【レビュー】Vinpok Taptek:Magic Keyboardとほぼ同じキー配列の青軸メカニカルキーボード
クラウドファンディングで話題になっていた、独自の青軸を採用したロープロファイル・メカニカルキーボード
16インチ型MacBook Pro(2019)をデスクトップ化する際に使用するキーボードとして、「Vinpok Taptek」を購入した。
海外では「Indiegogo」、国内では「Makuake」を通じてクラウドファンディングが行われ、どちらも達成。日本では最終的に4,000人以上のバッカーと5,300万円が集まった人気プロジェクトだ。
興味を持った理由は大きく分けて2つある。1つは、「Magic Keyboard」とほとんど同じ配列であること。デスクで作業する時は外付けキーボードを使用するものの、持ち運ぶ時や自室以外で作業する時は16インチ型MacBook Pro(2019)の内蔵キーボード(US配列)を使用する。長年このキー配列に慣れてきたということもあり、極力似たようなキー配列を採用したものが良かった。
もう1つは、メカニカルキーボードの中でもキーストロークが極端に深くないこと。「Taptek」のキーストロークは1.5mm、キー荷重は60g。これまで使用してきた「ロジクール ワイヤレス ソーラーキーボード K760」のキーストロークは2mm、キー荷重は60gだったことから、非常に近いタイピング体験ができると予想していた。
矢印キーの位置とタイピング音は慣れが必要
「Taptek」は、独自の青軸を採用した薄型メカニカルキーボード。ミニマルなデザインが特徴で、サイズも非常にコンパクトだ。キー配列はUS配列のみで、日本人の多くが親しみのあるJIS配列は用意されていない。
重量は約540g。持ち運ぶ人以外は関係ないが、一般的なメカニカルキーボードと比べて非常に軽く設計されているそうだ。
キーキャップのレイアウトはMacおよびWindowsの2種類から選ぶことができ、iOSおよびAndroidデバイスにもペアリングして利用することが可能。ワイヤレス接続だけではなくUSB-C端子による有線接続も対応している。
有線接続兼充電用のUSB-Cポート、接続方式の切替スイッチ、Mac/iOS・Win/Androidの切り替えスイッチは本体の本体上部の側面に用意されている。
本体には1,800mAhのバッテリーが内蔵され、バックライトをオンにした状態で最大13時間、オフにした状態で最大3週間使い続けることができるという。
ゲーミングPC向けキーボードでは一般的な「RGBライティング」にも対応。個人的には必要性を感じないが、19パターンから選ぶことができ、手元を派手に演出することができる。
裏側はツルッとした素材で、傾斜を加えられる折畳型キックスタンドは用意されていない。指紋も傷も目立つので、極力裏返さない方が良い。
本体にはわずかな傾斜がある。計測したところ、手前側が12mm、奥側が16mmだった。メカニカルキーボードとしては薄型として分類され、「ロープロファイルキーボード」と言われているそうだ。
人によってはパームレストの導入を検討した方が良いかもしれない。人気製品「FILCO Genuine ウッドリストレスト」は「TapTek」に対してやや厚みがあり、かえって操作しづらさを感じた。代わりとなる「Happy Hacking Keyboard」用パームレストを注文したので、届いたら別途レビューしたいと思う。
Magic Keyboardに限りなく近い配列、矢印キーのみ異なる
「Magic Keyboard」と比べてみると、キー配列はほぼ同じ。異なるのは矢印キーの配列。左右の矢印キーは同じだが、上の矢印キーが右の「shift」キーを潰すようにして配置されている。
右の「shift」キーはほとんど使わないが、上矢印キーを押したい時に誤って下矢印キーを押してしまうことは多々ある。使っているうちに慣れるが、これほど近い配列にするのであれば、一層のこと全く同じデザインにしてほしかった。
「fn」キーが左下に配置されていることは非常にレア。Mac用キーボードが多数存在する中、「Magic Keyboard」と同じこの位置に「fn」キーを搭載している製品はあまり見かけない。
見比べると「Magic Keyboard」と比較して「Taptek」の方が厚さがあるように見えるが、これまで試してきた他のメカニカルキーボードよりも馴染みやすい。
Magic Keyboardから乗り換えの乗り換え先としての第一候補?
「Taptek」を使い始めた当初、「ペチペチ」とした甲高いタイピング音が不快に感じ、すぐに使うことを止めてしまった。ところが「REALFORCE TKL for Mac(R2TL-USVM-BK)」や「HHKB Professional HYBRID」などの高級キーボードを試しているうちに、「Magic Keyboard」に近い配列であることが魅力的に感じるようになった。
僕のように長年、Appleの浅いキーボードに慣れてしまった人にとって、キーストロークの深いキーボードへの移行は難しい。キートップをなぞるようにして指を動かし、必要最低限の動きで文字が入力される仕組みに指先が慣れてしまっているため、キーを押し込む動作になかなか馴染めない。
キーを押すと指先に衝撃がダイレクトに走るキーボード、それが「Magic Keyboard」なのだ。高級キーボードを使っている人が力説する「指を置いた時点で入力される」ようなタイピングができるようになるまで訓練が必要なのだ。
メカニカルキーボードデビューを考えているMacユーザーにとって「Taptek」はとても良い選択肢だ。「Magic Keyboard」に似たキー配列、深すぎないキーストローク、パームレストを別途用意せずに使える薄型設計、場所を取らないコンパクトデザイン。最大3台までのBluetooth接続に対応し、MacだけではなくiPadやiPhoneともペアリングすることでデバイスを切り替えて使うこともできる。
最大の欠点は価格だ。似た薄型メカニカルキーボードとして海外で人気のある「Keychron K1 (Version 3)」でさえ69ドルから購入できる中、2万円という強気な価格設定がされている。数千円の追加で、愛用者の多い「REALFORCE TKL for Mac(R2TL-USVM-BK)」が購入できてしまう。
それでも僕は「Taptek」を購入して満足している。僕のようにAppleのキー配列に慣れ親しんでしまった人は、「Magic Keyboard」に限りなく近いキー配列を持つメカニカルキーボードに2万円払う価値は見いだせるかもしれない。
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おっすおっす!
Keychronも気になるキーボードでした。
レビュー楽しみにしています!
試してみる価値はあるかもですね!僕は今日絶妙な高さのあるパームレストが届いて試してみたんですが、この低さだと無くても結構快適だということに気づいて、使わずにそのまま使うことになりそうです!超余談ですが、Keychron K2を取り寄せているので(メルカリで落札した)、Taptekと比較するのが楽しみです!
返信ありがとうございます。
真逆な印象なんですね。僕はもう殆ど使っていなかったのですが、goriさんのレビューを見てもう一度触って見ようと思いました。
えー僕は逆に思ったよりも深く押さないと入力されないなぁ、という印象です。もともとうっすいキーボードでバチバチ叩くようなタイピングをしているからですかねぇ……?「なんだよもっとカジュアルにタイピングできるんじゃないのかよ」って思っちゃいましたwまあ今は結構慣れましたけど……
ちなみに今もまだ使われてますか??
Taptekをクラウドファンディングの時に買いましたが、キーの押し込みが足らなくとも入力されませんか?
僕の機体ではキーがカチッとなる前に反応してしまって使うのが辛かったです。
普段はHappy Hacking Keyboardを使っています。
あー言われてみれば左のShiftキーが少し大きいのでやや全体的に右に寄っているんですね……きづかなかった……。ちなみに今は何のキーボード使われてます??
Taptekキーボードは「Z」キーが他のキーボードより右側に配置されているのでミスタイプが増えるんですよねぇ。。。
私はTaptekキーボードを使うとブラインドタッチできなくなります。それが非常にストレスで使うのを諦めました。