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Apple幹部が本音で語った「日本の開発者がすごすぎる理由」

独占インタビュー:「常に感銘を受けている」創造性と技術力、467億ドル市場の裏側

Ann Thai Carson Oliver Apple Directors 01

学生イベントでのサプライズ登場を果たしたApple幹部らに、改めてじっくりと話を聞く機会を得た。アン・タイ氏(シニアディレクター、グローバル マーケットプレイス プラットフォーム & テクノロジー)とカーソン・オリバー氏(シニアディレクター、グローバル App Store)が語ったのは、日本の開発者への深い敬意と、これからのApp Storeが描く未来だった。

「常に感銘を受けている」Apple幹部が語る日本の開発者

まず、日本の開発者についてどう思うかを尋ねると、タイ氏は迷いなく答えた。

「Appleは40年以上にわたり日本で事業を展開しており、日本の開発コミュニティと深い関係を築いています。私はこれまで何度も日本を訪れる機会に恵まれましたが、日本の開発コミュニティの創造性、独創性、そして才能のレベルには常に感銘を受けています」と語る。

この言葉の背景には、Appleが日本に多大な投資を行っている理由がある。App Storeだけでなく、すべての製品開発や開発コミュニティとの連携、そして彼らの製品を世界に共有することに力を入れているのだ。

カーソン・オリバー氏も、日本の開発者の特別さを強調した。「日本の開発者は、世界中の人々から愛されるゲームやアプリを構築しています。それは、彼らが本当に愛される製品、知的財産、そしてキャラクターを創造しているからであり、これらが日本国内だけでなく、世界中の顧客に響き渡るのです」と語る。

特に興味深いのは、日本からは「非常に大規模なグローバルブランド」と「地元の人々のために作られた非常に強力なローカル製品」の両方が生まれていることだ。この多様性こそが、日本の開発者の「並外れた創造性」を物語っている。

実際、Swift Student Challengeでは、日本人学生が継続的に入賞を果たしており、特に近年はDistinguished Winnerを輩出する国としての地位を確立している。今回のイベントで紹介された尾崎正和氏や濱本太輝氏のような、世界レベルで評価される学生開発者を輩出し続けているのが日本の強みだ。

ゲームApp登場、シングルプレイヤーがマルチプレイヤーに変わる革命

近年、Mac向けに「サイバーパンク2077」がリリースされるなど、Appleプラットフォームでのゲーム体験が注目されている。この流れを受けて、Appleが新たに発表したのが「Games」アプリだ。

Apple WWDC25 Apple Games app hero

「今日、5億人以上の人々がiPhoneでゲームをプレイしています」とタイ氏。このゲームAppは、そうしたユーザーがゲーム体験をさらに楽しむための「まったく新しいオールインワンの目的地」として開発されている。

ゲームAppの最も画期的な機能は、シングルプレイヤーゲームをソーシャルな体験に変えることだ。現在プレイしているゲームをさらに活用したり、友人がプレイしているゲームを通じて新しいゲームを発見したり、チャレンジ機能を通じて一人用ゲームを皆で楽しめるものに変えられる。

カーソン・オリバー氏は、この機能について「誰もが思いつきそうで、誰も思いつかなかったこと」と表現し、期待を寄せた。さらに、ゲーム体験中にエンゲージメントを深める「ゲームオーバーレイ」機能も提供される。

開発者にとって嬉しいのは、「チャレンジ機能」がGame Centerのリーダーボードの上に構築されていることだ。既存のリーダーボードを使用している開発者なら、大きな労力をかけることなくゲームにチャレンジ機能を実装できる。このゲームAppは、Mac、iPad、iPhoneのすべてで利用可能になる予定だ。

また、「Apple-Hosted Background Assets」も発表された。これにより、グラフィックが豊富なゲームでも、ユーザーはストアからシームレスにダウンロードできるようになる。

毎週8億人が訪れるApp Store、467億ドルの経済効果

競争が激化する市場において、App Storeの独自価値は何か

タイ氏は、設立以来一貫して「高品質で安全、そして信頼性の高い体験をユーザーに提供」してきたことを挙げた。

その規模は圧倒的だ。「毎週、世界中で8億1,300万人以上の訪問者がApp Storeを訪れ、学生が開発したAppから、大手企業が開発したAppまで、積極的に試しています」と述べる。

経済的な影響も顕著で、「2024年だけで、App Storeは467億ドル以上の請求と販売に貢献しました」とタイ氏。この467億ドルという数字は「日本だけで」の金額だと、オリバー氏が付け加えた。

この規模感を裏付けるように、第三者機関の調査でも日本市場の重要性が示されている。Sensor Towerによると、日本はモバイルゲーム市場規模で世界トップクラスに位置している。また、Statistaの調査では日本のApp Store売上は世界第3位(中国を含む場合)、ASOMobileの調査では世界第2位(中国を除く場合)となっており、一人当たりのアプリ課金額も世界最高水準となっている。

世界175カ国への扉が開かれている

オリバー氏は、App Storeが提供する最もユニークな価値として「グローバルな機会」を強調した。

「App Storeの機会について開発者と話す際、それは本当にグローバルな機会なのです」と説明する。開発者は地元の市場だけでなく、米国、中東、ヨーロッパなど、世界中の175の市場の顧客にリーチできる。

興味深いのは、グローバルな製品でありながら、App Storeが「すべてのストアフロントで非常にユニークなローカルアプローチ」を採用していることだ。各市場には「グローバルエディターのチーム」がおり、その市場で最高のAppやゲームをキュレーションしている。そのため、Appや季節のイベントなども「現地の顧客に本当に響く」ものになっているという。

「日本の開発者が次に何を構築するのか、楽しみにしています」

アン・タイ氏は改めて、日本の開発者への期待を表明した。「日本を訪れるたびに、日本の開発者の創造性と技術力にはいつも感銘を受けています。App Storeは、彼らがビジネスを構築し、地元だけでなく世界中の175の市場でオーディエンスにリーチできるよう、ここに存在しています」と語る。

そして最後に、こう締めくくった。「日本の開発者が次に何を構築するのか、楽しみにしています

カーソン・オリバー氏も、この言葉に深く同意した。「ありがとうございます。まさにその通りです」と応じ、両氏が日本の開発者への期待を共有していることが印象的だった。


Apple幹部の言葉からは、日本の開発者への深い敬意と期待が伝わってくる。App Storeが提供するのは、まるで世界中の才能あふれるアーティストたちが作品を展示する、厳選された国際ギャラリーのような場所だ。

そこでは、地元の文化に根ざした独自の表現が尊重されつつ、地球上のどこにいても、その作品が多くの人々に発見され、評価される機会が与えられている。毎週8億人以上が訪れるApp Store、世界第2位という日本の売上規模、世界最高水準の一人当たり課金額、そして世界175カ国への扉。

これらすべてが、日本の開発者たちの創造性を世界に届けるためのインフラとして整備されているのだ。学生であろうと、個人開発者であろうと、大手企業であろうと、素晴らしいアイデアと情熱があれば、世界中の人々に愛される作品を生み出せる環境がここにある

さあ、次はあなたの番だ。

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特集
公開情報
更新日2025年09月27日
執筆者g.O.R.i
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