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「世界を捕る方法」教えます!Apple幹部が日本の学生前にサプライズ登場、驚きの対話で会場が沸騰

App Store担当役員らが学生コミュニティに電撃参加。花札アプリから革新的ギターアプリまで、日本の学生開発者の実力を世界が注目

Ann Thai Carson Oliver Apple Directors 02

AppleのApp Store担当役員らが日本の学生の前にサプライズ登場した。学生でも”世界を捕る”方法を伝授し、会場は大いに盛り上がりを見せた。

App Store、日本で460億ドルの事業売上を創出

App Storeでは現在、180万本以上のアプリが提供されている。App Storeは日本だけでも460億ドル以上にのぼるデベロッパの事業売上の創出に貢献しており、iOSの経済圏は国内で80万人以上のアプリ開発者を支えている状況だ。

「アプリ開発者」と聞くと大手企業を真っ先に思い浮かべる人も多いと思うが、学生という立場でありながらも大活躍している開発者も少なくない。実際に日本では、学生が開発したアプリが世界中で使われていたり、大手企業のアプリ開発に携わったりする例も出てきている。

そうした優秀な学生開発者が、毎年Appleが開催しているプログラミング言語「Swift」を使ったプログラミングコンテスト「Swift Student Challenge」において、日本はここ数年間は毎年入賞者を輩出している。

Apple幹部がサプライズ登場、学生コミュニティを熱烈応援

今回、Swift Student Community Japanのイベントに、アン・タイ氏(シニアディレクター、グローバル マーケットプレイス プラットフォーム & テクノロジー)とカーソン・オリバー氏(シニアディレクター、グローバル App Store)が来日。イベントにサプライズで参加し、学生からの質問に耳を傾け、日本人学生コミュニティを応援した。

両氏の登場は完全にサプライズで、会場にいた学生たちは大いに驚き、興奮を隠せない様子だった。普段なかなか接点を持てないAppleの幹部と直接対話できる貴重な機会となった。

日本の学生が生み出す革新的なアプリの数々

実際に日本の学生はどのようなアプリを作っているのか。今回注目すべき2人の学生開発者を紹介したい。

Swift Student Challenge Community Japanの創設者である尾崎正和氏と、Swift Student Challenge Distinguished Winner 2025である濱本太輝氏だ。

多彩なアプリを手がける尾崎正和氏の挑戦

まず尾崎正和氏は、デザインエンジニアとして2025年3月にooo.engineering Inc.を設立した起業家でもある。2024年のSwift Student Challenge勝者であり、同時に90名以上のメンバーを抱えるSwift Student Community Japanの創設者・管理者として、日本全国の学生Swift開発者をサポートし、つなげる役割を果たしている。またApple Storeでのセッション「Today at Apple」を他のSwift Student Challenge受賞者と共に主催した経験も持つ。

尾崎氏は、学生が挑戦できる環境を整え、多くの学生にインスピレーションを与えることの重要性について熱く語った。「自身のストーリーを共有することが最も良い方法。濱本氏がコミュニティに参加し、実際にプロダクトを発表していること自体が、他の学生にとって『自分もやってみよう』という感染力のある素晴らしいインスピレーションになる」と述べている。

尾崎氏のアプリ開発実績は実に多彩だ。iOS特化の編集機能を持つ壁紙作成アプリは世界中で約3000人のユーザーに利用されており、2つのユーザーインターフェース特許で保護された日本経済新聞のアプリ「日経空間版」やDEPSEアプリシリーズも手がけている。2024年のSwift Student Challengeで受賞したゲームアプリ「Look that Way!」も代表作の一つだ。

また、2025年7月末にリリース予定の手書きコミュニケーションアプリ「wooow」では、近くにいる友人を認識し、絵を送信できる機能を実現予定。プライベートな内容も共有でき、地図上に記憶やメモを保存する機能も実装される予定だという。

伝統文化をテクノロジーで蘇らせる濱本太輝氏

一方、濱本太輝氏は熊本県立大学の卒業生で、現在は同大学の職員として働いている。熊本県の小学生向けに開発したアプリ「ezuQ」は、県内すべてのiPadにApp Store経由で広く配布された実績を持つ。WWDC25にはDistinguished Winnerとして参加し、Swift Student Challenge交流会でティム・クック氏に自身のアプリのデモを披露した経験もある。

濱本氏の代表作「Hanafuda Tactics」は、伝統的な日本のカードゲーム「花札」にインスパイアされたアプリだ。花札が文化的絶滅の危機に瀕し、その認知度が急速に低下している状況を受けて開発された。アクセスしやすいルールでゲームを再構築することで、独特な季節の花のモチーフを世界的な観客に紹介し、この貴重な文化遺産を将来の世代のために保存することを目指している。

花札の実際のルールに加えて、「ヒットポイント」という独自のゲーム要素も導入されており、このポイントで戦うという概念は濱本氏自身が考案したものだ。伝統的な文化をテクノロジーで蘇らせる試みとして、非常に注目に値する取り組みといえる。

現在は、iPhoneとApple Watchを使ってギターを弾く体験ができるアプリを開発中だという。ただし、開発中にApple Watchとスマートフォンの接続時間に制限があるという技術的課題に直面しており、演奏中に接続が切れてしまうことがあるため、改善が必要だと課題を共有した。

WWDC25で松村太郎さんのインタビューでも語っている(10分40秒〜)

世界を目指す学生への実践的アドバイス

イベントでは、学生からキャリア形成やアプリ開発に関する多数の質問が寄せられた。Apple幹部らは、キャリアパスの多様性について自身の経験を交えながら語り、音楽業界からテクノロジー業界へ、NPOからAppleへといった経験談を通じて、自身の多様な興味や関心を追求することの重要性を伝えた。

特に印象的だったのは「道を見つけよ(find a way)」という哲学の共有だ。この言葉は、実に5度目の挑戦で、64歳でキューバからフロリダまでの160キロを泳ぎ切った女性水泳選手の話が由来だ。これは、強い決意と忍耐力、そして創造性を持って取り組めば、目標を達成し、困難を克服できるという信念を強調するものだと説明された。

App Storeを最大限活用するための秘訣

App Storeを活用したアプリ成長の秘訣についても詳しく説明された。個人開発者でも活用できる豊富なリソースとして、以下のようなツールが紹介された:

  • developer.apple.comの充実したコンテンツ
  • 開発者向けフォーラムとバーチャルセッション
  • TestFlightによるベータテスト機能
  • プロダクトページ最適化のA/Bテスト機能
  • App Analyticsによるベンチマーク機能

「ベストなアプリ」を作るためのアドバイスとして、開発者自身や身近な人が直面している課題を解決する「本物」の視点を持つことの重要性が強調された。完璧なソリューションを目指すために何度も実験と反復を繰り返し、方向転換を恐れず柔軟に対応することが成功の鍵だと伝えられた。

グローバルな可能性を秘めたプラットフォーム

App Storeは世界175カ国以上で展開しており、毎週8億人もの人々がApp Storeを訪れ、次のお気に入りのアプリやゲームを探している現状がある。世界中の何億人もの人々が、開発者が作ろうとしている新しいプロダクトや機能を強く期待し、待っているのだ。

このイベントは、日本の学生開発者にとって世界への扉を開く貴重な機会となった。参加者たちは大いに刺激を受けた様子で、学生という立場でありながらも、グローバルな舞台で活躍できる可能性を改めて実感できるイベントとなったようだ。

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特集
公開情報
更新日2025年09月27日
執筆者g.O.R.i
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