大学生のパソコン選び：MacとWindows PC、どっちを選ぶべき？

大学で使用するパソコンは、何を買うべきか。

実際に学生の間では、MacとWindows PCで悩む人が増えている。スマホしか使ったことがない高校生が、大学生になってレポートを提出する際にタイピングができない、使い方がわからないという問題が起きており、一部の高校で問題視されているという。

本記事では、Mac対Windows PCを議論するつもりはない。そもそも大学で使用することを前提とした場合、パソコン選びは学生自身の好み以前に抑えるべき条件がある。

最も確実な選び方：入学予定の大学が推奨するパソコンを選ぶ

STEP 1：学校側が推奨する仕様を知る

大学生におけるパソコン選びで最も重要かつ確実なのは、学校側が推奨する仕様を知ること。「とりあえずパソコンがあれば何でも良い」という人であれば、最低限確保しなければならないスペック、求められるレポート提出形式、授業で使用するアプリケーションを把握しておこう。

授業で使用する必須アプリケーションは、大きな落とし穴となりうる。手元のパソコンで動作しない場合、学校の共用施設を利用したり、借りたり、別途購入したりする手間が発生する。M1 Macの場合、「Windows限定」は回避できない恐れもあるため、予め確認しよう。

詳細は、大学生協での確認が最も確実。他にも学事への問い合わせ、オリエンテーションの際に教師や先輩に聞くのも良いだろう。一部の学校は、「○○大学　推奨パソコン」で検索すれば出てくる。

推奨パソコンの一例：SFC（慶応大学湘南藤沢キャンパス）

僕の母校であるSFC（慶応大学湘南藤沢キャンパス）では、SFC BYOD推奨仕様パソコンのご案内としてM1 MacBook Air、M1 MacBook Pro、dynabookの3機種を案内。課題や研究に必要とすることから、「高いスペックのパソコンがおすすめです」と説明している。

慶應義塾生活協同組合　受験生・新入生応援サイト2022より

SFCはパソコンがなければ成り立たない、特殊なキャンパスだ。参考に大学別の日本一受け入れ人数が多いとされる日本大学は、学科によって異なる。Windows上でしか動作しないアプリケーションを使用する学科もあり、購入前に確認するべきだ。

メモリ4GBを最低条件とし、5〜7万円台で十分としているものもあった。パソコンを大学の授業のみで使用するのであれば、一先ず推奨仕様さえクリアすれば問題ない。

STEP 2：予算と相談、トラブル発生時の対応も考える

必要な要件を満たせば、パソコン選びは予算との兼ね合いだ。他にも「持っていてテンションが上がるか」「困ったときに周りに聞ける人がいるか」などを選定基準として考えると良いだろう。

特にトラブル発生時のサポートは重要。調べればたいていのことは答えが見つかる時代だが、パソコンではときに理解不能なトラブルに遭遇する。周りに相談できる環境のほうが何かと安心だ。

4年間使い続けるなら、少し”背伸び”したスペックがおすすめ

学校が推奨する基準ギリギリのスペックは、当初は問題なかったとしても在学年数を重ねるにつれて作業内容や課題が高度になる。毎日のように使っていれば、パソコン本体も経年劣化する。「4年間買い換えずに使う」を前提とするならば、余裕を持ったスペック選びをおすすめしたい。

M1 MacBook Airのストレージやメモリの選び方

もしMacを選ぶのであれば、M1 MacBook Airは予算とスペックのバランスが極めて優れた製品だ。学生・教職員向けストアおよび新学期キャンペーンの組み合わせで、従来よりもお得に購入できる。

問題は選ぶべきスペックだ。基本的には販売されている標準モデル（吊るし）で十分だと思うが、以下に簡単に解説しておく。

CPU/GPUのコア数

M1 MacBook Airは、7コアGPUモデルと8コアGPUモデルがある。GPUは、グラフィック性能を司るチップで、映像の書き出しなどで役に立つ。

僕のような文章執筆作業、写真現像作業が多い人はGPU性能の重要度は低い。7コアGPUモデルを選んでも快適に作業ができるだろう。

ストレージ

最低容量は256GBだが、4年間使うことを踏まえて512GBをおすすめしたい。写真や動画、課題で使用するファイルやデータなどで簡単に容量が埋まっていく。

クラウドストレージや外部ストレージを活用するのは玄人の考え方。ストレージ容量がギリギリになると、Macのパフォーマンスにも影響を及ぼす。Macのストレージは高価だが、予算が許すのであれば512GBを推したい。

メモリ

M1 Macにはユニファイドメモリが採用されており、Intel Macのメモリより高速に動作すると考えて良い。膨大な数のアプリケーションを同時に起動する、メモリを多く使用する作業に取り込む予定がなければ、8GBで事足りる。不安であれば16GBまで増やしておいても良い。

おすすめの構成

上記を踏まえ、大学生におすすめするM1 MacBook Airの構成は以下のとおり。7コアGPUのM1チップ、8コアのメモリ、512GBのストレージから構成された税込122,980円のモデルだ。4年間使い続けるには十分だろう。

• 8コアCPU、7コアGPU、16コアNeural Engineを搭載したApple M1チップ
• 8GBユニファイドメモリ
• 512GB SSDストレージ

Apple公式サイトよりキャプチャ、学生ストア価格

おすすめのWindows PCは？

先日公開した「学生はM1 MacBook Airを買うべき？M2モデルを待ったほうが良い？」に対し、「Windowsを候補に入れるべきだ」との指摘があった。「M1 MacBook AirとM2 MacBook Airで迷っている学生は、M2モデルを待たずにM1モデルを買うべきだ」という主張をまとめているため、MacとWindowsで迷っている学生は前提としていない。

Windows PCを前提から外した理由は、僕自身がWindows PCを使っていないからだ。パソコン選びは、価格やスペックだけで決まる単純なものではない。自分が自信を持って語れる領域のみで持論を展開したに過ぎない。

大多数の人は「Windowsも候補に入れたほうがいいのでは？」という親切心ゆえの指摘と受け止めているが、一部の人はWindowsを意図的に外していると被害妄想を膨らませている。僕はWindowsを否定する理由はない。むしろWindows PCのおすすめ製品があれば、是非とも教えてもらいたい。

そこで、本記事をここまで読み進めてもらえた熱いWindowsユーザーがいれば、本記事のコメント欄で推奨製品とその理由を熱く語ってほしい。ジャパネットたかたになった気持ちで、おすすめポイントなどを語ってもらえればと思う。