Apple Watchが見守る心臓の健康:3つの機能で早期発見から継続管理まで完全サポート
厚生労働省承認の医療機器として早期発見から継続管理まで、51歳エンジニアの実体験とともに機能詳細を紹介
日常の中で、自分の体に起こる小さな変化に気づくこと——それこそが健康への第一歩だ。Apple Watchは、手首に装着するだけで心臓の健康を24時間見守り、早期発見から継続管理まで包括的にサポートする。
ヘビメタが好きな51歳のエンジニア・鈴木政博さんは、Apple Watchの不規則な心拍通知をきっかけに心房細動の兆候に気づき、早期に医療機関を受診した。無症状のうちに手術を受け、現在も好きな音楽を楽しめる健康を取り戻している。この事例は、Apple Watchの心臓健康機能が早期発見につながる可能性を示している。
Apple Watchが提供する健康パートナーシップ
Apple Watchは2015年4月の登場から10周年を迎え、多くの人にとって生活に欠かせないパートナーとなった。その機能は「アクティブに過ごす」「健やかに過ごす」「安全を見守る」「大切な人や情報とつながる」という4つのカテゴリーに分かれており、心臓の健康機能は「健やかに過ごす」の主要な機能として位置づけられている。
Apple Watchは手首につけるだけで体のシグナルを正確に検出でき、日中や睡眠中も継続的にデータを収集する。心拍数健康サポート機能は、2015年発売の初代Apple Watchに搭載された光学式心拍センサーから始まった。
進化し続ける心房細動検出機能
初期の光学式心拍センサーによるワークアウト中のカロリー計測やオンデマンドでの心拍測定機能から始まり、高心拍や低心拍に気づいて受診したユーザーからの声を受け、潜在的な問題についてユーザーに知らせる機能の開発が進んだ。
2018年に高心拍数・低心拍数通知機能が提供開始され、2021年に心房細動の兆候検出をサポートする「不規則な心拍の通知」と「心電図アプリ」が日本で利用可能になった。さらに2024年には、心房細動と診断されたユーザーを支援する「心房細動履歴」機能が追加された。
なぜ心房細動の早期発見が重要なのか
心房細動は不整脈の一種で、心拍が不規則になる状態を指す。心房と心室の拍動が同期していない時に見られる不規則な心臓の拍動リズムで、放置すると心臓内に血栓ができやすくなり、脳卒中、心不全、その他の合併症につながる可能性がある。
早期診断・早期治療によりこれらの合併症を防止できる場合がある。世界中で3000万人以上が罹患し、過去20年で30%以上増加している。65歳未満の約2%、65歳以上の約9%が診断されているが、心房細動があっても多くは健康で活動的な生活を送ることができる。
機能1:不規則な心拍の通知
Apple Watchがバックグラウンドで不定期に心拍を調べ、心房細動を示唆する不規則な心拍がないかを確認する機能だ。最低65分以上の間に5回以上の不規則な心拍リズムが検出された場合に通知が送信される。
通常、安静時に正確性を高めるために測定され、通知を受け取った場合、過去に診断されていないユーザーには医師の診察を促す。医師に相談するきっかけとなる重要な機能で、22歳以上が対象となっている。
この機能は「家庭用心拍数モニタープログラム」として厚生労働大臣より承認を受けている。
機能2:心電図アプリ
ユーザーが能動的に心房細動のチェックを行える機能で、デザインがシンプルで使いやすい。心電図(ECG/EKG)は、心臓の電気信号のタイミングと強さを記録する検査だ。
使用方法は、iPhoneのヘルスケアアプリで設定後、Apple Watchのデジタルクラウンと背面の電気心拍センサーを使用する。人差し指をデジタルクラウンに添えることで、第1誘導心電図に似た単極誘導心電図を手首で測定できる。
測定結果は以下の4つに分類される:
- 洞調律:心拍数50-100の間、心房と心室の拍動が同期、一定のパターン
- 心房細動:心拍数50-150の間、心臓が不規則なパターンで拍動。診断歴がない場合は医師の診察を促す
- 高心拍数または低心拍数:心拍数が50を下回る、または100を上回る場合
- 判定不能:記録を分類できない場合。ペースメーカー使用、認識できない不整脈、動きすぎ、Apple Watchが緩いなどが原因
測定後、息切れ、目眩、胸の痛み・圧迫感、失神などの症状を記録でき、測定結果はiPhone/iPadのヘルスケアアプリに保存される。この情報をPDFとして書き出し、医師と共有できる点が特に重要だ。
22歳以上が対象で、「家庭用心電計プログラム」として厚生労働大臣より承認を受けている。
機能3:心房細動履歴
心房細動と診断された22歳以上の方を対象とした機能で、iOS 17.0以降のiPhone、WatchOS 10.0以降のApple Watchで使用可能だ。
機能を有効化することで、心臓の健康に関する重要な情報(心房細動の兆候が見られた時間)を確認できる。週ごとに通知を受け取り、心房負荷(心房細動の兆候が見られた時間の推定値、パーセンテージ)が表示される。
心房負荷は、症状の重症度、生活の質、合併症リスクと関連する重要な指標だ。体重、エクササイズ時間、睡眠、飲酒量、マインドフル時間など、健康状態に影響を与える生活習慣要因も記録でき、これらの要因と心房負荷がグラフで表示される。
心房細動の兆候が最も多く見られる曜日や時間帯を特定できるため、自身の健康管理に役立てたり、詳細な履歴を記載したPDFを書き出して医師とのより詳しい情報に基づいた会話に活用できる。
医療機器としての信頼性
不規則な心拍の通知、心電図アプリ、心房細動履歴の各機能は、全て日本で管理医療機器として厚生労働大臣から承認を受けている。承認プログラム名は、不規則な心拍の通知機能と心房細動履歴機能が「家庭用心拍数モニタープログラム」、心電図アプリが「家庭用心電計プログラム」となっている。
ただし重要な注意点として、これらの機能は心房細動の兆候の検出を補助的に行い、受診を促すものであり、決して従来の医師による診断に代わるものではない。
Apple Watchが提供する心臓の健康機能は、早期発見のきっかけとなり、ユーザー自身の健康管理に役立つ強力なツールだ。しかし、これはあくまで補助的な機能であり、最終的な診断は医師が行う必要がある。Apple Watchは、暮らしをそっと見守る健康のパートナーとして、ユーザーの健やかな毎日を支援していく存在なのだ。
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