ、5K2K(5,120×2,160)解像度の曲面ウルトラワイドモニターだ。購入してから約2年ちょっと。毎日このディスプレイの前で文章を書き、写真を編集し、仕事をしてきた。
まずはケーブルの問題を疑い、接続しているケーブルをすべて外してみた。すると、何も接続していない状態で表示される「信号なし」の画面でも同じようにちらついている。つまりPC側の問題ではなく、ディスプレイ本体の故障がほぼ確定した。
試しに電源ケーブルを抜き、30分ほど放置する「放電」を行ったところ、ちらつきは収まった。しかしこれは「直った」のではなく「一時的に収まっただけ」と見るべきだろう。こういった間欠的な故障は時間が経つにつれて頻度が増していくのが一般的で、今日は大丈夫でも明日また突然ちらつき始める可能性がある。
メインのディスプレイが突然使えなくなるということは、仕事が止まるということだ。正直、怖い。
修理か、買い替えか
40WP95C-Wは購入から約2年ちょっと。LGの3年保証の期間内ではある。しかし以前、上段で使っている34WK95U-Wの電源が突然落ちる不具合でサポートに問い合わせた経験があり、そのときの印象があまり芳しくなかった。
梱包材や送料はすべて自己負担、修理費用もいくらかかるか事前にはわからない、保証対象になるかどうかも送ってみないと判断できないという回答。サポートの対応自体が悪いわけではないのだが、全部自費で準備して、修理費も不透明で、しかもその間メインディスプレイが手元からなくなる。それはしんどい。
加えて40WP95C-Wは今となっては1世代前のモデルだ。ずっと前からより上位の仕様を持つ40インチ5K2Kモニターが気になっていたこともあり、メインディスプレイの突然死に備える意味も込めて、この機会に買い替えを検討することにした。
現在のデスク環境

買い替え候補を検討する前に、現在のデスク環境を整理しておく。
- メイン:LG 40WP95C-W(39.7インチ 5K2K、曲面2500R、Nano IPS、Thunderbolt 4)
- 上段:LG 34WK95U-W(34インチ 5K2K、フラット、Nano IPS、Thunderbolt 3)——2020年8月購入、約6年使用
- 縦置き:Dell U2720QM(27インチ 4K)——最近追加
- ドック:CalDigit TS5 Plus(Thunderbolt 5)
- Mac:M4 Max MacBook Pro
34WK95U-Wは6年近く使っていて、たまに電源が突然落ちる不具合はあるが(電源を抜き差しすれば復帰する)、基本的にはよくできたディスプレイだと思っている。そしてDell U2720QMを最近縦置きで追加したことで、縦方向の作業領域不足という課題も解消できた。

5K2Kウルトラワイド、3つの買い替え候補を検討する
候補①:INNOCN 40C1U——コスパ最強だが、フラットが引っかかった
最初に目に留まったのが、INNOCNの40C1U。40インチの5K2Kで、登場直後は10万円を切る価格で販売されていた時期もある、驚異的なコストパフォーマンスのモデルだ。DCI-P3 97%(実測99%)、100Hzリフレッシュレート、HDR400対応。価格を考えればかなり優秀なスペックと言える。
しかし最大の引っかかりがフラットパネルだった。
僕は今、40インチの2500Rカーブで日常的に作業しているが、この見やすさにまったく不満がない。上段の34WK95U-Wはフラットだが、34インチだからこそフラットで問題ないのであって、40インチになると画面の端までの距離がかなり変わってくる。フラットのまま40インチだと、端を見るときの視線移動量が大きくなり、長時間作業では見づらさを感じるのではないかという懸念があった。
加えてパネルは通常のIPSでコントラスト比は1,200:1、色深度は8bit。スペック面でも今のディスプレイからのアップグレード感が薄い。USB-C給電が65Wまでという点を気にする声もあるようだが、僕はCalDigit TS5 Plusを経由して使用しているので給電は問題にならなかった。
とはいえ最大の見送り理由は、やはりフラットパネルだ。40インチでカーブなしは、僕の使い方には合わないと判断した。
候補②:LG 45GX950A-B——有機ELのロマンに惹かれたが……
次に検討したのが、LGの45GX950A-B。44.5インチの5K2K有機ELウルトラワイドモニターだ。
正直、めちゃくちゃ魅力的だった。有機ELならではの完全な黒、実質無限大のコントラスト比、ピーク輝度1,300cd/m²、165Hzリフレッシュレート。スペックだけ見れば文句なしのフラッグシップだ。今後MacBook Proが有機ELディスプレイに移行するという噂もあり、せめて外部ディスプレイの1台ぐらいは有機ELにしたいという気持ちもあった。
しかし、冷静に考えると見送るべき理由がいくつもあった。
PPIが下がる
これが最大の理由だ。39.7インチの5K2Kは約140PPI。44.5インチの5K2Kは約125PPI。15PPIの低下は、毎日文章を書く仕事をしている身としては無視できない。
27インチ4K(約163PPI)から40インチ5K2K(約140PPI)に移行したときでさえ、文字を少し大きくして画面から離すことで折り合いをつけていた。そこからさらに下がるとなると、テキストの鮮明さへの不満が出てくるだろう。PPIを下げるのは妥協できないポイントだった。
800R曲面がきつすぎる
45GX950A-Bの曲率は800R。今使っている40WP95C-Wの2500Rと比べると、はるかにきつい曲面だ。800Rは視聴距離80cmで最適になるよう設計されているが、僕のデスクの奥行きはちょうど80cm。純正スタンドだと目までの距離が近すぎるため、モニターアームでデスクの奥端ギリギリまで押し出してようやくギリギリ、という状態になる。それもどうかと思った。
焼き付きへの気遣い
最新世代の有機ELは焼き付き対策が大幅に進歩しており、通常の使い方ならほぼ心配不要とされている。LGの保証も焼き付きをカバーしている。しかし「ほぼ」であって「完全に」ではない。macOSのメニューバーやDock、WordPressの編集画面など、長時間固定表示される要素はいくらでもある。
Dockを自動的に隠す、メニューバーを隠す、輝度を意識する……そういった「気を遣う」使い方は、個人的にはしたくない。今まで通り何も考えずに使えるディスプレイのほうが、僕には合っている。
価格
セール期間中でもかなり高い。約28〜30万円という価格は、先ほど挙げた懸念点を踏まえると踏み切れなかった。Dell U2720QMの縦置き追加で作業領域の課題はすでに解消できており、無理に2倍以上の価格を出す必要はないだろうと考えた。
有機ELディスプレイにはめちゃくちゃ魅力を感じていたし、すごく使いたかった。でも40インチの5K2Kで有機ELが出たら、そのときに改めて検討したい。今はまだ、そのタイミングではなかった——と、思っていたのだが。
なんとこの記事を書いている最中に、LGから39インチの5K2K有機ELウルトラワイドモニター「39GX950B-B」が発表された。第4世代タンデムOLEDパネル搭載、曲率1500R、DCI-P3 99.5%、予約セール価格229,800円(税込)。まさに僕が「これが出たら考える」と言っていたモデルそのものだ。正直、心が揺れなかったと言えば嘘になる。しかし価格は約23万円。曲率1500Rは2500Rに慣れた身としては実機で確認したいところだし、有機EL特有の「気を遣う」問題は変わらない。今回は見送りだが、この先の買い替えでは最有力候補になるだろう。
候補③にして本命——4AM 4Z40QWとの出会い
そんな中、買い替え候補を物色していたら目に飛び込んできたのが、4AMというメーカーの4Z40QWだった。
愛用している40インチの5K2Kに大きな傷が入ってしまい、買い換え候補を物色してたら……とんでもねぇコスパの奴が出てきたんだが、こいつ何者!?
スペック見る限りでは全然ありっぽいんだが…
10万円以下!?そんなのあり得る!?
やばくね??? pic.twitter.com/i6Y2830SPj
— g.O.R.i(ゴリミー管理人) (@planetofgori) November 4, 2025
上記のツイートのとおり、正確には昨年末にディスプレイに傷がはいってしまい、買い換え先を検討している際に出会った新興メーカーだ。39.7インチ、5K2K、IPS Black、コントラスト比2,000:1、120Hz、HDR600、USB-C 96W給電……スペックを見て目を疑った。これで当時はまさかの10万円切り。今でも113,800円。……え?
メーカーから直接返信が来た
このディスプレイについてポストしたところ、興味深い情報が集まってきた。
それについて呟いたことがあったのですが、メーカーから直接返信きて「Dell U4025QWと同じでLG製のパネル使ってます」と断言してたので、コスパは抜群ですよね!
— ちから | ガジェットとインテリア (@insNote_C) November 5, 2025
そして4AM公式アカウントから直接返信をいただいた。
まだ知名度は高くありませんが、主要部品はいずれも業界大手メーカー製。
製品の設計から品質検査、サポートまですべて国内拠点で対応しています。
現在ありがたいことに初回ロットが完売しており、
次回入荷はおよそ1週間後を予定しています。
ぜひチェックしていただければ嬉しいです。— 4AM公式アカウント (@4am_monitor) November 6, 2025
主要部品は業界大手メーカー製で、設計から品質検査、サポートまですべて国内拠点で対応しているという。さらに驚いたのが、この返信だ。
ちなみにお手持ちの機種はLG 40WP95Cであれば、こちらで液晶パネル(純正)の交換も可能です。部品調達でお時間いただきますが、トータルで4万円前後と想定しております。
— 4AM公式アカウント (@4am_monitor) November 6, 2025
なんと、手持ちの40WP95C-Wの液晶パネル(純正)交換にも対応してくれるという。トータルで4万円前後。同じLG製パネルを扱っているからこそできる対応だろう。
LG最新フラッグシップと同じパネルが、半額以下
4Z40QWのパネルは、Dell U4025QWと同じLG製パネルを使用していることがメーカーから明言されている。そしてLGの最新フラッグシップモデル40U990A-W(Thunderbolt 5対応、世界初の5K2K Thunderbolt 5ディスプレイ)と基本的なパネル性能を比較すると、驚くべきことがわかる。
| 項目 | LG 40U990A-W | 4AM 4Z40QW |
|---|---|---|
| サイズ | 39.7インチ | 39.7インチ |
| 解像度 | 5,120×2,160(5K2K) | 5,120×2,160(5K2K) |
| PPI | 140 | 140 |
| パネル | Nano IPS Black | IPS Black(LG製パネル) |
| 曲面 | 2500R | 2500R |
| コントラスト比 | 2,000:1 | 2,000:1 |
| 色域 | DCI-P3 99% | DCI-P3 99% |
| 色深度 | 10.7億色(10bit) | 10.7億色(8bit+A-FRC) |
| リフレッシュレート | 120Hz | 120Hz |
| HDR | DisplayHDR 600 | HDR600 |
| 輝度 | 450cd/m² | 450cd/m² |
| USB-C給電 | 96W(Thunderbolt 5) | 96W(USB-C) |
| Thunderbolt | TB5 In/Out(デイジーチェーン対応) | なし |
| DisplayPort | DP 2.1 | DP 1.4 |
| USB Hub | USB-C×4 + USB-A×2(10Gbps) | USB-A×2 |
| KVM | あり | あり |
| LAN | ギガビット対応 | なし |
| スピーカー | 10W+10W(Rich Bass) | なし |
| 目のケア | Live Color Low Blue Light + TÜV Rheinland認証 | ブルーライトカット |
| 保証 | 最長5年 | 2年 |
| 価格 | 約229,800〜252,780円 | 113,800円 |
パネルの基本性能——解像度、PPI、コントラスト比、色域、輝度、HDR、リフレッシュレート、曲率——がほぼ完全に同一だ。差が出るのは接続性と付加機能。LGの40U990A-WはThunderbolt 5、デイジーチェーン、豊富なUSBハブ、LAN、スピーカー、Live Color Low Blue Light、最長5年保証と「全部盛り」で約25万円。4Z40QWはそれらを省いて、パネル性能そのままに半額以下の113,800円。
僕のようにCalDigit TS5 Plusを使っている環境では、Thunderbolt接続もUSBハブ機能もドック側でカバーできる。同じパネル性能が半額以下で手に入るなら、4Z40QWを選ばない理由がない。
今のディスプレイからの確実なアップグレード
4Z40QWは、今使っている40WP95C-Wからも確実にスペックアップしている。
| 項目 | LG 40WP95C-W(現在) | 4AM 4Z40QW(購入) |
|---|---|---|
| パネル | Nano IPS | IPS Black(LG製) |
| コントラスト比 | 1,000:1 | 2,000:1(2倍) |
| リフレッシュレート | 72Hz | 120Hz |
| HDR | HDR10 | HDR600 |
| 輝度 | 300cd/m² | 450cd/m² |
| 色深度 | 10bit | 10bit(8bit+A-FRC) |
| USB-C給電 | 96W(Thunderbolt 4) | 96W(USB-C) |
| 曲面 | 2500R | 2500R |
コントラスト比が2倍、リフレッシュレートは72Hzから120Hz、輝度は300cd/m²から450cd/m²に向上。一方でサイズ感、PPI、曲率は変わらない。使い慣れた環境を維持しながら、パネル性能だけが確実に良くなる。
ビジュアル的な変化は微々たるものかもしれない。でもディスプレイを見ながら仕事をしている以上、ディスプレイにはしっかり投資するべきだと思っている。
購入、そしてその後の計画
4Z40QWはAmazonの新生活セールFINAL期間中に113,800円で購入した。セール対象商品ではなく通常価格だが、LGの最新フラッグシップと同じパネル性能がこの価格で手に入ると考えれば、十分すぎる。届くのは5月上旬の予定。初回ロットは完売しており、人気の高さが窺える。
届いたら、4Z40QWの箱をそのまま活用して40WP95C-Wを4AMに送り、パネル交換の修理を依頼しようと思っている。40WP95C-Wには数カ月前にできたひっかき傷が1〜2箇所ある。薄い傷で、普段見ているエリアとは違う場所にあるため実使用上は問題ないが、直せるものは直しておきたい。4AMによると液晶パネルの純正交換でトータル4万円前後とのことだ。
もしこの修理がうまくいけば、40インチ5K2Kが2枚体制になる。そんな環境が実現できたら最高だ。
今回の買い替えを通じて改めて感じたのは、メインディスプレイの突然の不調は本当に怖いということ。仕事で毎日使うものだからこそ「壊れてから慌てる」のではなく「壊れる前に備えておく」ことが大事だ。
有機ELウルトラワイドのロマンには強く惹かれた。しかしPPIの低下、800R曲面と80cmデスクの相性、焼き付きへの気遣い、価格……冷静に考えれば、自分にとってのベストは使い慣れた40インチ5K2Kの確実なアップグレードだった。4Z40QWが届くまで、今の40WP95C-Wが動き続けてくれることを祈りつつ、5月を楽しみに待ちたいと思う。
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