【レビュー】1万円以下でコスパ抜群!完全ワイヤレスイヤホン「M-SOUNDS MS-TW1」
左右のイヤピースが独立した、俗に言う「完全ワイヤレスイヤホン」はなんだかんだで高い。耳栓のような極めてコンパクトな形の中に最新の技術がギュッと詰まっているため、安くないことは想像できるかもしれないが、それにしても高い。
税別16,800円する「AirPods」が「安い」と言われるぐらいなので、2万円オーバーは当たり前の世界だと思って問題ない。
ところが、この世界に驚くほどコストパフォーマンスの高いやつが登場した。名前は「M-SOUNDS MS-TW1」。全く愛着の湧かないネーミングではあるが、魅力はなんと1万円以下で購入できる、ということ。しかも、音質も悪くない!
1台提供して頂いたので、その魅力を紹介する!
価格の割には満足度の高い音質、使い勝手も良好
「M-SOUNDS MS-TW1」は今流行りの左右独立型の完全ワイヤレスイヤホン。1万円を切る価格帯となると、果たして製品の品質が気になる人もいるかもしれないが、結論から言うと、僕の第一印象の時点で予想を大幅に上回るクオリティでとても満足している。
まずは電池持ち。単体による連続音楽再生時間が約2~2.5時間となっていて、専用の充電ケースを利用すれば約3回フル充電可能。
要はざっくり6〜7.5時間使い続けることができる。「AirPods」と比較すると見劣りするかもしれないが、日頃からあらゆるデバイスを充電している僕としてはそれほど苦ではない。
専用のケースはマグネットが用意され、イヤホンを近づけるとそれぞれのイヤピースが用意された穴にピタッと入り、固定される仕組み。特に高級感があるものではないが、かと言って必要以上にチープな作りというわけでもなく、価格相応という印象。個人的に不満はない。
ケース本体はMicro USBで充電し、背面にポートが用意されてる。イヤピース単体を充電する仕組みはなく、このケースに入れて充電する。
ケースの蓋を開けるとイヤピースの円形の周囲が青く光る。これらはボタンとなっていて、1クリックで音楽の再生・停止、2クリックで次の曲、3クリックで前の曲に変更することができる。
Siriの操作にも対応し、マイクも内蔵されているため、通話が可能。一度通話してみたが、通話品質は思いの外クリアで、特に問題なく会話ができた。話していた相手がとんかつ屋のおばちゃんだったため、通話品質は確認できなかったが、注文内容がしっかり通っていたので問題なかった、と判断している。
ただ、やはり「耳栓型」と言われるだけあり、通話している姿の違和感は気になる。「AirPods」ならまだ枝の部分があるのでまだしも、「M-SOUNDS MS-TW1」の場合は耳に何かを入れていることは注視しない限り分からない。
実際に「M-SOUNDS MS-TW1」を使うには、何よりも最初にペアリングをする必要がある。2つの独立したイヤピースのうち、いずれか1つをデバイスとペアリングし、もう片方のイヤピースがデバイスとペアリングしたイヤピースとペアリングする、という仕組みになっている。
- 右(または左)のイヤピースの電源を入れ、ペアリングモードにする【A】
- 「MS-TW1-R」(または「MS-TW1-L」)と表示されるデバイスとペアリングする
- 【A】でペアリングした右(または左)のイヤピースではない方のイヤピースの電源を入れる
- 左右の耳が連携し、ペアリングが完了
使い始めた当初はこの手順が分からず混乱していたが、一度設定してしまえば物凄く楽。というのも、ケースの蓋を開け、イヤピースを取り出す度に自動的にペアリングしたデバイスと接続してくれるのだ!
電源を切る手間もない。音楽を再生している状態でも、イヤピースをケースの中に入れれば自動的に電源が切れ、音楽も停止する。これらの動作は極めて安定していて、とても快適だった。
左右独立型に興味があるけど不安、という人にオススメ
肝心な音質はと言うと、正直なところ、1万円以下とは思えないクオリティだ。もちろん、有線型イヤホンで1万円となるとそこそこ満足できるものが買えるかもしれないが、「完全ワイヤレスイヤホン」というジャンルの中では価格以上の品質であると感じた。
僕は比較的ポップスを聴くことが多いが、どの曲を聞いてもスカスカすることなく、ボーカルもハッキリと聴こえる。さすがに細かいディテールが浮かび上がるような音質ではないが、低音もしっかりと響く。
安価なワイヤレスイヤホンでありがちな接続が不安定でブツブツ切れるということもなく、左右独立した状態でありながらも左右の再生タイミングがズレるということもない。
注意点としては3つ。1つめは、最小音量が必要以上に大きいということ。移動中やトレーニング中に使用する分には全く問題なかったが、作業用BGMとして使うには少し音が大きすぎる。
また、なぜか音量のメモリが1つになると無音になるという謎のバグも存在する。これらは現在、メーカーに問い合わせ中。
2つめは、動画再生時に動画とのタイムラグがあること。これはBluetoothで一般的に使われているコーデック「SBC」にしか対応していないことが原因。こればかりは1万円以下という価格設定である以上、仕方ない。
3つめは、通信距離が思いの外短い、ということ。公称値は約10メートルとなっているが、ジムで使用している時に切れてしまうことが何度かあった。
なお、「M-SOUNDS MS-TW1」は防水・防滴仕様ではない。僕が何も考えずにジムのトレーニング中に使っていたのだが、幸いにも今のところ動作に支障はきたしていない。
これらの点が許容できるのであれば、「M-SOUNDS MS-TW1」」は完全ワイヤレスイヤホンの初心者にはオススメしたい1台。音質にこだわるのであればもっと高価なものに目を向けたほうがいいとは思うが、この機能とクオリティが1万円以下で購入できるのは魅力的だ。
「完全ワイヤレスイヤホンってどうなのかな……でも試してみたいな……」「煩わしいケーブルから解放されて音楽を楽しみたいけど、何万円も出したくない……」という人は是非購入を検討してみるべし!