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「iOS 9」のコンテンツブロック機能、広告だけではなくGoogle Analyticsなどアクセス解析ツールもブロックされる可能性

IOS9 iPhone

ここ最近、「iOS 9」のベータ版に用意されている「コンテンツブロック機能」が大きな話題となっている。

「コンテンツブロック機能」とは、ウェブ上にある広告をブロックする機能を追加することができる機能のこと。数日前、MurphyAppsが開発しているコンテンツブロック機能「Crystal」を有効化した場合と通常時を比較した結果、データ通信量は53%削減され、ページの読み込み速度は平均して3〜9倍も高速化されたことが調査結果として明らかになった

あくまでもベータ版であるため正式版としてリリースされるかどうかは定かではないが、ユーザーにとっては通信量節約、読み込み速度短縮化などのメリットがあるように思える一方で、ウェブ業界全体を揺るがす大打撃になり得ることが明らかになった。

The Next Webによると、iOS 9」のコンテンツブロック機能がブロックするのは広告だけではなく、Google Analyticsなどアクセス解析ツールもブロックされる可能性があると報じている!

ウェブ全体に大打撃?!マーケティングに難あり

Google Analyticsさえもブロックするとなると、大問題だ。ウェブ業界全体が傾く可能性がある。

現在開発されている「Crystal」や「Purify」などのコンテンツブロック機能はGoogle Analytics」や「Chartbeat」などのマーケティング・アクセス解析ツールさえもブロックしてしまうことが判明した。多くのウェブメディアはこれらのツールを利用してサイトのアクセス数やユーザーの動きを確認していると思われるが、ブロックされた場合、正確な解析データが確認できなくなる恐れがある。

サービス提供側だけではなく、ユーザーにもデメリットになる可能性

一部では目障りな広告が非表示になることから「コンテンツブロック機能」を歓迎している様子も伺えるが、「Google Analytics」のようなアクセス解析ツールがブロックされた場合、ユーザーも巻き込み、ウェブ全体が計り知れないダメージを被ることになる

バナー広告が販売できなくなれば「記事広告」などを含む広い意味での「ネイティブアド」にシフトすると思われたが、アクセス解析ツールが遮断されてしまった場合、自社媒体の正確なマーケティング情報が得られなくなる。正確なユーザー属性も分からなくなってしまうため、ターゲティングにブレが生じる恐れがある

ユーザーにとってもデメリットになる可能性はある。まず、ターゲティングにブレが生じることによってユーザーが好むコンテンツをサービス側が分からなくなり、今までに比べて興味がそそられないコンテンツを見る機会が増える可能性がある

また、広告がブロックされることによって一部では「アフィリエイトに移行するのでは」という意見が出ている。その可能性は十分あるが、広告による収益が激減した場合、アフィリエイトの成果を優先してしまい、「商品やサービスを正確にレビューする(ユーザー思い)」ことよりも「商品やサービスが売れる(自分本位)」ことにベクトルが向いてしまい、ウェブ全体として非常に不健全な方向に転じてしまう可能性がある。

あくまでも「iOSのSafariにおけるブラウジング」が対象

ただ、絶望するのはまだ早い。というのも、そもそも「コンテンツブロック機能」が正式バージョンで実装されたとしても、適用されるのはあくまでもSafariで閲覧した場合のみとなっているため、TwitterやFacebook、RSSクライアントアプリなどから閲覧したものはこれまで通り広告が表示される。

また、同機能を有効化するためには対応アプリケーションをインストールする必要があり、デフォルトで有効化されている訳ではない。

特に日本国内ではiPhoneのシェアが高く、デスクトップよりもモバイルからのアクセスが増えている昨今、非常に大きな痛手となりそうだ。今後の動向を注意深く追っていきたい。

(via The Next Web

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更新日2015年08月28日
執筆者g.O.R.i
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