すべての学生に学びを。Appleが国際障がい者デー記念にミュージカル動画公開
障がいの学生がテクノロジーを活用して歌い踊る、40年続くAppleのアクセシビリティDNAを体現
Appleが12月3日の国際障害者デー(IDPD)を記念して、新しい動画「Designed for Every Student」を公開した。華やかなミュージカル形式で制作されたこの動画は、世界各地の聴覚障がいやその他の障がいがある学生たちが出演しており、Appleのアクセシビリティ機能を活用して充実したキャンパスライフを送る姿を描いている。
楽曲制作はトニー賞受賞作曲家のティム・ミンチン氏が手がけた。監督を務めたのはキム・ゲーリッグ氏で、2022年にエミー賞を受賞したAppleのアクセシビリティ作品「The Greatest」に続き、再びメガホンを取っている。
Appleがこの動画を公開した理由
Appleがこの動画を制作した目的は明確だ。国際障害者デーをお祝いするだけではなく、障がいのある学生が実際にApple製品とアクセシビリティ機能をどう活用しているかをストーリー仕立てで伝えることにある。教育は学業だけではない。キャンパス内の移動、スキル習得、友人との交流など、教室外の生活にアクセスするための適切なツールが必要であることを、この動画は力強く訴えかけている。
Appleは、ユーザーのストーリーを伝える際、意識的に多様性を常に考えながらアプローチしている。この姿勢は、今回の動画にもはっきりと表れている。
Appleにとってアクセシビリティとは何か
国際障害者デーは、障がいのある方々の創造性とリーダーシップを称える日であり、世界中で人権としてのアクセシビリティを擁護するための日と位置付けられている。Appleにとって、この日は特別な意味を持つ。
アクセシビリティは、Appleの企業文化においてコアバリューとして位置付けられている。過去40年間にわたってAppleにおける中核となるDNAの1つとされており、2025年はアクセシビリティの40周年にあたる。Appleは、アクセシビリティは人権であるという考え方を中核に持ち、「インクルーシブデザイン(包括的な設計)」を推進している。すべての人にとってより良い製品となるよう、全ユーザーについて考えながら製品開発を行っているのだ。
動画内で紹介されているアクセシビリティ機能
動画内では、学生の様々な体験を通して、Appleエコシステムに搭載されたアクセシビリティ機能が紹介されている。詳細は特設ページに用意されているが、具体的には以下のような機能だ。
- Macの拡大鏡:講義中の黒板の内容を簡単に見るために使用される。iPhoneの連携カメラに接続することで、周りのものをズーム表示でき、文字や画像、色など、見やすいようにカスタマイズが可能だ
- アクセシビリティリーダー:Mac上のDesk Viewと統合されたドキュメントリーダー。ディスレクシア(失読症)の学生が、拡大機能とシームレスに連携させ、自身が読みやすいフォントで宿題を読んでいる
- 点字アクセス:iPadで、ナビゲーション、読書、入力に使用。化学の学習においてネメス計算機と組み合わせることで複雑な計算を行える。また、iPhoneの点字スクリーンインプット機能を使用することで、外部の点字ディスプレイが接続されていない場所でも、直接点字で入力できる
- 名前認識:iPhoneのデバイス上のインテリジェンス(AI)を活用し、友達が自分の名前を呼んでいることを聴覚障がいのある学生が理解できるようにしている
- ライブキャプション:ダンスパフォーマンス中に、語られた内容をリアルタイムで書き起こし、みんなと一緒に歌えるようにしている。対面での対話、FaceTimeの通話、アプリからのオーディオ情報など、すべてリアルタイムで書き起こされる
- 音声コントロール:音声(声)だけで簡単にiPhoneを操作できる。新しいセンターステージフロントカメラで写真を撮る際、全員の顔にピントが合っているかを確認しながらシャッターを切っている
これらの機能はすべて、学生の日常生活を支える重要な役割を果たしている。
アクセシビリティ機能は全員のための機能
Appleは、アクセシビリティ機能の開発が、結果的にすべての人にとって製品を向上させると考えている。当初はある特定の集団のためにデザインされたとしても、それがより多くの人たちにとって良いデザインになることが多いのだ。
難しいアクセシビリティの問題を解決しようとする試みが、他の製品機能にとってのブレイクスルーにつながることもある。まるで建物のエレベーターのようだ。エレベーターは車椅子利用者のために設置されたが、重い荷物を持つ人や怪我をした人、多くの人にとって欠かせない移動手段となった。Appleのアクセシビリティ機能も同様に、特定のバリアを取り払うために開発された結果、iPhone体験全体における使いやすさのブレイクスルーを生み出しているのだ。
AIの進化がアクセシビリティを加速させる
AIの進化は、アクセシビリティにおける大きなバリアを取り払うことにつながっている。例えば、名前認識機能は、デバイス上のインテリジェンスを活用している。視覚のアクセシビリティについて調査を行うと、盲目または視覚障がいのあるユーザーの圧倒的多数が、使用しているデバイスとしてiPhoneを挙げていることがわかっている。これはAppleの市場での優位性を示す明確な証拠だ。
動画自体もアクセシブル
今回公開された動画自体もアクセス可能な形式で提供される。具体的には、音声による説明(画面に表示されているものの説明)、ライブキャプション、字幕が含まれている。Appleは、アクセシビリティを語る上で、自らの作品も同じ基準で作り上げているのだ。
Appleの一貫したメッセージ
Appleは、これまでもクリエイティブキャンペーンにおいてアクセシビリティと障がい者の表現を重視してきた。
近年の主な作品には、タイカ・ワイティティ氏による「The Lost Voice」、パラリンピックへのオマージュ作品「The Relay」、エミー賞にノミネートされたホリデーキャンペーン「Heartstrings」、パーキンソン病をテーマにしたドキュシリーズ「No Frame Missed」(全2回構成)などがある。今回の「Designed for Every Student」は、これらの作品に続くものだ。
Appleにとってアクセシビリティは、製品開発の初期段階で特定のニーズを満たすために組み込まれた機能群だが、それが結果的にすべてのユーザー体験を向上させる。まさに「すべての学生のための設計」という動画のタイトルが示すとおり、Appleの製品はすべての人のための設計なのだ。
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