【独占インタビュー】TABI LABOの目指すメディアとしての未来 ー 文化を生み出し、人をMOVEする

TABI LABO
今、ウェブメディアは転換期を迎えている。既存のメディアから新しい形のメディア。それはコンテンツの形だけではなく、ウェブサイトのデザインやコンテンツに辿り着く方法がこれまでと大きく変わりつつある。

その中でも一際存在感を示しているのが「TABI LABO」。7月7日に大規模なリニューアルを実施し、「旅ラボ」から「TABI LABO」へとメディア名を変更すると共に更新カテゴリ数や記事数を大幅に増やし、新たに「世界とつながる、 MOVEする」というコンセプトを掲げている。


縁あって、TABI LABOを中心となって運営している共同創設者の成瀬勇輝さんと久志尚太郎さんと、共同編集長を務めている佐々木俊尚さんにお話を伺うことができた。TABI LABOとしてのビジョンやメディアとして目指す未来について紹介したいと思う!

TABI LABOを作るきっかけと既存のメディアに対する問題意識

そもそもTABI LABOはどのような思想をもとに生まれたのか。これを知る上で、現状のメディアの問題点について知る必要がある。

メディア絶滅の危機と新たな時代の幕開け

bored.jpg 【img via Day 2 – Boring by Cristiano Betta

これまでのウェブメディア事情として、広告の単価が下がっているため掛けられる制作費も下がり、結果的に使い回しのつまらないコンテンツが増えていると佐々木さんは指摘する。どこのメディアを見ても話題性の高い動画や画像をコンセプトもなく投稿してアクセス数を稼ぐものが多い。このままだとメディアそのものが絶滅する可能性さえもある、危機的な状況だった。

ただ、最近は新しい流れが出てきている。今、「ネットの世代交代」が起きている。これまでははてなや2チャンネルなどがネットの中心だったが、それが徐々に変わりつつある。

大きな転換期にあるからこそ、今メディアは熱い。

例えば、海外ではアメリカから突然復活したイーベイ創業者ピエール・オミダイア氏がメディアカンパニー「First Look Media(ファースト・ルック・メディア)」を立ち上げ、NSAの盗聴活動を取り上げるメディア「The Intercept」などを中心としたメディア事業を発足している。


国内におけるメディアに対する高い関心

iPhone Girl 【img via iPhone girl. by MIKI Yoshihito (´・ω・)

メディアにおける動きがあるのは海外だけではない。日本でも最近メディアは盛り上がっている。例えば、GunosyやSmartNewsは大規模な資金調達を実施している。

死にかけていたメディアが今、まさに復活の兆しを見せている!同時に世間からメディアに対する期待感が増えているのだ。

これは「GoogleやFacebookが日本に上陸する直前の空気」と似ていると佐々木さんは語る。メディアという観点だけではピンとこないかもしれないが、数年前と比べて僕らが情報をインプットする方法というのは大きく変わってきている。

まず、スマートフォン中心のウェブに変わってきていること。パソコンを開く人が減り、ウェブ閲覧はスマホから見るのが当たり前になっている。

次に情報に辿り着く方法も変化している。これまではGoogleで検索して欲しい情報にたどり着くことが多かったが、最近ではFacebookやTwitterから情報を入手する人の方が圧倒的に多い。

このことから、傾向として人は長い文章よりも写真や動画などのコンテンツを好むようになっている。つまり、今までよりもコンテンツをシンプルにまとめ、美しくまとめることが重要になってきたのだ。

これはメディアにとって大きな変化だ。この変化は間違いなくメディアにとってチャンスなのだ。

佐々木さんによると、新しい文化が形成される時に最も重要となってくるのはコンテンツそのもの。その一例として、ニュースサービス「NewsPicks」は情報のキュレーションだけではなく、独自のコンテンツを提供するために東洋経済とコラボしている。

コンテンツのあり方が変わって新しいステージにシフトしようとしている今、TABI LABOは新しいメディアとしてのあり方を追求しているのだ。

TABI LABOが大事にしていること

TABI LABOの強み 【img via TABI LABO

新しいメディアのあり方を追求しているTABI LABO。メディアとしての強み、そして大事にしていることについて話を伺った。大きく分けて以下の5つに集約される。

1. 「SNS&MOBILE NATIVEなUI&UX」

TABI LABOは「SNS&MOBILE NATIVEなUI&UX」であることを非常に重要視している。それは先ほど紹介した通り、スマートフォン中心のウェブになっていることが理由。

そのため、TABI LABOにおける操作はクリックではなく、スクロールが中心となっている「QUARTZ」のUIを採用。一部で「PV稼ぎのUI」と叩かれていたが、採用の背景を知るとその指摘がいかに浅はかであるかが分かる。

ちなみに、トップページの無限スクロールは外したようだが、その結果、ユーザーの滞在時間は伸びたようだ。

2. 「感情が乗せやすい、ハイクオリティなコンテンツ」

Facebookを見ていると多数のいいねがついているコンテンツを見かけることが非常に多い。同じネタを多数のメディアが取り上げることに嫌気が差している人も多いかもしれないが、このようなネタは共通して言えることがある。

それは「感情が乗せやすいコンテンツ」であること。人気コンテンツはどれも自分の感情を動かし、感情をコンテンツに乗せやすいからこそ、これほどシェアされるのだ。TABI LABOにおいて「感情が乗せやすいハイクオリティなコンテンツであるかどうか」は非常に重要視して運営しているそうだ。これはTABI LABOのFacebookページにある各投稿の凄まじいいいね数を見れば一目瞭然だ。

3. アンバサダーとキーパーソンとの強力な情報発信

同じ情報でも「誰かのお墨付き」の方が自信を持ってシェアすることができる。TABI LABOでは「アンバサダー」と「キーパーソン」の仕組みを用意。

アンバサダーは現時点で300人以上所属するいわば情報発信を手助けするキュレーターだ。アンバサダー募集ページには以下のように説明されている。

21世紀は、世界に「出る」のではなく、世界に「いる」という感覚を持ち、世界とつながる、移動の時代、旅の時代。世界が大きく動く中、私達は常に次の未来を探求しなければなりません。一緒に世界とつながる情報を発信し、リアルなアクションを起こす仲間が、アンバサダーです。


一方、キーパーソンとはTABI LABO内で発信している人物。最近の記事では少林サッカーの監督西冬彦さんや社会貢献活動のPRやマーケティングに特化したNPO法人「ソーシャルコンシェルジュ」を主宰する林民子さんなどがこれに当たる。

アンバサダーとキーパーソンを組み合わせることによってTABI LABOならではの情報発信スキームを生み出すことができるのだ。

4.「ネイティブ&ブランドADに特価したクリエイティブな広告」

TABI LABOはディスプレイ広告を一切やっていない。それはこれからスマートフォンを中心としたウェブが当たり前になる時代において、ディスプレイ広告は読者にとってノイズであるから

代わりに、ブランドイメージを訴求するクリエイティブや世界観を重要視したネイティブ&ブランド広告を提供。ターゲットとしているのは紙にしか出せないようなハイブランド。TABI LABOを日常的に見ている人はあまりにもオシャレでしっかりと作りこまれているせいで、目にしているものが広告であることさえも分からずに見過ごしているかもしれない。

5. リアルに読者と繋がることができるリアルイベント」

ウェブで情報を発信することで完結してしまうメディアが多い中、TABI LABOは読者と触れ合うことができるリアルイベントを開催している。TABI LABOを通じて得た経験や発見を直接フェイス・トゥ・フェイスでコミュニケーションすることができる。

TABI LABOの魅力、そして強み

TABI LABOの魅力と強みは何か。共同創設者である成瀬さんと久志さんの目から自信がみなぎっている。彼らによるとTABI LABOとは最先端のメディアだと熱く語る。それは大きく分けて「ライフスタイルを作り出す最先端感」と「メディアとしての戦略の最先端感」があると言う。

「ライフスタイルを作り出す最先端感」

TABI LABO MOTTAINAI 【img via TABI LABO

TABI LABOはライフスタイルを生み出している。文化を生み出しているのだ。彼らがどのようにしてこれを実現しているのかを知るためにはTABI LABOの運営方針を知る必要がある。

TABI LABOは基本的に海外のニュースを取り扱っている。「海外で人気のコンテンツをただ引っ張ってきているだけ」と批判する人もいるかもしれないが、海外コンテンツを取り上げているには明確な理由がある。それは、海外に出て行かないと分からないモノがいっぱいあるから。「世界にいる感覚を持って、そこに実際にいってみたい」と思うきっかけになってほしいから。TABI LABOというメディア名からも分かる通り、「旅」は変わらず重要なテーマなのだ。

世界はかつてないほど身近な存在になった。スマートフォン1つさえあれば簡単にLCCなどの格安チケットを予約し、気軽に海外にいくことができるようになった。ただ、まだまだ日本から世界に飛び立つ人は少ない。それも当然かもしれない。知らない世界に飛び出すのは勇気が必要だ。

TABI LABOはその「勇気」となり、世界に出るきっかけになることを目指している。2人の共同創設者はその思いが人一倍強い。

成瀬さんも久志さんも海外で活躍していた。詳しくはプロフィールに書いてあるが、2人とも海外は世間一般に思われているよりも近い場所であるということ、そして自分たちが「当たり前」だと思っていた事が全然『当たり前」ではないということを理解して欲しいという思いがある。

だからこそ、世界中で起きていることや起きている事やトレンドなどをピックアップしているのだ。7月7日にリニューアルしてから更新している記事数は1日約15記事。9つのカテゴリの記事をそれぞれ1本ずつ、特集など1日2本以上を毎日更新することを徹底している。世界は常に動いている。毎日世界中で起きている様々なことを発信し続けることによって誰かをMOVEするきっかけを作っているのだ。

「メディアとしての戦略の最先端感」

Difficult meeting 【img via Difficult meeting by Simon Blackley】

TABI LABOは提供しているコンテンツだけで人をMOVEしているだけではない。コンテンツ戦略という観点からは成瀬さんが、メディアの全体戦略やビジネスという観点からは久志さんが、ジャーナリズムという観点からは佐々木さんがそれぞれ力を出し合い、考え抜かれた媒体運営力があってこそ実現できている。そのキーマンを担っているのがやはり現役ジャーナリストである佐々木さんだ。

佐々木さんが成瀬さんと共にTABI LABOの共同編集長を務めているということを知っている人は多いかもしれないが、具体的に何をしているかを知っている人は少ない。「何もしていない」と批判している人も見受けられるが、話を聞けば聞くほど佐々木さんが共同編集長として与えている影響はとてつもなく大きいということがよく分かる。

前項で紹介した通り海外のニュースを取り扱うことが多いTABI LABOだが、取り扱うコンテンツは佐々木さんの指揮のもと、TABI LABOとしての文化やメディアとしての文化を知った上で選定し、公開されている。定期的にこれらの文化についてミーティングを実施することによってライターがジャーナリズムを理解した上で記事ネタを選び執筆することができる。佐々木さんによってキーコンセプトがブレないため、運営方針もブレることなくメディアとして発信し続けることができるのだ。

メディアとして最先端を豪語するのであれば、気になるのはやはりKPI。メディア運営者として当然僕も気になっていたところだが、TABI LABOは何よりもユーザーロイヤリティを重要しているそうだ。

最近はバイラルメディアが多数台頭してきたことによってPV数がKPIとして成り立たないという議論が一部で話題になっていたが、そもそもKPIは目標の達成度合いを計る定量的な指標。つまり、目標が定まってなければそれを測る指標を設定しても意味が無い。

「今やウェブメディアの参入障壁は非常に低い。大事なのはメディア戦略。メディア戦略なくしてKPIを語るのは間違っている」と、佐々木さんは力強い口調で語る。「最近のバイラルメディアはPV稼ぎに走ってしまっていて、そもそもの目的を失ってるもしくは目的がない」と批判的だ。

確かにTABI LABOのPV数は桁違いだ。今年の7月7日時点では月間ユニークユーザー数が400万人、月間ページビュー数は3,000万人をマーク。来年の5月までにはユニークユーザー数が1,000万人を超えると予測している。

TABILABO
ただ、上記の資料を見ての通り、TABI LABOはユーザーロイヤリティが非常に高い。リピーターは2014年5月時点で40%だったものの、7月時点では60%まで伸びている。来年の5月にはなんと80%になる見通しだ!ユーザーロイヤリティを判断するために設定しているその他KPIにおいても右肩上がりで確実にユーザーは定着している。非常に戦略的なメディア運営が功を奏しているに違いない。

TABI LABOのこれから

TABI LABO
2014年2月22日にリリースされたTABI LABOだが、まだ半年も経っていないのにも関わらず影響力のあるメディアとして成長した。

ただ、TABI LABOはこれからが勝負。「これからもっと面白い発表をしていきますから!」と笑顔で3人は語る。文化を生み出し、人をMOVEする最先端メディアの旅はまだ始まったばかりだ。

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