M4 MacBook Pro、ようやく”Proらしく”なりそう。でもM4 Proは売れなくなりそう
M4 Proモデルを買うべき理由が失われる気がするんだよなあ
M4チップを搭載した14インチMacBook Proは、M2 ProやM3 ProなどのProチップモデルに近いハードウェア仕様になる可能性が高い。費用対効果が極めて高い機種になると期待できる。同時にM4 Proチップモデルが中途半端な位置づけとなり、売上に影響しないか心配だ。
ベースモデルのハードウェア仕様引き上げ
次々と公開されているM4 MacBook Proの実機レビューによると、14インチM4 MacBook Proのベースモデルは以下の仕様を持つという。
- M4チップ(10コアCPU・10コアGPU)
- 16GB RAM
- 512GB SSD
- 14.2インチLiquid Retina XDR Display(ProMotion対応)
- 3つのThunderbolt 4(USB-C)ポート
- HDMIポート
- SDXCカードスロット
14インチM3 MacBook Proの仕様と比較して、赤字で記した点が進化している。
M4モデル | M3モデル | |
---|---|---|
チップ | M4 (10コアCPU/10コアGPU) |
M3 (8コアCPU/10コアGPU) |
メモリ | 16GB | 8GB |
ストレージ | 512GB | |
ディスプレイ | 14.2インチLiquid Retina XDR Display(ProMotion対応) | |
Thunderboltポート | Thunderbolt 4ポート x 3 | Thunderbolt / USB 4ポート x 2 |
HDMIポート | ○ | |
SDXCカードスロット | ○ |
MacBook Proは長年8GBからの構成が販売されており、一部ユーザーからは「プロモデルなのに8GBスタートはおかしい」と指摘されていた。
メモリが16GBになることで複数のアプリケーションで同時に作業した際のパフォーマンスが安定する。メモリが増えている理由の1つに、Apple Intelligenceがあるだろう。「Apple Intelligenceのために作られた」と謳っているiPhone 16とiPhone 16 Plusも8GBにアップグレードされている。(昨年は6GBだった)
標準構成が16GBスタートになることは歓迎されるべき変化だが、最も注目したいのは2つのThunderbolt/USB 4ポートから3つのThunderbolt 4ポートに進化している点だ。この変更によって2つの大きな変化が期待できる。
画面を開いたまま、最大2枚の外部ディスプレイが出力可能に
1つ目は、本体を開いた状態で最大2枚の外部ディスプレイが出力可能になること。
現行のM3 MacBook Proは1台の最大6K解像度@60Hz、またはMacBook Proを閉じた状態で最大5K解像度@60Hzの2台目の外部ディスプレイの出力に対応する。つまり画面を開いたまま2枚の外部ディスプレイを同時に使用できない。
本体の右側にUSB-Cケーブルが挿せるようになる
M3 MacBook Proは右側にUSB-Cポートを搭載しない。そのため右側にコンセントがある場合や、右側にある周辺機器を接続したい場合は、左側にあるUSB-Cポートを利用する必要があった。
右側のポートはProやMaxチップを搭載するモデルに限定されていたが、M4 MacBook Proは右側にもUSB-Cポートが確認されている。
M4モデルの性能向上によりM4 Proの位置づけが中途半端になりそう
M4 MacBook Proのリークが正しければ、ベースモデルに16GBメモリが搭載され、外部ディスプレイ出力が可能になる。また、右側のUSB-Cポートにより周辺機器接続や充電がさらに便利になるだろう。
M3チップシリーズでは、13インチMacBook Proの代わりに14インチモデルの筐体に進化。上位モデルと全く同じディスプレイを搭載するなどハードウェアとしては大きく進化したが、M3 ProとM3 Maxモデルと細かな仕様の違いを設け、差別化が図られていた。
今年は状況が異なる。スペックアップだけではなく、カラーバリエーションもProとMaxモデルに限定されていたスペースブラックが選択できるようだ。iPhone 16シリーズで標準モデルの性能を引き上げたのと同様に、MacBook Proでも同様の動きが期待できる。
しかしM4 MacBook Proの”コスパアップ”は歓迎する一方で、M4 Proモデルの位置づけが中途半端にならないか心配だ。チップのGPU性能などはM4チップ以上M4 Maxチップ未満になることは想像に難くないが、M4チップで物足りない人の多くはM4 Maxチップを選ぶことになるのではないだろうか。
M4 MacBook Proに向けてThunderbolt 4製品をチェック
記事執筆時点でThunderboltケーブルの売れ筋ランキングで最も順位が高いThunderbolt 4ケーブルは「Anker USB-C & USB-C Thunderbolt 4 100W ケーブル 0.7m」。ノートパソコン用ドッキングステーションの売れ筋ランキングで最も順位が高い製品はCalDigit TS4だった。