「Apple 京都」、グランドオープン!和風テイストの新型店舗の見どころ
「Apple 京都」が8月25日、ついにグランドオープンした。「Apple 新宿」に続く国内2店舗目となるタウンスクエア型の新店舗となっていて、2004年にオープンした「Apple心斎橋」に続く、関西エリアにおいて14年ぶりの2店舗目。
記念すべき新店舗がオープンするということでオープン前から並び、無事限定Tシャツ・ピンバッジ・ステッカーをゲットしつつ店内を見てきたので、「Apple 京都」に来たらチェックしておきたい見どころをレポートする!
Apple京都へのアクセス:最寄り駅、営業時間
場所は、京都駅から地下鉄烏丸線を乗り継ぎ、四条駅から徒歩5分の場所にある。神戸・大阪方面の場合、阪急京都線の烏丸駅で降りれば、「Apple 京都」は目の前。
地下通路からアクセスする場合、16番口から出れば目の前に、15番出口から出れば道路を挟んで反対側の出口に出る。
Apple京都 | |
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営業時間 | 月曜日 〜 日曜日、10:00 〜 21:00 |
住所 | 600-8006 京都府京都市下京区 四条通高倉東入立売中之町83-1 |
地図 | |
最寄り駅 | 阪急京都線 烏丸駅 地下鉄鳥丸線 四条駅 |
地下通路にある巨大ウォールグラフィックも必見
いつまで掲載されているか分からないが、地下通路にある巨大ウォールグラフィックも見てきた。グランドオープン前からあったが、実物は想像以上の迫力だった。
1階:街の人々と店内を隔てるのは巨大なガラス窓のみ
1階の雰囲気は「Apple 新宿」と似ている。交差点にあり、窓ガラスの反対側はすぐ道なので、まるで街の一角に融合したような感覚さえもある。
奥は吹き抜けとなっていて、中央には自立した巨大スクリーンが設置。そのさらに奥には2階へと続く階段が設置されていた。
製品の展示スペースは「Apple 新宿」と似た雰囲気
iPhone、iPad、MacBookのほか、アクセサリやヘッドホンなどの展示も新宿店と同じ。MacBook Proの電源周りと見ると、「Apple 新宿」にもあった円形の電源が確認できた。この小ささで最大100Wまで出力できるというのだから、本当にすごい。
ケースやヘッドホンのスペースも健在。実際に自分のiPhoneに取り付けて試着することができ、気に入ったケースを見つけたら展示されているケースごと引くと棚が開き、新品の梱包された同じケースを取り出すことができる。
自立型の6Kビデオウォールの存在感は抜群
店外からも見える、店舗の中央に存在感を放つ巨大なディスプレイは自立型の6Kビデオウォール。高さは3メートル、横幅は6メートルとなっていて、自立型なのでディスプレイの裏側もとおることができる。部屋のど真ん中に巨大ディスプレイが突っ立っている姿は冷静に考えるとなかなかすごい。
「フォーラム」と呼ばれるイベントスペース
巨大ディスプレイの前には丸い椅子と四角い椅子が並べられている。ここも「Apple 新宿」と同じく「フォーラム」と呼ばれるイベントスペースとなっている。
柱の漆喰塗りが「クオリティが高すぎる」と話題
この柱は京都の左官職人による漆喰塗りになっているという。内覧会のレポートで「言われないと気付かないレベル」と聞いていたが、確かにこれは言われないと分からない。
階段:Steve Jobs Theaterにあるものと同じ
「Apple 京都」はこれまでのApple Storeの中でも特別な存在であるように感じる。それを感じるのは1階ではなく、2階へと続く階段だ。
内覧会で明らかになったのはこの2階へと続くこの階段は「Steve Jobs Theater」にある地下への階段を完全再現しているとのこと。人口代理石のものを使用し、手すりやスロープも全く同じだという。
【Photo by Youta Suzuki】
「Steve Jobs Theater」にあるものと同じ、という事実だけでご飯3杯は食べられそうだが、やはりそのデザインはあまり見かけたことのない独特なデザインとなっている。特に壁側の手すりは階段に対して出っ張っているのではなく、手すりとなる部分が凹んでいる。
もちろん、しっかりと握ることができるように設計されている。よく考えてみればこの程度の階段で手すりを握ることなんてほとんどないが、それでも思わず目が行ってしまうというのはやはりデザイン的に惹かれる何かがあるということなのだろう。
ちなみに「Apple 京都」のスタッフで声をかけていただいたナギさんによると、この階段は免震構造となっていて、揺れを吸収できるように設計されているという。この隙間はそのためにあるらしい。
2階:京都ならではの和風テイストがモダン仕上げに
2階は間違いなく「Apple 京都」オリジナルの雰囲気だろう。街に馴染むように京都の雰囲気をイメージし、店内の照明はギラギラしているのではなく、ふわっとした柔らかい明かりになっている。他のApple Storeに足を運んだことがある人であれば、この雰囲気は驚くかもしれない。
このフロアでは写真、音楽、プログラミング、その他をテーマとする無料講座、Today at Appleのセッションが毎日開催される。
障子をイメージした柔らかい光を入れる窓
窓は日本の伝統的な木造家屋と障子をイメージして、格子と和紙を思わせる素材を使用。柔らかい光が店内に広がる。
実際は和紙ではないらしいが、近くで見ても和紙であるように見えるので不思議だ。
周りが暗くなった夜の「Apple 京都」もまた一味違う雰囲気を味わうことができる。Appleは「日本の行灯からインスピレーションを受け、薄く透けた建具で囲まれて、灯りがともるようなデザイン」を採用したと紹介しているが確かにそのように見える。
【Photo by Youta Suzuki】
幻想的とは言い過ぎかもしれないが、他のApple Storeでは見たことのない、独特のオーラを放っている。
現時点では「Apple 京都」にしかない長テーブル
2階の奥にある長テーブルは日本では今この「Apple 京都」にしかない代物だそうだ。オープン当日、早速多くの人が一休みするために使っていた。
このテーブルには「Apple 新宿」にもあった、手をかざすと電源や有線LANポートが浮かび上がる仕様となっている。毎回思うが、これ、自宅に欲しい。自宅の食卓に設置したい。
Appleの体現しようとしている「現代の公共広場」がここに
「Apple 京都」は日本人だけではなく、外国からの観光客にとっても集いの場になりそうだ。
Apple Storeには英語が流暢に話せるスタッフがいることはもちろんのこと、中国語や韓国語を話しているスタッフを見かけることが多い。Appleの気になる製品やサービスがある人が自分の母国語で対応してもらえる環境が用意されていることは非常に素晴らしいことであり、必要なことだと思う。
数年ぶりに京都に来たが、やはり日本の観光名所ということもあり、観光客と見られるスーツケースや巨大リュックを背負った外国人が少なくない。
「Apple 京都」は京都の中でも中心地的場所、いわば一等地にあるらしい。言われてみれば隣はルイヴィトンだった。中に入れば空調の効いた快適な空間となっていて、無料Wi-Fiも電源もある。
さらに、一般公開はされていないが、日本のApple Storeとして初めて「ボードルーム」が導入されている。この部屋はAppleとの法人としての商談がある場合にのみ利用される会議スペースとなっていて、任天堂を筆頭に京都を中心としたビジネスが集う場になるのだろうか。
Appleのリテール担当シニアバイスプレジデントのAngela Ahrendts氏は、「Today at Apple」を発表した際にApple Storeの目指す方向性について2017年にこのように述べていた。
私たちが作ろうとしているのは現代版の公共広場です。誰もが歓迎される場所に、Appleが提供する最高のものが集まり、人と人がつながり、夢中になれる新しいものを見つけたり、個々の技能をステップアップできる、そんな場所です。
発表された当初、僕はこれの意味が全く分からなかった。コーヒーを飲めるカフェでもないのに公共広場になるなんてできるのだろうか、と。
「Apple 京都」に来てみてそれが分かった気がする。街に溶け込むようなデザインは「入店する」というハードルを可能な限り下げ、電源やWi-Fiを開放し、無料で受けられる学びの場を提供することによって”集いの場”を実現しているのだ。きっと。
京都には素晴らしい観光名所があるが、時間に余裕があれば「Apple 京都」に立ち寄ってみるべし!