HHKB Professional HYBRIDファーストインプレッション:最高に格好良いのに全然使いこなせない
英字配列モデルを選んだがゆえに、矢印キーがなくて動揺 deleteキーの位置もMacと違っていて脳内パニック
根強いファンから長年愛され続けている高性能キーボード「HHKB」こと「Happy Hacking Keyboard」のラインナップが刷新された。
発表会に参加し、「HHKB Professional HYBRID」の英字配列モデルを1台提供して頂いたのだが、HHKBデビューの僕にとっては2019年触れたガジェットの中で全く使いこなせないガジェット堂々のナンバー1になりそうだ。でもこのキーボード使っているとやたらと仕事ができるように見えるから、使えるようになりたい……。
その前に、まずは簡単に発表内容のおさらいを。
HHKB Professional新モデル発表イベントレポート
今回より、「HHKB Professional HYBRID」、「HHKB Professional HYBRID Type-S」、「HHKB Professional Classic」の3グレードがラインナップ。全モデル共通してUSB-C接続になっている他、上位2機種(HYBRID / HYBRID Type-S)はUSB接続および最大4台までのマルチペアリングが可能なBluetooth接続の両方に対応している。
このマルチペアリング機能はキー操作で簡単に切り替えることができるそうで、同じキーボードを自宅や職場で使いたい場合や、MacとiPadの二刀流で使っている人にとっては非常に便利そう。
さらに、最新モデルはキーカスタマイズ機能が強化され、従来の「DIPスイッチ」だけではなく、「キーマップ変更機能」を新たに搭載している。設定はHHKB本体に保存されるため、同じキー配列を複数のデバイスで利用できるそうだ。
この機能は残念ながらWindowsのみの提供からスタートするが、将来的にはmacOS版も用意されるそうだ。そう言えばHHKBユーザーの比率、WindowsユーザーとMacユーザー、どっちが多いんだろう。意外とLinuxユーザーの割合がまあまあ高かったりして。
ちないにHHKBは最新モデルになっても単三電池式。なぜ充電式にしなかったのか、という質問に対し、内蔵電池だとキーボードよりも電池が先に劣化してしまうことを挙げ、耐久性と持ちの良さをアピールしていた。
個人的に、この質疑応答が今回の発表の中で最も感心したかもしれない。電池は劣化するが、キーボードは劣化しない。だからあえて電池式を採用した。最近のガジェットは何でもかんでも充電式が当たり前だが、それだけ長く使い続けられることを前提としたガジェットがあることになんだかグッと来た。
会場でも頷く人が多く、やはり多くのファンに長く愛されている製品であると実感した。
ハンズオン:16インチ型MacBook Pro(2019)に接続して使ってみた
さて、HHKBの新製品発表会に参加した僕だが、普段は16インチ型MacBook Pro(2019)のキーボードで直接作業している。HHKBといえば、前職のエンジニアがガツガツ叩いているイメージがあり、「こんなにキーストロークの深いキーボードでよく打てるなあ」と感心していたが、実際に使ってみてすぐに納得した。
確かにめちゃくちゃ打ちやすい。そしてもっと打音が大きいイメージがあったが、実際に打ってみると意外とそうでもない。多分僕が「Magic Keyboard」を叩いている時の音と変わらないような気がする。
PFUがASMRを公開していたので、聞いてみたい人はどうぞ。結構心地よくて、作業量BGMにしても良いレベル。
何よりも見た目が格好良い。値段が高いだけあって机の上にあるだけで「この机に座っている人、めちゃくちゃ仕事できます」感が漂う。これ、僕のデスクなのに。ついでに、「MX Master 3」との相性も抜群で良い。
僕は生粋のUS配列マンなので英字配列モデルを選択。早速Bluetoothペアリングをし、使い始めたところ、早々にトラブルに遭遇。英字モデルは僕が作業に欠かせない矢印キーがないのだ。
調べてみたところ、どうやら小指のファンクションキーを推しながら「;/:」キーや「’/”」キーを押すことによって使えるらしい。なるほど。これは相当慣れが必要になりそうだが、身についたらホームポジションからほとんど動くことなく操作できそうで良い。
さらに、打とうとする度に違うキーを叩いてしまって困っているのが「delete」キーの位置。MacBook Proのキーボードでは「+/=」キーの横にあるのだが、HHKBでは「]/}」キーの横にある。
これはものすごくハードルが高い。見ながら打っても小指がうまく適応してくれない。移動してくれない。「delete」キーの位置が身体に、いや、指先に染み付いていて正しい方向に指が動いてくれない。これも鍛錬が必要になりそうだ。
もう1つ気になったのは、左下に「control」キーがないことだが、ここは最初からあまり使っていなかったので、困らなかった。
これは相当な鍛錬が必要になりそうだが、使いたい。使いこなしてみたい。使いこなしている自分がいたら格好良いと思うので、練習してみたい。
熱い思いがある一方で、このキー位置に慣れると今度はMacBook Proのキーボードだけで使う時に困りそうだ。いやだからみんな持ち運ぶというのは分かるのだが、ちょっとあのスタイルには僕はまだ踏み込めない。
MacBookのキーボードの上にHHKBを載せるスタイルも、どうしても原始人がスマホを使っている現代人を見る目で見てしまう。いやだってキーボードの上にキーボード載せるってどういうこと……。
僕のHHKBデビューは期待していたほどスムーズではなかった。きっと慣れるまで相当時間がかかるという覚悟もある。
ただ、実際に使ってみて長年愛用しているファンが多数いることも納得した。この打ち心地に慣れてしまったら他のキーボードが使えなくなるような気がする。16インチ型MacBook Pro(2019)の進化したはずのキーボードで感動していたはずの僕が、HHKBのキーボードの方が指が疲れなくて心地良いと感じているのだから間違いないと思う。
キーボードに最高の打ち心地を求めている人は、刷新された新しいHHKBシリーズをチェックしてみるべし!